市井闊歩のWINDER WINDOW!(エッセイ) -5ページ目

子供に初恋の人の名前を

 子供に初恋の人の名前を付ける、というのは時々耳にする話ですが、配偶者にとって決して気分の良いものではないと思います。しかし、もしかしてそれは最良の策かもしれません。

 まあ、私の場合は初恋ではありませんが、U夏ちゃんは記号として残り、玲奈ちゃんはいまだ現実。しかし、その名前をもらって子供に付けたら、その名前は子供のものとなり、名前が記憶を呼び覚ますきっかけにはならなくなります。



 つまり、そこで「上書き」が成立して、本当に過去の人に出来るのです。



 それでも苗字は残り、今でもある地名には少々反応してしまうのですが、個人を表すのは名前の方ですから、それほどではありません。


 実際、好きだった人の名前かどうか友人に聞いたことはないですし、そうだとしても大抵答えないと思いますが、そういうことなのかも知れませんネ。夫婦別姓が認められていない現在、特に男性は子供を愛すれば愛するほど、昔好きだった人と不倫はできませんし(笑)。

不思議な地域感覚

 私の出た小学校は3年生の時新設されたのですが、小学校4年生の文集に、「5つの小学校から集まった」と書いていた子がありました。今、それを読むまで、他の人がどこの小学校から来たのかとは、考えてもみませんでした。

 学校の新設は、隣の区まで徒歩20分以上かかった私たちの地区の越境通学解消が目的にあった模様で、男子23人中、少なくとも9人は私たちの地区です。

 他に、逆に別の隣の区から来るようになった地区、そして、良く分かりませんが東の方の地区の子が集まったわけです。

 今までは、新しい学校に途中から皆で移ったという感覚で、そこには他地域の子がいたという意識がずっとあったのですが、考えてみれば、新設校なので皆移籍組(笑)。しかも、私たちの地区以外は少数派だったのですね。


 で、子供心に、そして今でも自分と同じ地区以外の子は「何か違う地域」という感覚があります。


 そういう感じって、きっとムラ社会の排他的な気分を生む素地になり得るものですね。怖い怖い。でも、ハマっ子ともあろう者に、排他的はありません※。

 それでも、なにか遠い感じはするのです。実際住んでいるのは「丁目」違いなだけなのですけど。


 玲奈ちゃんも「別の地区」というだけで、なにか遠いような、新鮮なような気持ちが心のどこかにありました。中学に入って更に広い地域から集まり、割合的に私たちの小学校は3分の1になりましたが、同じ小学校の出でありながら、やっぱりどこか「他地域」の玲奈ちゃんの魅力がありました。



※よって、排他的な扱いを受けると非常に戸惑います。

光市の「殺人強姦」事件が13年で判決確定

 1999年4月の事件、ここでも取り上げました。18歳が起こしたあまりに無残な犯行に、残された夫の「死刑にならないのだったら無罪で釈放して欲しい、私が殺す」という意味の会見。今、思い起こしても涙を誘います。

 地裁無期懲役、高裁無期懲役、最高裁破棄差し戻し、高裁死刑、そして再び最高裁上告棄却で死刑が確定いたしました。この過程で、2005年には犯罪被害者保護法が施行され、今まで認められなかった遺族の権利が認められるという裁判制度における大きな進歩がありました。


 事件発生から約13年の月日が流れました。


 元夫の本村さんは2009年に再婚されていたそうで、支えてくれる女性が出来てよかったです。もし、無期懲役判決であっても「もう殺人者にはならない」という意思の表れですね。ながーい裁判の効果と言えなくもありませんが、この13年の心痛がいかほどのものかと思うと、やはり長過ぎると思うのです。

 裁判所は、審理に慎重を期すため、遺族に長期間の苦しみを与え続けることを躊躇しません。2006年の差し戻しは無駄です。そこで、死刑判決を出せば7年で終わっていました。そこで無期懲役判決を出すと、新たな殺人者を生み出すことになってしまったかもしれませんけど。犯行が別人である可能性はないのですから、13年も考える必要はありません。



 18歳になったばかりだから「被告の精神的成熟度が18歳未満だった可能性がある」という反対意見を述べた宮川光治裁判官の思考にびっくりさせられたというおまけも付けて、思い出すのも苦痛な事件が、ようやく過去のものとなりました。合掌。

死に際の楽しみ

 「脳の中で走馬灯のように過去が蘇る」と言うので、とても楽しみにしているのですが、考えてみたら、小惑星探査機『はやぶさ』が、全ての任務を終えて大気圏突入で燃え尽きる直前、「最後に地球の姿を見せてやる」と方向転換の命令を送信したのとは違い、何か生命体としての理由があるはずです。


 生命体は細胞レベルで最後の瞬間まで生きようとします。ということは、それは、生きるためのものであるはず。


 そう想いを巡らせると、「今まで体験してきた記憶の中から、この危機を切り抜ける方法を見つけよ」との脳の命令に違いありません。生きる気力を失わせないため、思い残し、やり残しも提示しようとしているのかも知れません。決して「花道を美しく飾ろう」なんてものではなく。



 私自身が生きる意欲を失っても、この身体は生きたいんだな…と思うと、楽しみな気分ではなくなってきました。



 でも、どちらも脳が関わっていること。当人が死にたいと願った場合、つまりは脳で思考した結論を持った時に、果たして過去の記憶が蘇るでしょうか。


 きっと最後には、生命体の一部としての脳が理性を駆逐して、蘇ることでしょう。




 やっぱり、死ぬって悲しいことだなと感じました。いや、逆なのかな。

裁判員の意義いまごろ確定

 「裁判員の加わった1審が軽視されている」との疑念を以前書きましたが、13日の最高裁判決で、裁判員裁判の判決を十分に尊重する姿勢を示しました。ここは素直に喜びたいと思います。

 ・控訴審は1審と同じ立場で事件そのものを審理するのではなく、1審判決に事後的な審査を加えるもの
 ・1審判決を事実誤認として破棄するには、1審判決の事実認定が不合理であることを具体的に示す必要がある

 こうでなくては、裁判員裁判の意味がありません。2009年5月からの3年弱、はっきり言ってそこが適当、ますます裁判官への不信感を強めていたのでした。


 ま、相変わらず、このような根源的に重要なことが「覚醒剤取締法違反事件の上告審判決という個別の事案」の中でしか示されないことは、立法府の責任として重大な問題ですけどネ。

卓上高速同音異義漫才

 俺、インターネットで買い物してみたいんだけどさ、したことある?

 あるよ。

 俺もしたいんだけど、「いつもニコニコ現金払い」がモットーだからクレジットカード持ってないんだよね。お前、持ってるんだ。すごいね、偉いね、信用あるってことだもんね。

 買いかぶりすぎだろ。

 ああ、そうだよ。貝、ちゃんとかぶらないと魚に食われちゃうから。

 何の話だよ。

 私は貝になる。

 口チャックすな。こら、貝になるな!

 そうなんだよ、「下位になるなって」毎年言うのにベイスターズ下位争いでそれも最下位。

 西海橋!長崎県の立派な橋な。あれって観光バスが止まって見物するほどだよね。

 え?橋見にバス止まるの?なんで?

 超高いからじゃね?

 そう言えば小学生の時、夏休みの宿題にデパート行ったさ。標本買おうと思ったら蝶高い!

 宿題買って済ますな。

 お前だって晩御飯惣菜買って済ましてるだろうが。そう罪って罪を犯してるんだよ!

 別に詰みじゃないだろ。まだ王手にゃ早いよ。

 大手の会社の品物(しなもん)だけがいいもんだと思うなよ。

 シナモンは別に安いの買ってる。

 うそつけ、お前罪は犯すけどお菓子は作らないだろ。

 は?俺がお菓子作ったらおかしいかよ。

 「お菓子かない」けどびっくりだよ。マイクロソフトのビル・ゲイツさんがインターネットで買い物したんだとさ。

 なんだそりゃ。

 ビルクリックだよ!

 おお!それで何かを得たわけな?ビル、ゲッツだよ!

 だから俺もゲッツしたいわけよ。カード貸して。

 貸すかアホ!

 じゃ、せめてビールだけでも。

 ビールが欲しくてこんな回りくどくしゃべってたんか!

 いや、のど乾いちゃったもんで。功徳を積んだ気分でビールゲッツ。つまみに惣菜買ってきてよ。

 罪はどこ行った?もういいわ。


 ども、ありがとうございました。




※だんだん話が大きくなったりして「もういいわ」と「いい加減にしろ」の締めが横行している気がします。「落ち」じゃないんですよね…。

増税賛成

 野田首相は、「民主党の選挙公約を守るべきであくまで増税には反対である」との主張を崩さない小沢派と決別するかの如く、はっきりと増税へと舵を切り、内閣改造では反小沢派と見られる岡田氏を副総理に据えました。

 イタリアのように前政権の借金隠しはなかったものの、日本国の借金はひたすら増え続け、そもそも返済の見込みが立たないような状況下、しかも、自然災害による復興、原発関連費用など予想外の大規模な支出も発生しました。



 増税以外の解決方法がどこにあるの?



 もちろん、誰もその質問に適切な回答はできないでしょう。増税はつらいにせよ、「やむを得ないならば受け入れます」と市民は承知しつつあるのではないかと感じています。

 この期に及んで「公約を守る、増税はしない」というのは国家を預かる身としてはむしろ無責任で、「発言がブレない」などと称賛できるものではありません。「雰囲気(借金の額)読めよ」と非難したくなりませんか。首相が4日に「将来的には10%を超えてゆく可能性」に言及したのも、政府として当然と言えます。


 
 そうそう、小沢氏がひとまず4億円が秘書の判断で使って気にもならないお金なら、秘書に寄付して頂こうとも思わないでもありません。まあ、全然足りないのですけど、それでも雇用創出にはなりますから。

 なーんて皮肉るのも、逆に小沢氏の方が、市民をなめているように見えるからです。市民だって日本の将来は憂いています。むしろよっぽど考えているかも知れませんよ。誰かさんは選挙のことが第一優先でしょう?


 そもそも、民主党の公約に対して、市民は過度の期待を抱いていたのかどうか。「まあ、そこまで言うなら政権取ってみなよ。いい加減自民党政権も賞味期限切れだし」くらいの感覚ではなかったでしょうか。政治に期待し過ぎは禁物です。「やってみた」「できなかった」…う~ん、ほとんど私と同じレベルで親しみがわきますネ(笑)。



 消費税の導入が決まった時、私はこんなに長く低税率が続くとは思っても見ず、すぐに10%以上の税率になると考えていました。で、安易な増税を認めないために、導入反対の考えでした。

 ところが結局、不景気もあって、低税率でここまで来ました。かつてないような大不況で税収が減る中、それは維持されてきたのです。それは自民党の功績であったのでしょうか。残念ながら、負担の先送り(つまり、好景気になって増えた税収で穴埋めする心づもり)を続けただけ、という結果になってしまいました。当時から、先送りは誰しも分かっていたことでした。しかし、好景気はいつまで待っても来なかったのです。日本のバブルがはじけて世界中を不況に巻きこんだことと反対に、海外の失敗が日本の復活を妨げてしまっています。



 私も人のことは言えませんが、自民党は政府与党として結果的に重大な間違いを犯しました。その責任を一切取ろうとせず(野党転落で責任は果たした扱い)、民主党のマニフェストが崩壊していることへの攻撃姿勢を強めています。自分たちこそ過去の政策の誤りを認めて与党に協力してはどうでしょうか。


 民主党が公約を守れば、財政は破綻します。もし選挙を行って自民党が勝ったとしても、やらなければならないことは同じ。ならば、選挙は壮大な無駄でしかありません。私たちは、政権政党がどこであろうと基本的には個人的利益があるわけではありませんし、国家としてするべきことをしてもらうだけですから。

 もはや10%の税率では過去の利子返済すらし切れません。消費税は直接税と異なって税率の調整が容易ではない(上げ下げすると表示問題や便乗値上げを招くなど影響が大きい)ため、ほとんどを消費税で賄うという考え方には賛同できませんが、余剰が出ないところまで上げることは避けられないと、市民として覚悟を決めなければなりません。

住基ネットに国立市が接続


 接続を公約に掲げた市長が当選し、準備期間を経て2月1日から9年ぶりに再接続した東京都国立市。全国の自治体で抵抗しているのは福島県矢祭町だけになりました。

 繰り返し主張しているように、召集令状の送付や特高警察による弾圧に大変便利な住基ネットには、戦争反対の立場から断固反対ですが、かといって最早手遅れです。矢祭町は町長も住民も立派だとは思いますが、接続してしまっていることを前提に、対策を考えなければなりません。


 現在は目的外使用が認められていなくても、法律が為政者により簡単に作れる以上、そうしたことを可能にするシステムは構築すべきではありませんでした。あとは、自治体が独自の判断で接続を遮断するしか、戦争に利用されない道はありませんが、果たして法律外のそんな判断が首長に可能かどうか。

 自治体が市民を守れず、第二次世界大戦時のように国という組織から個人が狙われることを避けるための法律…もちろん、為政者はそんな国民寄りの法律なんて作る訳がありません。

 そうなると、直接民主制がうらやましく思われますが、経済的とか利便性という言葉にめっぽう弱い市民が多い以上、どうにもならないことかも知れません。なにしろ、「接続せよ」という住民訴訟を起こすのですから、無理解が悔しいと言うか…。



 現状ではその時、個々人で抵抗するだけですか…。覚悟だけはしておきましょう。石橋湛山のように国家的暴力には無抵抗にして、ペンのみで抵抗するのが理想かもしれませんが、一市民はどうしたらよいのでしょうか。

人間とは

 高校卒業の時は他人の言葉を借用しましたが、それから二十余年、今の私が卒業の言葉24文字以内を書くとしたら、こうなります。もちろん、「人」で始まりますとも(笑)。


  人間トハ矛盾スルキモノナリ。責メル



 「勿レ」は「なかれ」です。現代語訳しますと
  1)責めてはいけない。
  2)責めんなよ。
  3)責めちゃいやん。
  4)怒んないでネ。
  5)許してやれよ。

 どれでも状況に応じてお使いください(笑)。



 まあ、人を諭すならこうですが、一番ありそうな自分が矛盾した場合(笑)、相手がこれからも付き合う人であれば、力強くさらりとこう宣うでしょう。

  人間トハ矛盾スル生キモノナリ。悪しからず。



 もし、その矛盾によって袂を分かってしまうような相手であれば、言い方は状況に依りますがこうです。

  人間トハ矛盾スル生キモノナリ。御機嫌よう。




 実際は矛盾とするよりむしろ「状況把握の変化」「価値判断の再構築による変化」「新事実による解釈の変更」による過去の言動との対立がほとんど※でしょうが、説明が必要でない場合は、面倒なのでもう「矛盾」で結構です(笑)。まあ、大抵は説明を求められるでしょうけど。



※もちろん中長期的となると「価値観の変化」が大きい。

卓上漫才を実際にやってみよう

いや、この間魚屋に行ったら、魚がいっぱい死んでてさあ…。(真面目な顔でとぼける)

(ワンテンポ空けてから満を持して)モヘンジョダロ!(背中叩く)

モヘンジョじゃないだろ。(ちょっとびっくりしたように)

ウィ。

って、古代インダス文明の町の名前をツッコミみたいに使うなよ。

古代インダス文明ってなんだ!? (大げさに驚く)

知らないのに使うなよ。(それぞれ本人の個性通りに表現してください)

いいじゃないか、お客さんだって知らないって顔してるし。(正面客席?に向かって手を伸ばして皆という表現)

お客さんの無教養を白日のもとにさらすんじゃない。(それぞれ自由に表現してください)

あ、良く言うね。俺がこないだモヘンジョダロと言ったら、ヤホーで調べてたくせに。

どっかの漫才パクるなよ。調べたのはゴーグルだよ。(真面目な顔でとぼける)

ん?

(間髪いれず)ま、それはともかくとして…って、お客さんって誰だよ。2人で歩いているのに。

これを読んでる人がいるでしょうよ。(当然、といった感じで)

2人の会話が読めるのか?

ああ読めるよ。今、読んでやる。(急いでヤクルト開けて飲む)

飲んでんじゃねーよ。(後頭部叩く)

は?(すっとぼけて)

は?じゃねーだろ。まもヤクルト飲んでんだよ!(堂々言い間違える)

「まも」ってなんだ?どんだけ噛んでんだ。(ちょっと小馬鹿にしたように)

うるさいな。キーボードの文字1つずつずれたんだよ。(右手でタイピングを表現)

なんでしゃべるのにキーボード使うんだお前。お前はロボットか。(後頭部叩き返す)

タンチョウだ。(きっぱり)

意味わかんねーよ。今読んでる人が皆前のWINDER!WINDOW! 読んでると思うなよ。

だから魚屋に行ったんでしょうが。(無視してちょっと言い訳がましく)

狩りにか。おやじ狩りか。(ふてくされた感じで強く)

買いにだよ!なんで俺が魚屋のおやじ狩りに行くんだよ。(特に買いにだよ!は上手く表現を)

だって、モヘンジョダロ?(口をとがらせながら首をかしげて疑問形の発音)

アーリア人か!? オチの意味明かさないで落とすんじゃない!(ちょっとゆっくり力強く)

いんじゃね?どうせみんなついでにヤホーで調べるよ。(ちょっと不満そうに。両手タイピングのまね)



ども、ありがとうございました。