《前回に引き続いて取り調べ担当副検事の尋問が行われた。上村被告の前任係長(48)ら当時の厚労省職員を調べた牧野善憲副検事(42)が出廷。検察官はまず、前任係長の調書について問う》
検察官「調書に『村木被告に報告した』とあるが、前任係長は村木被告に何と言われたと話したか」
副検事「『ちょっと大変な案件だけどよろしくお願いします』と」
検察官「公判で違う供述をしているが」
副検事「それぞれの立場もあるし、一緒に働いていた関係者のことなので証言はしづらいと思う」
《弁護人が反対尋問に立ち上がる。牧野副検事は、障害者自立支援法を通すために民主党の石井一参院議員の口利きを断れない状況だった、とする調書を作成している。弁護側は当時法案はまだなかったとしており、この点を追及する》
弁護人「当時本当に法案があったか調べたか」
副検事「インターネットや押収証拠などで」
弁護人「押収証拠やインターネットで、平成16年2月当時の法案に関する資料は見つかったのか」
副検事「なかった」
《被告人質問が始まる。村木被告はハンカチを握りしめ、証言台に座った》
《弁護人は、村木被告が凛の会元会長の倉沢邦夫被告(74)に最初に面会したとされる16年2月下旬や倉沢被告に偽造証明書を手渡したとされる同年6月上旬について尋ねた》
弁護人「2月下旬、倉沢被告と会ったことは」
村木被告「記憶はない」
弁護人「手帳や業務日誌に記載は」
村木被告「探したが、なかった」
弁護人「6月上旬に会った記憶は」
村木被告「ない」
《弁護人は村木被告の当時の手帳を示し、6月1日~10日を確認していく。政党や省内の会議、面会予定がびっしりと書き込まれていたが、倉沢被告との面会の記載はなかった》
《弁護人は上村被告への指示に関する質問を始めた》
弁護人「係長が直接来ることは」
村木被告「課長に相談に来ることはない」
弁護人「上村被告が配属になったことは知っていたか」
村木被告「はい」
弁護人「話したことは」
村木被告「一対一で話した記憶はない」
弁護人「気にかけていたことは」
村木被告「ある。人事案が固まったとき、人事担当者から了解を取りたいと話があった。(上村被告は)旧労働省の分野で仕事をしてメンタルで体調を崩して薬を服用している。ホームグラウンドに戻るので大丈夫と思うが、と」
弁護人「呼び出して指示することは」
村木被告「なかった」
《さらに弁護人は、国会議員からの口利きへの対応を聴く》
弁護人「無理な要望があったらどうする」
村木被告「一番大事なのはできないとはっきり言うこと」
弁護人「違法でもいいからといわれたことは」
村木被告「1度だけ。断ったら上司に電話がかかってきたことがあった。もう1回行き、『誰に電話しても私が来る』と言うとあきらめてくれた」
《最後に弁護人は、取り調べについて尋ねた》
弁護人「署名を拒否した調書は」
村木被告「あった。言ったことのない人の悪口を言ったように書かれていたので突き返した」
弁護人「最終的には署名したか」
村木被告「した。弁護士に相談したいと言ったが『私の調べは今日まで』といわれ、徹底的に直してサインしようと決めた」
弁護人「罪の重さについて言われたことは」
村木被告「『執行猶予がつけばたいした罪ではない』と」
弁護人「どう思ったか」
村木被告「腹が立った。検事のものさしと一般市民のものさしは…」
《涙で言葉を詰まらせる村木被告。ハンカチで涙をぬぐい、声を絞り出す》
村木被告「私にとっては罪人になるかならないかの問題だし、公務員として30年やってきたことの信用を失うか失わないかの問題です、と泣いて訴えた」
《法廷は静まりかえった。被告人質問は15日も引き続き行われる》
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《弁護人は村木被告の当時の手帳を示し、6月1日~10日を確認していく。政党や省内の会議、面会予定がびっしりと書き込まれていたが、倉沢被告との面会の記載はなかった》
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弁護人「係長が直接来ることは」
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弁護人「上村被告が配属になったことは知っていたか」
村木被告「はい」
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弁護人「気にかけていたことは」
村木被告「ある。人事案が固まったとき、人事担当者から了解を取りたいと話があった。(上村被告は)旧労働省の分野で仕事をしてメンタルで体調を崩して薬を服用している。ホームグラウンドに戻るので大丈夫と思うが、と」
弁護人「呼び出して指示することは」
村木被告「なかった」
《さらに弁護人は、国会議員からの口利きへの対応を聴く》
弁護人「無理な要望があったらどうする」
村木被告「一番大事なのはできないとはっきり言うこと」
弁護人「違法でもいいからといわれたことは」
村木被告「1度だけ。断ったら上司に電話がかかってきたことがあった。もう1回行き、『誰に電話しても私が来る』と言うとあきらめてくれた」
《最後に弁護人は、取り調べについて尋ねた》
弁護人「署名を拒否した調書は」
村木被告「あった。言ったことのない人の悪口を言ったように書かれていたので突き返した」
弁護人「最終的には署名したか」
村木被告「した。弁護士に相談したいと言ったが『私の調べは今日まで』といわれ、徹底的に直してサインしようと決めた」
弁護人「罪の重さについて言われたことは」
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《涙で言葉を詰まらせる村木被告。ハンカチで涙をぬぐい、声を絞り出す》
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