龍馬伝 第35回「薩長同盟ぜよ」 (演出:渡辺一貴)の感想。

センスのないタイトルだ。ぜよ、は要らんぜよ。(←つい、使いたくなるのは私のようなシロウトだけにしてほしい)

演出が渡辺さんでも別に何とも思わずフラットに見ることができた。


明日の第36回放送前に、他のお気に入りブロガーの方々の感想を読みたいのでがんばって書くことに。

完全にモチベーションが間違っちゅう。。。


タイトルロール前で、長次郎の残された家族への龍馬からの報告があったことで、長次郎の死をしみじみ思い出させるところがなかなかよかったぜよ。

お徳のセリフがね・・・「うちの旦那さんは・・・・立派なお侍さんになれたんですね。」

私も前回の感想って、ブログ記事のタイトル龍馬伝 第34回 長次郎は侍になれたのかな・・・ そのものだったから、お徳さんのセリフを聞いてほっとした。

「うちの旦那様の分まで どうか 志を 成し遂げてください。」

「必ず、約束しますきに」と、またしても故人の「志」を引き受ける龍馬(福山雅治)さん。


「志」・・・この龍馬伝ではなんか、使い方が間違っちゅうような・・・というか便利な道具にされてしまっている感がして、毎度「志」が出てくると身構えるというか、斜に構えてしまうのである。


いよいよ薩摩藩の西郷吉之助(高橋克実)、小松帯刀(滝籐賢一)と、桂小五郎改め?木戸寛治(谷原章介)の御対面。ここで、さっさと話を進めようとする薩摩藩に対して、立会人として坂本龍馬が到着するまでは勧められないという桂さん。このときの反応で、薩摩藩が未だに龍馬に対して「単なる脱藩浪士ごとき」と思っている様子がよ~くわかった。役者ってすごいな~。桂さんの藩を背負っている立場もすごく説得力がある。谷原さんってあんまり可もなく不可もなくと思っていたが、なかなかの役者だと改めて思った。

ここでも、長州の桂さんは人間的にも薩摩よりも上手かのような描き方がされている。

やっぱり脚本家さんは長州はあくまでもかっこよく書くんですねぇ。


後のシーンで、立会人が龍馬でなくてはならない件について両者が意見を戦わすシーンがあって補完されたが、先のシーンだけでも十分伝わっていたように思う。が、大河ドラマなので龍馬が必要だってことをわかりやすく強調しなくちゃね。



薩摩藩を偵察に来て新撰組につかまって屯所で拷問を受けている弥太郎(香川照之)。

あの鳥かごを背負ってあんなところにいるのって、どんな隠密?(笑)ま、弥太郎だから。。。

弥太郎の拷問姿って、笑えてしまった。

きっと、笑いを取るためだろう。だって、土佐の岩崎家の弥太郎を案じる会話での後藤象二郎(青木崇高)のタスクにことごとく背いて行くのって、いくら弥太郎とは言え露骨すぎる。(苦笑)


後のシーンでまるで時代劇の悪役そのものみたいな(←「龍馬伝」も時代劇だったか・・・)見回り組が、新撰組をいじめるところって、どうなんだか。。。


寺田屋にて

お龍さんの横顔のアップでピアスの穴、目立ちすぎ。

それからこのシーンの雪って明らかに紙だってわかるのもすごい。。。落ち型がきれいなんだけど、「あら、紙だわ」って現実に引き戻したりしないようにするのってカメラワーク次第なのでは???

この辺は、リアリズムに拘る大友さんだったら許せないんじゃないかしら?



「力のないもんでも、本気で声を上げ、本気で動いたら必ず、必ずこの国を変えることが出来るがじゃき」

用心棒の三吉慎蔵(筧利夫)に、「土佐の下士にすぎない、そして脱藩浪士の龍馬がどうしてお徳に必ず日本を守るとか約束できるのか?」と問い詰められての答え。民主主義の基本概念だ。ドラマ上での表現方法としては思うところはたくさんあるが、龍馬伝を通じて日本には存在していなかった民主主義を実現するために、その概念を龍馬は持っていたということが描かれているのはよくわかる。

現代にだって通じるセリフが随所に出てくる。でも、なんか下手なんだな。。。惜しい。



「武市さん、・・・・・・・・・以蔵、長次郎、みんな、行ってくるぜよ」

亀弥太ってやたらと回想シーンがでてくる割にはその他大勢なのね・・・。だったら武市半平太(大森南朋)も以蔵(佐藤健)も回想シーン出してよ~。たびたび出てくるとわかったら、脱藩者も戻ってきて視聴率も上がるはず。。


と、羽織の紐を締めて刀を持ち、そしてふすまが開き素敵な荘厳なBGMで寺田屋を出ていく龍馬。

全然違うんだけど、ちょっこし映画ハゲタカで、鷲津がフォーシーズンズホテルのスイートルームから出陣するときのことを思い出 してしまった。

書いてるだけで、鷲津LOVEの方々から石が飛んできそうだが、思いだしたものはしょうがない。(←開き直り)


ま、そこからお龍さんとの会話とかだらだら続くので興ざめだったけど。(笑)


そして、なぜか、みんなが待ち構えているのに天下の一大事よりも、友情を重んじる男「龍馬」。

色々な危険を避けるためにわざわざ、日が落ちるまで待ってからの出発なのにですよ!!

腹立つわ~。今まではなんかストレートに龍馬を憎んでいたが(笑)、ストレートに脚本を憎む私。

自分の命を狙っている新撰組に飛び込むなんてアホとしか言いようがない。

この筋書きで龍馬を高評価する人っているのかしら???ほんと、Fさんのセンスが理解できない。


弥太郎を助けるにしても、タイミングがあるでしょうに。

都合よく弥太郎が門前に放り出されて転んでいたが、凄い拷問の跡があって痛々しい・・・はずなのだが、以蔵のときのように胸が痛んだりすることは皆無。どういて???それにこの拷問なんで入れたの???

ま、不憫センサーの問題なので理由はないだろう。(笑)


ま、そんなこんながあって遅れたことを詫びながら関係者が待ち受ける密約会場=小松帯刀邸に到着する龍馬。遅れて悪いと思っているのなら、寄り道するな!と言いたい。弥太郎を引き受けて龍馬を会場に急ぐよう促した三吉さんがいなかったらどうなってたのよ・・・。



で、薩摩の提案が平等ではないという桂さんに対しての龍馬の提言。

「数えきれんほどの命が

薩摩の人らも、長州の人も、もちろんわしの友も、死んでいった。

立場はみんなぁ、天下国家のために志を貫き通して消えていった命ですきに。

ほいじゃき、そのもんらぁの志も、この薩長の盟約に入れてもらえませんろうか?」


「薩長両藩は、誠の心を持って合体し、ニッポンのために、

傾きかけちゅうこの国を立て直すために、双方とも、粉骨細心尽力する」


双方異論なし、とのことで薩長の盟約は成った。

バカにしていた龍馬の素晴らしい提案に涙ぐむ薩摩のお二人が印象的。

福山龍馬がいい感じだったのに、すこしだけ「どや顔」したのが惜しかった。


例のスキャットのBGMだ。

聞いているうちに、まだへなちょこだったころの龍馬がお父上(児玉清)に約束していたころのシーンが蘇って、なんだか、龍馬よかったね、という気持ちになってしまった。


相変わらず、セットや小道具がしっかりしていて見ていて本当に楽しいドラマではある。

が、歴史として素晴らしい素材のはずなのに、なんか、こう、ストーリーとして人を引き込む魅力が欠けているのはなぜなんだろう???