キッザニアとロボット手術
手術支援ロボットとして現在、最も広く普及している「ダビンチ」。
このダビンチは、従来の内視鏡手術では難しかった結紮術・縫合術を
極めて容易にしただけでない。
立体感ある映像を実現し、術者が術野から離れた操作台に座り、
ビデオ画像を見ながらロボットを操作する仕組みとなっている。
ダビンチを使用した手術件数も年々増加し、今や全世界で13万件を超えている。
中でも増加が顕著なのが前立腺摘出術であり、
2007年時点での全世界での手術件数は5万5000例に達した。
これまでの手術に比べ,痛みや出血が少ないだけでなく、
尿失禁・勃起障害などの術後合併症も減少するとされている。
また、ダビンチによる子宮摘出術も急増し、2007年の手術件数は1万3000例にも上った。
こういう時代を迎え、最近では次世代の外科医に対するロボット手術の
研修・訓練法が議論されるまでになっている。
例えば、UCLA医療センターでのエリック・ダットソン先生は、
外科研修志望者の選考に際して、ビデオゲームの勝負を挑んで、
その腕を見るという選考方法を採用している。
実際、ビデオゲームの経験の長短・腕の善し悪しが、
ロボット手術の技量と相関することが報告されている。
もはや、このロボット手術の時代に優秀な外科医を養成しようと思えば、
学生や研修医に「教科書や論文を読むよりも、ビデオゲームに励め」と
指導しなければならないようだ・・・。
そこで、キッザニアである。http://www.kidzania.jp/tokyo/about/index.html
これは、東京や大阪で開園されている。
「キッザニアには、消防士、キャビンアテンダント、モデル、医師など、
80種類以上のお仕事や習い事がこども達を待っています。
各パビリオンでは、こども達の年齢や興味に合わせて、
さまざまな種類、難しさのアクティビティ(具体的な仕事や体験)が用意されています。
パイロットになって飛行機を操縦、アナウンサーとしてニュースを読む、
消防士になって消火活動、幼稚園の先生になって小さい子の世話をするなど、
大人になりきって遊ぶことができます。」・・・のだそうだ。
上記のHPを読んでみたが、これは、なかなか、優れたコンセプトだ。
ここで子供たちに、外科ゲーム(外科シミュレーションゲーム)を楽しんでもらい、
1人でも多くの子供が、優秀な外科医になってくれたらいいのに・・・。
以上、外科医(志望)不足に悩む、大学の先生の独り言でした。