
2007年、第一世代のiPod touchが発売されすぐに購入し
iPhone 3GSを一昨年の10月に契約、1年9ヶ月ほど使用してきました。
その間にiPhone 4、Android端末などスマートフォンが普及され
デバイス自体の性能が向上し、マーケットも拡大されています。
店頭でデュアルコアCPUを搭載したGALAXY S II を触ってみましたが
以前までのAndroid特有のカクカクした動きも改善されていました。
iPhone 5が、ちょうど2年縛りが切れる今秋にリリースされるとの噂もあり
発売されるとしたらiOS 5 とセットで発表されると考えられるため
現在のiPhone 3GS (iOS 4.3.3 Jailbreak)環境を利用して
ネット上にある、3つの方法でOverclockテストをしてみました。
Normalな状態でのSPEC
機種 | 第1世代 | 第2世代 | 第3世代 (8GBモデル) | 第3世代 (32/64GBモデル) | 第4世代 |
---|---|---|---|---|---|
CPU | ARM11 プロセッサ 400MHz 後に412MHzが採用 | ARM11プロセッサ 533MHz | ARMCortex-A8 プロセッサ 600MHz | Apple A4 プロセッサ 1GHz | |
RAM | Mobile DDR SDRAM 128MB | Mobile DDR SDRAM 256MB |
機種 | iPhone 3G | iPhone 3GS | iPhone 4 |
---|---|---|---|
CPU | 412 MHz (620MHzからアンダークロック) Samsung 32ビット RISC ARM 1176JZ(F)-S v1.0 | 600 MHz (833MHzからアンダークロック) ARM Cortex-A8 Samsung S5PC100 | Apple A4 1GHz (ARM Cortex-A8) |
RAM | 128 MB DRAM | 256 MB DRAM | 512 MB DRAM |
iPhone 3GS CydiaアプリSysinfoPlusの情報

※CPU Frequencyの値は全てのテストで変化がありませんでした
ベンチマーク(Normal)


Benchmarkアプリのスコア:425.90
Geekbench 2のスコア:216(Processor integer performance)
Processor Frequencyの数値:604 MHz
plistファイルのリネームでオーバークロック
Cydiaよりaf2addをインストールした状態でiFunBoxを起動//System/Library/SystemConfiguration/PowerManagement.bundle
ディレクトリ内の「com.apple.SystemPowerProfileDefaults.plist」を
「com.apple.SystemPowerProfileDefaults.plist.bak」にリネーム

デバイスをリブートする。
(iFileを用いても同様の手順で変更可能です)
ベンチマーク(plist変更)


Benchmarkアプリのスコア:431.14
Geekbench 2のスコア:220(Processor integer performance)
Processor Frequencyの数値:600 MHz
SystemPowerProfileDefaultsという名前だけあって
システムの電源管理を設定するファイルかと思います。
リネームすることによって、電圧調整を行わないようにしている模様。
変更後は、多少ですが操作がキビキビした印象です。
Unixコマンドで強制的に周波数を上げる方法
編集するファイルの場所は以下になります。//private/etc/fstab
テキストエディタでfstabを開いてみると
/dev/disk0s1 / hfs rw 0 1
/dev/disk0s2s1 /private/var hfs rw 0 2
上記の内容が記述されていました。
実際にそのディレクトリを開いてみると/dev/disk0s1、disk0s2s1共に空のフォルダ
/private/varには様々なデータが入っていますので、iTunesで同期バックアップしておきます。
バックアップから復元する際は、iTunes起動後デバイスを右クリック
「バックアップから復元」を選択して元に戻します。

実行方法
こちらの動画を参考にやってみました。1.CydiaよりiPhoneにOpenSSHをインストールする
2.WinSCP 4.3.3をPCにインストール
(日本語化するために言語パックJapaneseをDLしインストールしたフォルダに入れる)
3.WinSCPを起動し、ホスト名に「Wifiアドレス」、ユーザー名「root」
パスワード「alpine(デフォルトの場合)」

上記を入力しログインする
4.//private/etcディレクトリに移動しfstabをダブルクリックして開く

5.以下のコマンドを入力して保存し閉じる
su
alpine
sysctl -w hw.cpufrequency_max=xxx000000
sysctl -w hw.cpufrequency=xxx000000
sysctl -w hw.cpufrequency_min=xxx000000
/dev/disk0s1 / hfs rw 0 1
/dev/disk0s2 /private/var hfs rw 0 2

6.fstabを右クリックしてパーミッションを0755にする

7.WinSCPを終了してデバイスをリブートする
ベンチマーク(fstab変更)


Benchmarkアプリのスコア:435.27
Geekbench 2のスコア:220(Processor integer performance)
Processor Frequencyの数値:585 MHz
※SystemPowerProfileDefaultsを変更したままでの結果です。
クロック数が上がるどころかProcessor Frequencyの数値は下がっています。
実際に触ってみても、逆に動作が不安定になった感じです。
iFunBoxで直接編集する方法も試してみましたが、変化がなかったので
こちらの方法は、やらない方がいいでしょう。
なお、OpenSSHは使用しないのでRemoveしました。
継続して利用する場合は、パスワードの変更をしておく必要があります。
iOverclockをインストールしてみる
CydiaからiOverclockをインストールします。Winterboardのテーマで適用することによって反映されます。
ベンチマーク(iOverclock)


Benchmarkアプリのスコア:430.92
Geekbench 2のスコア:218(Processor integer performance)
Processor Frequencyの数値:601 MHz
※SystemPowerProfileDefaultsを変更したままでの結果です。
特にスコアの変化はありませんでした。
実際に触ってみても動作が速く感じることはなく
インストールしても効果がないと考えられます。
まとめ
iPhone 3GSを本来の833 MHzで動作させる方法は見つかりませんでした。今回3つの方法でCPUの性能向上を試してみましたが
体感的に一番効果が感じられたのはSystemPowerProfileDefaultsをリネームした方法です。
バッテリーの消費に不安がありますが、実行するのと元に戻すのが簡単なため
デバイスの反応速度に不満を感じている人には、いいかもしれません。
また、今後3GSの利用に当たってイオン限定 b-mobileSIMの利用で
データ通信端末として使用していくのもコストパフォーマンスがいいかもしれませんね。
ベンチマークで使用したアプリ
・Benchmark:Benchmark.ipa.zip iTunesアプリですが公開されていないためCydiaアプリ「AppSync for iOS 4.0+(リポ http://cydia.hackulo.us)」が必要です。
・Geekbench:Processor Frequencyの数値が動的に変化するほか、 結果をWeb上にPostできるなど、高性能なベンチマークアプリです。


カテゴリ: ユーティリティ
販売元: Primate Labs Inc. - Primate Labs Inc.(サイズ: 12.7 MB)
全てのバージョンの評価: 無し(0件の評価)

実際に実行する場合
バッテリーの低下、システムの動作不安定に繋がりますので
Own Riskということを念頭にお願い致します。
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