私流のワインの飲み方 | 医学ニュースの深層

私流のワインの飲み方

いつ頃からになるのだろうか・・・?


 仕事が成功したり、とっても嬉しいことがあったりした時に、ワインを1本、1人であけるようになったのは。


 もう、13年ほど前になるけれど、私は、政府の研究機関で働いていた。

そのときの上司が、ワイン好きで「高いのではなく、美味しくてなるべく安いのを掘り起こすのが、本当のワイン通」という方だった。

 彼は、しばしば、仕事が終わった後にワイン会を開いていたが、私は「飲めるものならなんでもいい」こともあり、仲良く参加していた。まみは、いつも、近所のイタリアンに配達してもらった美味いピッツアだった。(ちなみに、そのお店は、もう無い。あれだけ、価格も手ごろで、美味いピッツアは、いろいろ探したけれど、まだ都内でお目にかかったことがないんだが・・・。)


 へえ~、案外、美味いものなんだなワインって・・・。難しい知識は、あまり覚える気にはならないけれど・・・。でも、この1本には、生産者の苦労や工夫、知恵などが詰まってるんだろうな・・・。さしずめ、ワインとは「伝統を飲む」ものと言えようか・・・などと想いながら飲んでいたのを、この季節になると思い出す。


 その後、私は、ハーバード大学医学部の研究員として赴任するために職場を離れたが、ちょうど、私が渡米中に、その元 上司は、脳腫瘍のため、奥様と1歳のお子様を残されて、旅立たれた・・・。今の技術なら、もう少し、どうにかなったな。。。


 私は、帰国後、今のT大学の助教授として赴任したわけだが、それ以降、今までで、そのワイン会の仲間や友人が、ワインとは無関係なのだが、癌(非小細胞肺癌、肝癌、膵臓癌)で亡くなっている。奇しくも、すべて、5月ごろだ。。。


 なぜ、私のような「いきあたりばったりの」人間が、医学研究に執念を燃やすようになったか、おわかりいただけるかと思う。


 それで最近は、自分が手がけた研究で、良いデータが出揃ってまとめた論文が一流誌に掲載されそうなときとか、出版されたときなどに、上述のように、ワインを1本、ワインバーで、あけることにしている。


 先日、想いを込めて、あけたのは、下記のワイン。


Morey Saint Denis Christophe Bryczek 2005である。

  

人生…いきあたり、ばったり!



次回、私の論文が世に出たときには、恐らく一騒ぎになるだろう。


そのときには、何を飲むか・・・?


ソムリエールさん、ご協力を御願いしますね('-^*)/