本の話 絵の話/山本 容子
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72人の作家の肖像とオマージュに加えて、

銅版画を選んだ理由、好きな本のかたち、

文豪との「戯れ方」、アートの挑戦……。


美術家・山本容子のすべてがここにあります。





との事。





これは図書館の本です。


ちょっと見た時に

「なんかこれ聞いた事あるな…」

と、思ってたら、


桜庭一樹読書日記に出て来た

桜庭さんのお風呂本だった。

(手元にないから確認出来ませんが)


と、気づいて借りて帰りました。



構成は

・ 本の話

・ 人の話

・ 絵の話


です。



本の話では


山本さんが携わった表紙や挿絵を描いた作家を主に

実際に作家の過ごした土地に行き、

資料だけのイメージではなく、その時代の音楽等からも

人物や作品をとらえる過程が語られています。



人の話では


主に作家が多いですが、

詩人や芸術家達の肖像画と、


作品の事というより、

その作者自体の山本さんが感じた言葉を

ちょっと詩的な表現で表されています。



絵の話では


学生時代からの絵の取り組みについてから、

基本的な銅版の描き方、(何を使ってるかとか)

影響を受けた芸術、または芸術家の事などが語られます。



という、内容です。


目に触れる感覚として、

日本には山本さん以外に有名な版画家はいるのだろうか…

と、思ってしまうんですが、、


作品を見たらあまり詳しくなくても

『山本さんっぽいなぁ』

と、わかってしまうくらい

確立された世界観をお持ちの作家さんではないでしょうか。



でもこの本を読んだら、

芯は持ちつつ柔軟な制作をしているんだなぁ

と、感じました。



なんだか日本人じゃないような画風だな、

と、ちょっと思っていたんですが、


やはりすごく海外の芸術家の勉強(というと固い響きだが)をされていて、

銅版を始めた時に(学生の時ですね)


「ピカソに勝たないといけない」


という信条でやっていたエピソードからして、

外国の作品と対して勝負しているのだろうかなぁ

…と、感じました。


この「ピカソ越え」の当時辿り着いた答えとしては

ピカソがあえて描く必要がないであろう

剃刀や日用品を描いて、デビューして、注目される…

という、なんだか羨ましいトントン拍子な印象を持ちますが、


自分の表現に一番合うように、

銅版のサイズなどに囚われずに模索した様子なんか読むと、


やっぱりその道で大成する人は学生時代から

一般人とは違うんだな……


という、悲しい現実を感じました。


あと、それが許される環境とかも良いなぁ…

と、思います。(京都芸大だという事ですが)




普段美術館にいって芸術鑑賞してなくても

何となく山本さんの銅版を見た事あると思うのは、


「本屋を自分のギャラリーに」


という試みから、積極的に表紙や挿絵に携わっているところが大きいと思います。



最近では中村(佑介)さんのようなイラストレーターも増えて、

誰が見ても「あの人が手がけた表紙だ」とわかる作品は

安心感が違うように感じます。



『人の話』では沢山の肖像画が載っていて、

タイトルにある『本の話』というより、

山本容子さんの美術論と、作品集的な

『絵の話』の割合の方が多い印象でしたし、

私個人としても、本の話より、制作の話の方が興味深く読みました。



文春文庫でも出てるようなので、

手元に置いて、絵を見たいなぁ…

と、思う本です。






自分のブログなので自分の事もべらべらダベりたいのですが、

これを読んで、個人的に絵が描きたくなってきました。



全然哲学なんてないんですが、

一応、私も絵を描く時に意識している事があって、


“四隅の印象を変える”


という点を気を付けています。



あと、絶対的に好きな色味としては

なんにでも黄土色(イエローオーカー)を混ぜるのが好きなのです。


なんか、中間色になるし。


↑混ぜすぎ注意


一番好きなのは濃い群青色?(ウルトラマリンディープ)に

黄土色を混ぜた色を多用します。




そういえば、普通に好きな色を聞かれたら

「赤」

と答えるんですけど。


好きと使いやすいのは違うんだな。



反対に嫌いな色は

「黄色」もしくは「オレンジ」

なんですけど、

絵となると、結構オレンジ系を使いがちかもな…。


我ながらオチのない話だ。。




私自身は学校で2年間油絵を描きましたが、

それ以降は頼まれないと描く機会がないし、


頼まれものなんで自分の選んだテーマではなかったりするし。



何となく、描きたいイメージが2・3年前から

浮かんではいるので、いっそのこと描こう。


という決意を致した。



と、はいえ…。


私はデッサン力がないので(致命的)、

資料を集める事にしました 敬礼パンダ


ちょうど良い具合に父宛てに

キャノンが送ってくる『moments』という雑誌?


を、拝借して良いと思う写真を切り抜いて
イメージを明確にする作業を進めていこうと思う。




文壇バー いぶき-2011080100230000.jpg


これは今日始めたばかりなのでスカスカだけど。

真ん中がより私のよりイメージに近い写真で、

派生したものを周りに貼っています。


こんなところにも

“四隅の印象を変える”

という無意識の力が働いていた…。


これだけでも、

自分が何に目が行くのかがわかって良いです。
みんな写真を撮るのが上手いなぁ…


今日のブログ的にも


『本の話 絵の話』


になって、いるような、、気がします。





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妄想バー コーナー 



文壇バー いぶき


『スーズ・トニック』


甘くほろ苦い 芸術的な味わいの一杯


ピカソが愛飲していたことで有名な、

甘くほろ苦い味わいのスーズを、

トニック・ウォーターで割ったさっぱりとしたカクテル。




との事。


スーズはフランス原産の薬草系リキュールで、

消化を促進する効果があるそうです。



芸術家に捧げたい一杯です。