「Vincent van GOGH 没後120年 ゴッホ展 わたしはこうしてゴッホになった」を観てきての感想。

といっても、自分のゴッホに対する思い入れや思い出が殆どなので、純粋な感想ではない。あしからず。


混雑必至のゴッホ展。一番空いているであろう金曜日夜を狙って出かけた。

仕事の後だったので、到着したのは18:20ごろ。あらかじめチケットは用意しておいたがチケット売り場に行列は無かった。よい兆候だ。ここで行列があるときは展示会場もかなり混んでいる。


入り口あたりは、どの展覧会も同様だが「ごあいさつ」とかの文字パネルを時間をかけて読む人達で混み混み。

そして、前半は特に展示品もゴッホだけではなく関連付けられたアーティストのモノもかなりあった。

しかし、19:30を過ぎると新たな入場者がいなくなるのでその時間を過ぎてから入り口あたりの絵をじっくり観た。


もともと絵画は大好きだったが、1997年にパリのオルセー美術館を訪れた際にそれまであまり興味のなかったゴッホが大好きになってしまったのだ。

オルセー美術館は3度目だったがいつもは、まんべんなく観た後大好きなモネを中心に再度じっくり観るのがパターンで、そのときもそうしていたのだが、 当時モネの列の背後にずらっと並んでいたゴッホを観たときに、なぜか涙が溢れそうになるほど心打たれたのだ。


↓その時の絵(その後東京にも何度か来ている絵だ)

nanakoのブログ

Vincent van Gogh (1853-1890)Starry Night1888Oil on canvasH. 72.5; W. 92 cmParis, Musée d'Orsay


圧倒的な星の輝きや空と海の碧さに目を奪われるのだが、右下方にカップルが描かれている。それに気付いたときにゴッホの孤独を感じてしまったのだ。まったく見当外れの感想だろうが、その時なぜかそう思ってしまいその絵の美しさと迫力と絵から醸し出されている孤独なオーラのようなものを感じて、しばらくの間目が離せなかったのを今でもリアルに思いだせるほどだ。


そして、その時はパリに1週間滞在していたので毎日のようにオルセーに通い詰めた。

更に、そのまま日本に帰らずオランダに立ち寄ることにしたのだ。

もちろん、ゴッホ美術館に行くためだ。


アムステルダムのゴッホ美術館は、ゴッホに魅入られた者にとっては夢のような空間だった。

そこで更にゴッホに惹きつけられた私は、オランダのアーネムにあるクレラー=ミュラー美術館にもどうしても行きたくなり、翌年オランダを再訪問し、どうしても見たかったカフェテラスの絵を観ることができたのだ。


クレラー=ミュラー美術館へは滞在していたアムステルダムから電車に乗って更にバスに乗り片道2時間以上かかる。バスの本数も1時間に1本程度だったのを覚えている。バスの時間に合わせて開館している時間出来る限りアート作品を堪能した。国立公園の中にポツンとある不便な美術館なので、時折観光客がバスでどっと押し寄せる他は比較的ゆったり楽しむことができ、憧れていた『夜のカフェテラス」もその正面のベンチに座り1時間以上もの間眺めることができ、独り占めできた(←気分の問題)時間もかなりあったのだ。


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The Café Terrace on the Place du Forum, Arles, at Night (September 1888), Kröller-Müller Museum, Otterlo, Holland


今回のゴッホ展はこの2つの美術館の作品が集まると聞いていたので、かなり期待していたのだがこのカフェテラスの絵はさすがに貸し出してもらえなかったらしい。。。


今回の展示作品で最もじっくり観たのはこの2点。それぞれ20分以上眺めていたと思う。

もちろん、遠くからとか人の隙間からとか正面を外した柵の前からだったが。


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↑上:lemons, pears and grapes paris, autumn 1887 48.5x65cm

下:the bedroom at arles arles, october 1888 72x90cm


ゴッホ展の絵ハガキ売り場はものすごい混雑で永遠に買えそうにないような気がするほど(笑)だったので、この写真は、オランダのゴッホ美術館で買い求めた絵ハガキを写したものだ。我ながら物持ちがいい。(笑)

作品の解説はいくらでも立派なものがあるので触れないし、私がどうのこうのという作品に対する感想も無意味なので特に書くつもりはない。


ただ、本物を10年以上前に観て強烈に覚えていたものの、その後はそのディティールに関する記憶が消えていたことに我ながら驚いた。

今回改めて、ゴッホの色使いがどれほど私の心を震わせるのかを思い知らされた。

特に敢えて輪郭を取っているところなど、その色づかいは心ときめくほど素敵だ。

やはり、本物を目前にしないとわからないし、この離れがたいほどの心の震えも得られない。


他にも素敵なじゃがいもの静物画など枚挙に暇がないが素人が色々書くのも野暮なのでこの辺で。(笑)


http://www.gogh-ten.jp/tokyo/


会場│国立新美術館(東京・六本木) アクセスマップ
所在地│東京都港区六本木7-22-2 企画展示室1E
会 期│2010 年10月1日(金)-12月20日(月)
開館時間│午前10時-午後6時、金曜日は午後8時まで ※入場は閉館の30分前まで
休館日│火曜日 ※11月23日(火・祝)は開館、翌24日(水)休館
主催│国立新美術館、東京新聞、TBS
企画協力│