メンバー、部下のモチベーションを高める
こんにちは、伊庭正康です。今回のテーマは、メンバー、部下のモチベーションを高めるリーダーシップについてです。自分の気持ちを変えることもママならないのに、他人の気持ちを変えることは簡単なことでありません。まず、「もっとシゴトのことを楽しんで!」「はい!わかりました!」とはならないでしょう。
でも、活躍するリーダーは、必ずメンバー、部下のモチベーションを高めています。「あなたの考えに共感した」「あなたの役に立ちたい」と言わせています。では、彼らは「何」をしているのでしょうか?今回は、険しい挑戦に巻き込みながらも、部下やメンバーをワクワクさせる「チェンジリーダーシップ」の中から、とても重要な箇所を抜粋して紹介したいと思います。
キーワードはThey
私の研修でも紹介しているのですが、ソフトバンクの孫正義社長はとても参考になります。
特に、「ソフトバンク 新30年ビジョン」はそのエッセンスが凝縮されています。
こちらから映像をご覧いただけます
→ ソフトバンク 新30年ビジョン
ビジョンとなる「情報革命で人々を幸せにする」という言葉を幾度となく発信されるのですが、もちろん最初は「ふ~ん、なるほど」としか思えないのですが、、講演が進むにつれ、世界観に引き込まれ「じ~ん」として聞くことになります。
孫社長は次のことを語ります。
1 成し遂げたいことはただ1つ、
「情報革命で人々を幸せにする」ということ
2 情報革命がもたらす未来予想図
※言葉が通じなくてもテレパシーのように意志疎通ができる
ようになり、災害救助、医療救助、などで人類を救える
※医療が発達し、寿命は200歳にもあるだろう
3 なぜ、そこまで「情報革命で人々を幸せにする」ことに
こだわるのか
※おばあちゃんは韓国から渡ってきた。
言葉はカタコト。一家は貧しかった。
※でも、おばあちゃんは、いつも言っていた。
「それでも、生活できるのは、
人様のおかげやけん、感謝せないかん」と。
※韓国におばあちゃんと行った。ボロ布のような服を
貧しい山村の子供におばあちゃんがプレゼントした。
「ありがとう!ありがとう!」と人が群がった。
※お金じゃ名誉ではない。
自分もおばあちゃんのように「ありがとう!」と
感謝される生き方をしたい。
※まだ、世界には泥だらけになりながら貧しい中で
生きている人はたくさんいる。
※ITの力があれば救うことが出来る。
4 だから、成し遂げたいことはただ1つ、
「情報革命で人々を幸せにする」ということ。
そして、最後に、「どうぞ、よろしくお願いします。頑張ります」と、10秒ほど頭を下げられるシーンで講演は終了します。その時に割れんばかりの拍手で会場が包まれます。なぜ、割れんばかりの拍手が起こったのでしょう。
もし、
「時価総額300兆を目指します。
どうぞ、よろしくお願いします。頑張ります。」
「世界No1のシェアを目指します。
どうぞ、よろしくお願いします。頑張ります。」
と締めくくった場合、割れん拍手ばかりので包まれるのでしょうか。きっと、難しいでしょう。
時価総額もシェアNo1も言っていることは「自社」、いわば「I(自分)」のために頑張ります、と言っていることになるわけです。
セオリーは「I」ではなく、「They」。
「(誰か:They)を救うために挑戦します。よろしくお願い申し上げます。」
この構造こそが、メンバーや部下が応援したくなる、つまりワクワクさせるリーダーのセオリーであり、多くの名リーダーが意識しているセオリーなのです。
あなたにとってのTheyは?
もし、あなたがリーダーであるなら、あなたが救いたい「They」は誰なのでしょうか?まずは、
そこから考えてみてください。
その次に、キレイ事では人はついてきません。なぜ、そこに本気になろうとしているのかを考えてみてください。孫社長は原体験を語られました。Theyの窮状をリアルに知っていることが不可欠です。想像だけでは説得力が足りません。
そして、Theyをどこに導きたいのか。その未来予想図を語ってください。
そんなリーダーの考えにメンバー、部下は力を貸したいと思い、いかなる単純な作業であろうが、困難な作業であろうが、モチベーションを高めるきっかけを得ます。
まずは、リーダーになったら「They」ために尽くす、これがセオリーになります。最初は、難しいかもしれませんが、ぜひ挑戦してみてください。リーダーはスキルではなく、あり方です。