iPS細胞で心筋梗塞改善;マウス使った実験で確認-阪大 | 医学ニュースの深層

iPS細胞で心筋梗塞改善;マウス使った実験で確認-阪大

新たな万能細胞と期待される人工多能性幹(iPS)細胞を使い、

マウスの心筋梗塞(こうそく)の病状を改善することに大阪大医学系研究科の

澤芳樹教授と三木健嗣研究員らが世界で初めて成功した。

3月5日から東京で開催される日本再生医療学会総会で発表する。
澤教授らは京都大の山中伸弥教授が開発した手法でマウスのiPS細胞を作成。

従来の手法では心臓の筋肉になる細胞を特殊なマークを付けてより分けていたが、

澤教授は心臓の筋肉だけを残す独自の培養法を開発、

心筋のシートを作って心筋梗塞のマウスの心臓に張り付けた。
その結果、シートを移植した8匹のうち半数で血液を送り出すポンプ機能が改善した。

ただ、残り半数は移植した細胞が腫瘍(しゅよう)化した。
培養した細胞の99パーセントが心筋に分化したが、

残る1パーセントの未分化細胞が腫瘍になったとみられる。

今後の研究で純度を上げることができれば、新たな心臓病治療に応用できる可能性もある。(時事ドットコム)


コメント


 バレンタイン日ですが、気になったので、書置きしておこうと。


1. このiPS細胞は、そもそも、いくつの因子で樹立されたのか?

C-Mycをふくめた「元祖、4因子」なのか?それとも、それをはずした3因子なのか?どちらかといえば、発癌率からして4因子のもののような気がするけれど、3因子でもやってるのかな。


2.このiPS細胞は、どこ由来のものなのか?

マウス皮膚繊維芽細胞由来なのか、あるいはマウス肝細胞由来なのか?

後者のほうが、癌化を防ぐ点では、望ましいけど、たぶん、前者でだろうな。


3.iPS細胞から心筋細胞への分化誘導時に、不完全な分化しかしなかった未分化細胞が腫瘍になった・・・というのは、慶応の岡野先生らの神経幹細胞への分化研究と同じだな。要は、「中途半端な、フラフラした不良」細胞が、ヤバイということ。

「不良」と「まともなもの」を完全に分ける技術の開発が重要。

ヒトiPS細胞の腫瘍化マーカーなり、腫瘍化の発現パターンなんかが同定できれば素晴らしい。


4.3月5日の学会には行くから、1~2については、どういう答えをされるか聞いてくるわ。

 

 しかし、それにしても、またまた「世界初」といわれるほどの研究が、なんで、まだまだ論文にならんのだ。特に日本からのは。

 ハーバードやMITは流石だが、中国からは、凄く変な論文でも出るが(笑)。


 速攻で審査が受かっても、おかしくないはずだが、一体、何が問題になっているのかを、もう、緊急討論したほうがいいんじゃないか?

 特に、先に新聞報道してしまった、このような例をネタにして。