岩代國一之宮・伊佐須美神社(福島県会津美里町)
岩代國一之宮・伊佐須美神社。
福島県大沼郡会津美里町に鎮座。
御祭神は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冉尊(いざなみのみこと)、大毘古命(おおひこのみこと)、建沼河別命(たかぬかわけのみこと)。
社格は旧国幣中社。
イザナギ・イザナミの二柱は有名だが、大毘古命と建沼河別命の二柱は私はここで初めて知った。
この二柱は『日本書紀』で、第10代天皇・崇神天皇の時代に日本各地を平定するために遣わされた四人の将軍のうちの2人とのこと。
大毘古命は孝元天皇の第一皇子で、建沼河別命はその大毘古命の子。
大毘古命は北陸道を開拓し、建沼河別命は東海道を開拓したという。
それで、その二人がそれぞれの道を平定し合流したのがこの場所。
「二人が会う」、ということで『会津』の地名の由来となったらしい。
ちなみに、街道を開拓されたということで、土木建築関係や原子力発電関係者が守護神として信奉しているそうだ。
そういや福島にも東京電力の原発が何基かあるよね。
……いろいろと悪いイメージしかないけど。
うーん。しかし、どこでどう御利益と結び付けられるかわからないよね。
いっときは大怨霊として畏れられた崇徳院の白峰神宮も、蹴鞠のイメージからか今はサッカーや球技の神様として信仰を集めてるっていうし。
そういった連想や発想力があったからこそ、日本人は八百万の神としてあらゆるものへの畏敬の念を忘れずにきたのかもしれないと、ちょっと思った。
福島県内の神社ではちょっと珍しい気がするなあ。
大きな神社でも静かな森の中っていうイメージなので。
それだけこの伊佐須美神社が大きく、信仰を集めていたってことでしょうか。
さすが旧国幣中社。
それにしても木漏れ日が鳥居や参道に光と影の模様を映していて綺麗。
木々が大きく育った神社では、こういった部分もお気に入りのポイントだ。
それにしても、朱色の鳥居が緑に映えて綺麗。
参道正面の楼門には白い布が下げられている。
これは参道の真ん中は神様の通り道であるから、人が通らぬようにとのこと。
なるほど、人の汚れを持ち込まないようにしているわけだ。
それだけ神様を大切にしているということだろう。
と、いつもなら拝殿の画像も撮ってくるところなのだけど、この神社はここまで。
なぜなら、2008年10月に火災が発生し、本殿・拝殿・神楽殿などが全焼してしまったためだ。
今年に入ってからも会津坂下町の諏訪神社が放火によって全焼するなど、痛ましい事件が起きている。
古くから残っている伝統の建物だからこそ、ずっと残していってもらいたい。
そこに詣でた人たちの思いも、そのお社に刻まれている気がするから。
さて、そんなわけで仮本殿の画像の代わりにこれを。
焼失した社殿の再建の図。
2013年に本殿を再建予定とのことだ。
どうやらかなり立派な建物になりそう。
是非ともがんばっていただきたいものだ。
さて、そんなこんなで社務所で御朱印をいただく。
こちらは見開きでいただく。初穂料は500円。
流れるような筆さばきが美しい。
こちらは一の宮御朱印帳用。
一の宮御朱印帳にいただく場合は、初穂料1,000円。
倍率ドン、さらに倍。
通常の倍の初穂料だが、御朱印のほかに小さな御神酒がいただける。
(一の宮御朱印帳の御朱印の際にいただける御神酒)
なんだかいろいろと撮影失敗した画像。
デジカメのストラップが入ってるし。
まだだいぶ先になるが、本殿が再建された折にはぜひまたお参りしたいと思っている。
■岩代國一之宮・伊佐須美神社への地図