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将棋を地政学で考える21 竜王戦第7局「方針通りに進まなければ、数手でひっくり返ってしまう」

将棋は宇宙だ!
アイデス山口@アプリde将棋入門です。

地理的条件で国家の軍事などを考える地政学を、将棋に応用して考えてみよう、というコラムです。
地政学自体、付け焼刃の知識ですし、あくまで私個人的な見解ではありますが、
最終的には、棋力アップの方向にも繋がれば、と思っておりますので、よろしくお願いします。

竜王戦7局目。羽生先生が27年ぶりに無冠になったこともあり、大変注目を浴びておりますが、
将棋の地政学としても、面白い2日目となりましたので、取り上げようと思います。



封じ手は▲5八金と馬の利きから反らす手。
△2七成香を受ける手を予想していましたが、確実に金を渡さない方針でした。
それにより後手は、右側を制圧できそうな雰囲気です。



後手が馬、成香で押さえ込み、右側を制圧できたように見えます。
とは言っても、先手の勢力が左側に集まっただけであり、勢力自体が弱まったわけではないので、先手城の防壁が固くなった、とも言えますが、
制圧は「どう相手の駒の自由を奪うか?」ということであり、いくら勢力が集合したとしても、攻めや守り方が制限されるなら、制圧できていると考えられます。

4筋の桂を取りに行っており、右から中央へ制圧地域を広げていく、といったことも考えられ、
将棋の地政学で考えると、この局面を見る限り、後手が申し分のない展開だと思われます。

そこで先手は、左側から縦に攻められてはたまらないので、▲8五桂で飛車筋を押さえながら、金を取りに行きました。
先手の反撃は、この桂を起点に攻めを繋げていけるか?ということが焦点となります。



後手は、7筋の垂れ歩に対して歩で受けました。
堅実な受けではあるのですが、7筋は先手が相手陣に進軍にしており、先手が制圧した、と言えるでしょう。

それ以上に、飛車の横利きが消えてしまいました。
飛車の横利きが後手玉まで届いており、中央部分も守っていたのですが、自陣中央を制圧する力が弱まってしまいました。
さらに飛車は縦にも押さえられているので、よく言う「飛車がニート」です。

前図から3手しか進んでいませんが、制圧状況が大きく変わってしまいました。

これがシーパワーの将棋なら、局地戦を重視するので、確実に守れれば問題なく、駒得などで判定勝ち、という考えもできますが、
全軍躍動を目指すランドパワーの将棋においては、自らの駒を制限するような動きはあまり良い手とは言えず
後手が歩で受けたのは、将棋の地政学においては、疑問手です。



1日目にも気になっていた▲1二歩。
後手玉を右側に移動させるには最適な手だと思ってあげていたのですが、飛車の横利きが消えたため、後手玉が動けば▲4一角が生じています。
こうなってから打つ、というのは、さすがプロの対局だなぁ~と思います。

6筋にも変化があり、先手が6筋の歩を進めており、1度押さえ込まれた飛車が縦に使える状態になっています。
後手の馬も利きが通っておらず、右側での制圧が弱まっているのに対して、中央から左は先手が制圧してきた、と思われます。

ここまで来ると、将棋の地政学的には、先手の制圧地域が多く、先手が有利になったと言えるでしょう。
どうしてこうなった?という感じもします。

 

前図の▲1二歩を後手玉が払いました。
後手は本陣に作られた拠点から攻められる危険性はなくなりましたが、左側に馬を作られてしまいました。
後手の馬は自陣近くまで移動しており、成香もニートになってしまっています。

先手は玉を移動させることで、いくつかのポイントを上げた、と言えます。
次は▲4五銀と銀をぶつけるのですが、動きの少なかった中央も制圧に来て、完全に先手ペースでしょう。



そこから紆余曲折はありましたが、手数はかなり進んで上記が投了図。
後手玉は上部脱出を押さえられ、その他も先手が制圧地域が多く、
後手も、先手玉周辺での逆転を狙って、馬を2枚作って先手玉に迫っていますが、時すでに遅し、といったところです。


対局としては、最後まで手に汗握る大熱戦でしたが、
将棋の地政学で考えると、比較的早い段階で先手有利がよくわかる対局でした。

後手が△7一歩で飛車の横利きが消えたところで方針がぶれたかな?とは思いますが、少し前のめりで指していたのかもしれません。

ただ、数手で一気にひっくり返ってしまったのは、本当にプロのすごさを感じずにはいられませんでした。

将棋を地政学で考える20 竜王戦第7局「『将棋の地政学』が問われるような1日目」

将棋は宇宙だ!
アイデス山口@アプリde将棋入門です。

地理的条件で国家の軍事などを考える地政学を、将棋に応用して考えてみよう、というコラムです。
地政学自体、付け焼刃の知識ですし、あくまで私個人的な見解ではありますが、
最終的には、棋力アップの方向にも繋がれば、と思っておりますので、よろしくお願いします。

本日、竜王戦7局目の1日目がありましたので、将棋の地政学を使って、解説と明日の予測をやってみたいと思います。

まず、将棋の地政学は、駒がぶつかったところで、戦場と玉の位置を基準に考えますが、
今回は39手目を仕掛けの場面に選んでみました。



戦型は角換わり腰掛け銀。▲4五桂と跳ねて、右側から戦いを起こそうとしてます。
中央から後手玉側での仕掛けで、堅くはないものの、後手の玉もそれなりに囲いになっていることから、
平地にお互いの城を築いての接近戦に見えますので、ランドパワーの将棋
です。
ランドパワーの将棋は、制圧を目指すことになるので、できれば全軍躍動し、盤面上をどれだけ制圧できるかが勝負になってきます。



気になったのは上記58手目の△1六角。
先手は右側から仕掛けたもの、相手陣を突破する、拠点を残すといったことができないまま、浮いた飛車を角で狙われました。
後手も右側から相手陣の制圧を目指すことになりそうです。



上記が封じ手図。△2七成香を先手がどう受けるか?がカギになってくるようです。

パッと見た感じでは、右側に後手の馬、成香がおり、次も先手は受けの手を指さないといけない、というところを考えると、後手がやや有利、少なくともペースを掴んだように見えます。もう1枚攻め駒がいれば制圧できそうです。
左側を見ても、後手が桂を失ってはいるものの、陣形を崩されたわけでもなく、先手は角、桂と手持ちにしていますが、すぐに打ち込める場所があるわけでないので、先手が左側からすぐに反撃は難しそうです。
先手が右側から押しかえるにしても、後手玉が低く構えているので、攻めには時間がかかりそうです。

以上から、将棋の地政学としては、現局面では後手の方が有利に見えますが、

・△2七成香を受けられた場合の後手の継続手
・先手は持ち駒に歩がたくさんあるので、▲1二歩の垂れ歩などの反撃がありそう

といったことも気になります。
▲1二歩は、玉で取りにいけば、それだけで崩れることはないと思いますが、低く構えている分、玉の逃げ場所は狭くなっているので、1筋まで後手玉が移動してしまうと、左側には逃げにくくもなりますね。

なので、このまま後手が攻め続けて、先手が有利な展開にならなければ、将棋の地政学的な考え方は間違っていない、とも思いますが、一筋縄にはいかないかなぁ~と見ています。
将棋の地政学自体の真価が問われてくる感じです。

結果に関しても、記事を投稿できれば、と思います。

将棋を地政学で考える19 竜王戦第5局「『将棋の地政学』のお手本のような対局でした」

将棋は宇宙だ!
アイデス山口@アプリde将棋入門です。

地理的条件で国家の軍事などを考える地政学を、将棋に応用して考えてみよう、というコラムです。
地政学自体、付け焼刃の知識ですし、あくまで私個人的な見解ではありますが、
最終的には、棋力アップの方向にも繋がれば、と思っておりますので、よろしくお願いします。

竜王戦第5局1日目は、先手が「小高い丘から見下ろしている」ということで、制圧も速さもリードしているのでは?という予測でした。
後手は起死回生の一発があるか?というところで、まずは封じ手から。



△8四飛と単に飛車を浮きました。角筋を避ける一手で、現状ではリスクを増やさない受けの手ですので、後手もあまり良いとは思っていないようです。



中央で互いの銀をさばいてからの▲7一銀は、相手陣の左側の制圧を目指す手。
角が成ることも目的ですが、後手は2筋へ逃げにくいことから、角筋を利用して、左側に拠点を作ってしまえば・・・という狙いに見えます。
もうこれはランドパワーの将棋と言っても良いでしょう。



先手は左側に金が残り、拠点を作ることに成功。



先手は、左側に拠点を残してから、右側で龍を作る。
後手は受けの手が続き、先手玉に迫ることができない。



先手の龍は取られてしまったが、成桂を残す。
後手玉は逃げる場所が狭く、常に危険にさらされている状況。

先手の攻めが切れない。



詰むや詰まざるやの場面で、すんなりとはいきませんでしたが、

後手は相手玉に迫ることなく投了となりました。


本局は、将棋の地政学を語る上でピッタリの対局で、
有利な地形(駒組み)を築けば、その方針に基づいた手を指せば勝てる、というお手本みたいなものでした。
正直、1日目の時点で先手の優は濃厚だったようです。

将棋の地政学は、方針と対策の考え方なので、終盤の詰むや詰まざるやの場面では、あまり役に立ちませんが、

・序盤で有利を築く
・形成判断の指針
・指す手がわからなくなった時の方針の見直し


などには役立つと思っています。
本局を見て、少し自信が出てきましたんで、引き続き研究を続けようと思います。
 

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