有森裕子「南原清隆のスポーツドリーム」公開収録@ニッポン放送イマジンスタジオ。 | アイス ラヴさん。の甘く危険な映画日記。

ニッポン放送の公開収録イベントに行って来ました。

バルセロナ・オリンピックで銀メダル、アトランタ・オリンピックで復活の銅メダルを獲得した女子マラソン・ランナー、有森裕子をゲストに迎えての公開収録でした。

ニッポン放送マニア中心に30~60代が目立つ客層の中、約2時間近い収録ながらオリンピック・ネタ中心に、貴重なお話を沢山聞けて楽しかったです。

番組のオープニング・テーマ曲、クイーン「I Was Born to Love You」に乗って、南原さん登場して、有森さんを呼び込み、流れるように本番スタート。有森さん、現役時代よりも綺麗になってて輝いてましたね。素敵な年の重ね方をしてるなぁという印象。

南原:北京オリンピック、開幕しましたね!(開幕翌日放送)。

有森「女子マラソンの解説をするんですが、私の解説は淡々としているので、「盛り上げづらい」とテレビ局から言われてるんですが(笑)」。

本日の収録には、高野山で“喋る仕事”をしてから有楽町へ駆けつけて来たらしい。

南原:「自分で自分をほめたい」は名言でしたね~?。

有森「アトランタはスタート・ラインに立つまでが、とても大変だったんです。だから、あのセリフも自然に出て来たんですよ」。

南原:指導者には、ならないんですか?。

有森「ランナーを育てる事には興味がありません。頑張ってる人を、応援したいですね。勉強でも、スポーツでも、音楽でも…」。

南原:2つのメダルについて…。

有森「昔はメダルを取ったら、それで満足して終わり…という人が多かったと思います。でも、私はそのメダルを今後の人生に活かさなければ意味が無い!と思ってるんです。メダルを取るまでに自分でも頑張ったし、いろんな方々からの支えがあったので。今度は私から感謝の気持ちをお返しする番だなと思ったんです」。

メダル獲得後の人生が長いし大事らしい。“引退後”ではないのがミソか。

南原:小出監督について。

有森「もう熱くて、一生懸命な人でした。一緒に走ると向こうが早かったですから(笑)。マラソンでも、並走して追いかけて来ましたからね(笑)。でも、そのおかげで後ろを振り向かなくても、他のランナーがどのくらい近くにいるのか把握出来て、助かりましたが…」。

ここから、事前に募ったアンケートの中から質問タイム。

小学生男子:走ってる時は、何を考えながら走るんですか?。

有森「あまり考えないですねぇ(笑)。前の晩眠れなくても、「ああすれば良かった~」とか後悔するような考え事もありません。そんな練習もして来ませんし(キッパリ)。まずマラソンでは、スタートラインでは、ライバル達の顔色をうかがいますね。緊張してるのかな?とか、自信ありげだな?とか。スタートしたら、まず自分の身体が軽いか?重いか?を確かめます。それによってペース配分を考えます…」。

プロフェッショナルですな。それより、有森さんの声質と話し方が、なんとなく竹内まりや的なのが気になりました(笑)。

女性:私は東京マラソンに出場したのがキッカケで、走る事にハマってしまい、毎日走ってるんですがかなりキツいです。どうしたら、長く楽しく続けられますか?。

有森「走ると決めたんなら、諦めないで続けてください。人間は一度諦めると、ズルズルと怠けてしまう生き物なので…。小さな目標を持って走ると、楽しめますよ。私なら、小さめの服を買って、「この服を着るために、頑張らなきゃ~」と思って、走ってましたよ(笑)。えっ!、毎日体重計に乗ってるんですか?。無理に痩せようとしないでください!。体調がいいのが一番です。痩せ過ぎて体調悪くしたら、それこそ身体に良くないですよ。なので、痩せようとか、体脂肪減らそうと思って無理に走らないでください。まあ、10kg太ったんなら問題ですが(笑)」。

それにしても南原さん。ウッチャンナンチャンでブレイクしてから20年目を迎えるというのに滑舌悪過ぎ。話の引き出し方や膨らまし方が鈍いなぁという印象。TFM「ディア・フレンズ」での恵俊彰の聞き上手ぶりとはエラい違いですね。

南原:最後にリクエスト曲を…。

有森「浜田麻里さんの「My Tears」をお願いします。大学時代にソウル・オリンピックをテレビで見てたんです。そしたら感動の名場面特集で、テーマ曲の「Heart and Soul」ではなく、この曲が流れたんです!。も~う、当時の自分が置かれた心境とリンクして、ボロ泣きしちゃいました。今でも、カラオケで歌うと泣いちゃうんです。そんな思い出の曲です」。

で、曲が1コーラス流れる。静かに聴き入る南原&有森&観客約80名…。特に、噛み締めるように聴き入るご本人…。

南原:と、言う訳で、浜田麻里さんの…。

有森「あの…、ここから(2コーラス目)が感動的なんですけど…。「♪…勇気を…」」。

即興で有森さんの生歌聴けちゃいました(笑)。確か…そんな歌詞だったはず…と思い出しながら口ずさんでました。顔が残念そう。

松尾ディレクター:すいません!。放送では、その辺も考慮しておかけしますので…。

ここで第1部終了。スチール写真撮影後、第2部スタート。

南原:さあ~いよいよ、明日は女子マラソンですねぇ~。今回代表に選ばれた3選手なんですが、いかがですか?。

有森「連続でメダル、いけると思います!」。

南原:やはり、野口みずきさんですか?。

有森「そうです。もう、非の打ち所がありません!。彼女は腕を大きく振るクセがあったんですが、あれだとロスが多いんです。それが今ではちゃんと修正されてました。土佐礼子さんは、前回のアテネで「力を出し切れなくて、凄く悔しかった」そうです。彼女はいい意味で、マイペース。それから、中村友梨香さんは若いですけど、先輩達の胸を借りるつもりで頑張ってほしいですね。彼女が所属する名門・天満屋は、毎回いい選手を送り出してますね。私の地元・岡山ですが…」。

南原:僕も香川なんですけど、瀬戸内海からいい選手ってホント出て来ますよね~。さて、今回のコースの注目点は?。

有森「かなり平坦なコースばかりです。軍事用の道路も多いので、路面が硬いんですよ。広くて景色が変わらないので、走ってて飽きて来るかも(笑)。大変な所と言えば、門をくぐる所ですかね。ここでイライラしない事。譲り合うのも大事ですよ。そして、大学の校舎の狭い道を走りますが、ここでいろんな駆け引きが観られそうですね。素早く駆け抜けるのか?、それとも遠回りしてライバル達の様子を見ながらなのか?。楽しみですね。あと…スタジアムに帰る直前に大きな坂があります。下って昇るんですが、ここでヨタヨタしながら下ってる選手は、ハッキリ言って練習不足です!(笑)。野口さんなら、ここでダッシュするでしょう」。

喋り出したら止まらない!。

有森「実は私、バルセロナの時、途中からコンタクトを半分落として走ってたんです!(笑。観客どっと沸く)。ハードかソフトか?。ハードですよ!。最初はボヤケて違和感あったんですが、走るのに夢中だったんで気にならなくなりました。だって、サグラダ・ファミリア観ながら、「わ~、凄いキレイ!」って思ったし、ランナー追い抜く時なんかもドキドキしましたよ。私って、走り出すとアドレナリンが湧き出て来るんです」。

南原:3選手にエールを…。

有森「中国の選手は命がけで、家族よりもお国のために必死で走るから気をつけて!。まあ、2時間ちょっとなんで、すぐに終わりますから(笑)。もし…北京で走るのが不安だ…とか思ってるなら、今すぐ走るの止めてほしいですね!(キッパリ。ここで「お~ぅ」と観客ざわつく)」。

ここで、またまた質問コーナー。

女性:他のスポーツで好きなのは?。

有森「北京で注目してるのは、棒高跳びとトランポリン競技ですね。澤野大地選手と上山容弘選手がいいんですよ。私、ボクシングが大好きなんですよ。理想のタイプが矢吹丈ですから(笑)。学生時代はジョーのポスターを部屋に貼ってました。好きな対戦相手ですか?。もう力石徹は亡くなりましたからねぇ~。でも、力石かな?。あっ、メダル取った後に、ちばてつやさんからジョーの絵をサイン入りで貰ったんです。グッズとか一つ一つ「ジョー」のサイン入れてくれたんですよ(笑)」。

女性:マラソンの魅力って何ですか?。

有森「まず、自己と対話が出来る所です。なかなか自分と向き合う時間って無いと思うんですよ。上司や同僚とか人間関係で悩んでる人なんか特に。ボクシングみたいに対戦相手の事なんか考えずに、自分の事さえ考えてればいいんですから。他人と関わりたい人は、友達同士で一緒に走るといいですよ。そして走る事で、いろんな景色の変化が楽しめます。静止画じゃなく、立体的に通り過ぎていくんです。季節の変わり目が肌で感じられますよ。」。


アトランタでの、こぼれ話。給水って、大事らしい。

有森「アトランタの時は一睡も出来ませんでした。でも、横になっただけで疲労回復出来ました。走る5時間前には起きてなきゃいけなかったんでツラかったんですが、走り出したら関係ありません。あと、給水は大事ですよ!。飲むのと飲まないのでは大違いです。もう~何て言ったらいいのか…、スキン(肌)と筋肉の間に冷たいモノが沁み渡るような感覚って言うか…。飲んだドリンクですか?。言っていいんですか?。「VAAM」です。マラソン・ランナーで最初に使ったんです。Qちゃんや(高木)ブーちゃんよりも先ですよ!(笑)」。

南原:最後にリクエスト曲を。

有森「私と同い年の、渡辺美里の「ランナー」をお願いします」。

ここで、またまた1コーラス聴き入る。有森さん、今度は歌詞の言葉の一つ一つを噛み締めるように頷きながら聴き入ってましたね。

サイン色紙のプレゼント。

有森「(サインを取り出し)これ、“ありもり”…って書いてあるんです。よく、“ありがとう”…って間違われるんですが(笑)」。

南原:“すべてを力に”と、書かれていますが…。

有森「いままではサインに、“よろこびを力に”と添えてたんですが、変えました。最近の日本は「こう生きなければいけない」みたいな事が多過ぎるので、いい事も悪い事もすべて自分の力に変えられるように…との願いを込めたんです」。

抽選会では、質問の痩せたいマラソン女性が、見事に“よろこび”ヴァージョンをゲットしてました。

有森「こうやって人前でラジオで話すのは恥ずかしくて緊張しました。でも、楽しかったです」。

大観衆の前で走るのと、学生達の前で話すのとも違った感覚なのが、公開収録の面白さ。笑顔で帰っていきました。「夫に関する質問が出なくて、良かった…」とホッとしてるみたい…(笑)。


TOYOTA提供「南原清隆のスポーツドリーム」
8月9日&16日、ニッポン放送で土曜日夕方17:00~2週連続オンエアです。
http://www.1242.com/sportsdream/