首都圏の新型インフル事情 | 医学ニュースの深層

首都圏の新型インフル事情

 夕刊紙掲載の記事だから、割り引いてみたほうがいいが、まあ意外にも(失礼!)正確な情報なのでアップしておきます。


都内の医師が言う。
 「東京では先週まで、海外渡航歴や確定患者との接触がなければ、

A型の陽性患者でも新型か季節性かを調べる遺伝子検査 は行なっていませんでした。

実際、病院で遺伝子検査 を拒否された人も多い。

都は18日から検査対象を広げたが、

それでも『病院で38度以上のA型入院患者が3人以上出た場合』など、ケースはかなり限られています」

元東京都衛生局職員でジャーナリストの志村岳氏はこう指摘する。
「関西では神戸の医師がたまたまA型患者の遺伝子検査 をして新型が発覚したが、

東京の体制では感染者が『いない』といった方がいい。

A型インフルエンザの流行は例年3月いっぱいで終わるのに、都内では4月以降も続出している。

季節性ではなく、新型がとっくに入り込んでいた証拠です」

WHOの新型インフルエンザ 対策に携わる東北大教授の押谷仁氏(ウイルス学)は、

「米国の公表は数千人だが、恐らく10万人規模」とし、日本も少なくとも数千人規模になっている、

とみている。つまり、首都圏も関西と同じかそれ以上、数百人規模の感染者がいてもおかしくないのだ。

遺伝子検査 費用は4万円
「東京には“事情”がある。遺伝子検査 にかかる費用は4万円。

A型患者すべてに検査をやっていたら、財政がパンクします。

また、感染者が続出すれば、東京五輪招致へのイメージも悪いですからね」
とっくの昔に、周囲には感染者がウヨウヨ。都内1人目で大騒ぎするのがバカらしくなる。

(日刊ゲンダイ 2009/05/21 掲載)