電子オルガンを見ると、ほとんどの人がエレクトーンと言う。
これは大きな間違いなのだが、一時期のシェアーを考えれば致し方ない。
エレクトーンはヤマハの作っている電子オルガンの呼び名であって、楽器の名前ではない。

このエレクトーン、最近人気が落ちて、私共、ヤマハのディーラーは困っている。しかも、アコースティックのアップライトピアノまで電子ピアノに食われて、とんと売れていない。

エレクトーンはいったいどうしたいのか? この20年近く疑問に思って来た。
音楽ファンの私にとって、オーケストラのクラッシック音楽をエレクトーンの様なデジタル楽器で再現する事には大いなる抵抗がある。それだったらレコーディングされた名指揮者で素晴らしいオーケストラのものを聴いていたい。
この場合、弾き手が個人的に楽しむ事は賛成だが、発表会以外のステージで聴かされるのは抵抗がある(エレクトーンが解っていない、変な年寄りと思わないで下さいね)。
本来、この手のオルガンはジャズかロックの世界で格好良く使われるのが本筋だと私は思っている。

私はジャズオルガンやシアターオルガンのスタイルで演奏されるものは大好きなジャンルでもある。両手、両足を駆使して演奏する。内蔵のシークエンサーに頼って、ほとんど自分で弾いていない演奏はナンセンスだとおもっている。
機種が変われば、楽譜とデーターが一致せず弾く事は出来ない。最初に楽器ありきではなく音楽ありきが本当だと思っています。

友人の楽器店主が「今のエレクトーンコンクールは現在の新機種の操作法のコンクールだ」と言うのは、全くその通りだと思う。
友人の結婚式に呼ばれて、その会場に問い合わせたらエレクトーンと言われたので行ったら全く知らないメーカーで弾けずに帰って来た人も多く知っている。

エレクトーンを中心とした電子オルガンの愛好家さんは、ぜひ、ドローバー(エレクトーンにもありますよ)で音を作り、両手両足のみで演奏出来る様にレッスンを受けて欲しい。
そうすれば、機種が変わってもすぐに買替える必要は無い。ただ、教える事の出来る指導者は限定されるかもしれない。

指導者の方々、ジミー・スミスは聴いてくださいね。あと、ジョーイ・デ・フランチェスコ、佐々木昭雄、バーバラ・ディナーリンも。他にも多くいますが、これくらいにしておきます。