エジプトでの鳥インフル・新型インフル同時流行が及ぼす意味について | 医学ニュースの深層

エジプトでの鳥インフル・新型インフル同時流行が及ぼす意味について

昨日、エジプトの鳥インフルに関するネタを書いたけれど・・・。


 「読者様」から「なんで、怖いか、わかりやすく教えろ」という主旨の「ご質問」が、コメント欄に書かれたので、ここで回答しておきます。


 エジプトは、東南アジア地域以外では、最もH5N1(鳥インフルエンザ)による死亡者が多いところ。確か、今のところ世界3位。


 これまで、鳥インフルエンザの流行については、今の「新型インフル(H1N1)」(S-OIV)に比べても、地域限定的でした。致死率は非常に高いけれど、感染能力は低い。


 まあ、今のところ、エジプトでは新型インフルエンザの感染例は報告されていないようです。・・・しかし、今後、エジプトで新型インフル(S-OIV)が流行りだすと、S-OIVとH5N1の2種類のウイルスの間で、遺伝子交換が起こる可能性が十分考えられます。要は、毒性も更に増して、感染能力も高いウイルスができてしまう・・・。

 さらに、エジプトは「渡り鳥」の飛行経路に位置しています。


 ということで、「空飛ぶ(感染能力も高い)、強毒性ウイルス」が、国際的に巻き散らかされる可能性があるから、まともな専門家の皆さんは、あらゆる最悪の事態を想定し、それらを回避するために頭をひねってるわけです。(私もその1人ですが、おかげさまで、本命の「iPS細胞研究」はちょっとお休みせざるを得ませんでした。)


 まあ、この回答で、わかりやすいか否か知りませんけどね・・・。


 さて、私は、前から言ってる「インフルエンザ論文」も投稿審査中だし、本命の「iPS細胞研究」論文の改訂版も、ようやく無事に投稿完了!


 ゆっくりしていたいけれど、間髪いれずに、昨日、Cell Stem Cell誌で発表された「ハーバードの別チーム」での研究成果を超える結果については、もう論文あるいは学会発表したほうがいいので、また、そちらのほうに、力を注ぎます。


 これから学生のレポートも採点しなきゃならんし、臨床も、もちろん大変だけど・・・。