新型インフルの(日本での)変異の現状を読む!関西TV(9月7日) VS 日本経済新聞(本日) | 医学ニュースの深層

新型インフルの(日本での)変異の現状を読む!関西TV(9月7日) VS 日本経済新聞(本日)

ここでも再三、指摘しているように、新型インフルの変異は極めて重要な問題である。


日本国内では、実際のところ、どうなっているのだろう?


まずは、京大の知人の学者が教えてくれた、関西TVの報道番組(ニュース・アンカー)での9月7日時点での報道(番組HP参照)では、以下のとおり。


「感染拡大が続くなか一番警戒されているのが、ウィルスの突然変異です。
変異が起こると強毒性になる可能性があるのです。 製品評価技術基盤機構の研究所では、

新型ウイルスの遺伝子を調べ、危険な「変異」が起こっていないか監視しています。

新型ウイルスは、すでに変異が起こっていて、日本国内だけで20種類近くに分かれるといいます。

遺伝子配列をたどると、新型ウイルスは各地で感染が広がるたびに、変異する機会を得ているのです。
ウイルスの変異は大きな脅威を秘めています。


それは、今、インフルエンザの治療に使われているタミフルが効かなくなるかもしれないということです。幸い今のタミフル耐性ウイルスに感染を広げる力はありませんが、本格的なインフルエンザのシーズンを控え、より強いものに変異する心配が高まっています。 」


上記の番組は、私も、たまに関西主張中には、実家での録画を、見ることがある。

報道の切り口および質は、高いと個人的には思う。



次に、本日(10月12日)の日本経済新聞の科学面の記事。


「新型ウイルス 変異なし。感染研 ワクチン効果期待」という見出しである。

この分野の権威の田代氏(私が、先生を先生と書かないときは、・・・、わかりますね?)の講演かららしい。


「WHOのネットワークを通じて、世界各地の新型ウイルス1~2万株を調べたところ、

すべてのウイルスが遺伝子的に均一な性質を保っていた。

大きな変異が確認されたのは3株だけだった。だから、少なくとも現段階では、新型ワクチンは効く」


 まず、WHOを引き合いに出すのはいいが、彼は委員だし、

1~2万株って、随分、アバウトな言い方ですね。

もう少し正確に、たとえば、約1万5千株の調査とか、なぜ言えないのか?

まあ、自分でやってるわけじゃないからね(笑)。


 ・・・で、大きな変異が世界規模で、3株あるのか。これを、少ないと言いたいのでしょうね・・・。

まあ、1万分の3なら、「少ない」のでしょうよ(彼的には)。


でも、その大きな変異が、どこの地域で起こっているのかが重要なはずですがね。

たとえば、このごろ、なぜか、無視されているH5N1(強毒性の鳥インフル)の

感染地帯でなのか否かの情報は非常に重要なのです。


総じて今日の日経新聞の報道は、見出しのとおり「ワクチン」効果を強調し、

誘導するような「政治的配慮」が伺えます。


私は、報道としては、上記の「関西TV」のほうに、軍配をあげますね。

そりゃ、今のところ、大丈夫といいたいですよ。

でも、もう、悪い方向への兆しは、見えていますから。