大森南朋さんがご出演のうえ、長塚圭史演出ってことで、神奈川芸術劇場(KAAT)のオープニングシリーズの演劇「浮標(ぶい)」に行ってきた。

2月の東京公演(吉祥寺)にも行くので感想はその後に書くつもり。


公演は18:30ジャスト開演で、10分間の休憩2回を挟み終演は22:30!

内容については触れないが、難解でもなく深さもあり役者もいいのだが(エラソー)、とにかく長かった!

先ほど帰宅したが、もうへろへろ~。


この4時間が必然なのか、戯曲が書かれた時代と現代との時間の流れを考えるとかなりの冒険だと思う。

あえての挑戦であることは明らかだが、1度観ただけのシロウトの感想としては、もう少しそぎ落としてもよかったのかもと思えた。勝手に大友さん(「ハゲタカ」「龍馬伝」のチーフ演出)ならもっとそぎ落とすだろうとか思ってみたり。(笑)


役者さん、特に田中哲司さん出ずっぱりだしすごいと思う。。。

座席もクッションが殆ど聞いてないベンチタイプに近いモノで、肘かけもなくお隣と続いている。

脚も十分伸ばせず、スリムパンツ&しっかりいた革のジョッキーブーツだったのでヒジョーにきつかったのもあると思うが、吉祥寺に行く時は体力を温存しておこうと固く誓ったほど。(笑)


演劇は、その限られた空間をどう使うかも楽しみの一つであるが今回のそれは、まだいろんな演出の可能性があるのだなぁ、と素直に感じ入り新鮮さを満喫できた。少しでも書いてしまうと鑑賞の楽しみが減るので伏せておくが、その演出がもたらす効果もとても斬新で楽しかったことだけ書いておく。


大森南朋さんは、当然のことながら鷲津度ゼロ。舞台からそっと上手(かみて)にはけていく南朋さんを見ながら「こんなに近いのに、鷲津の中のヒトなのに、まるで面影が無いのって・・・」といつもの如く一瞬ではあるが絶望に近い感情が。(笑)

あ、もちろん役ごとに全く違うのが役者大森南朋の真骨頂だし、今日の舞台も素敵だったのはトーゼンだが、念のため付け加えておく。(笑)

おしまい



http://www.kaat.jp/pf/bui.html より


長塚圭史新プロジェクト「葛河思潮社」旗揚げ公演!

戦争の影が忍び寄り、芸術、思想、生命とあらゆる支えが奪われんとするなかで精神の葛藤を越えてたどり着く再生の境地-。三好十郎の傑作戯曲に長塚圭史が挑む!

<ものがたり>
夏も終わりの千葉市郊外の海岸。洋画家久我五郎は自己の芸術を信じ、肺を病む妻の美緒を看護しながら貧困と闘っている。彼を排する低俗な画壇、財産の譲渡を迫る家族など、苦境のうちに妻の病気は次第に悪化していく。戦地へ赴く親友が五郎を訪ねた数日後、その献身的な努力もむなしく美緒の病状が急変。その枕元で、五郎は万葉の歌を必死に詠み上げる-。

スタッフ・キャスト
作/三好十郎
演出/長塚圭史
出演/田中哲司、藤谷美紀、佐藤直子、大森南朋、安藤 聖、峯村リエ、江口のりこ、遠山悠介、長塚圭史、中村ゆり、山本剛史、深貝大輔