新日本フィルのサントリー定期。休日のマチネのせいか、いつもより客席が埋まっている感じがする。

1曲目は「モーツ・アルト・ア・ラ・ハイドン」は、気の利いた冗談音楽だと思うが、演奏者は極めてまじめに演奏している。途中、ハイドンのびっくり交響曲やらモーツァルトの40番の冒頭などが出てきて、しかも最後はハイドンの「告別」式に演奏者が消えるというもの。冗談なのだから楽しめば良いのだろう。

2曲目はシマノフスキの「協奏交響曲」。20世紀前半のモダニズムを感じる曲ではあるが、たいして面白い曲とは思わない。交響曲となっているが実質ピアノ協奏曲である。ピアノのパイクは実に美しい音の持ち主である。

休憩後はシューベルトの第8番。いわゆる「グレイト」であるが、あまり意味のないネーミングであるといつも思う。結構長い曲なのだが、何時聴いてもあまり長いとは思わないのだから名曲なのだ。シューベルトが前期ロマン派の作曲家であることを納得させてくれる伸びやかな演奏。聴いていてとても心地よい。オーボエ首席のルンブレラスがすばらしく、クラリネットがこれに対抗できる程度にもう少し強くなるとNJPはもっと面白くなるのではないかと素人ながら思う。弦では以前からVaがバランス上の弱点のような気がしているのだが、これは指揮者のバランス上の好みかもしれない。