『ホームレス支援を通じて社会的課題に取組むビッグイシューと学ぼう!』講演レポート | Color&Action!~気軽に、楽しいセラピーでパワーアップ~

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ビックイシュー講演『ホームレス支援を通じて社会的課題に取組むビッグイシューと学ぼう!』
に参加してきました。

講師は、ビッグイシュー日本代表の佐野章二様と、
ホームレスでビックイシューのビジネスパートナーである越沢さま。
おふたりの熱い思いが伝わってくる素晴らしい講演でした。
ぜひ皆さんにも知っていただきたい内容でしたので、長文・かつまとまってないですがレポートします。

■なぜホームレスは増えたのか
高度成長時代に都市整備で一時的な労働力が大量に必要な時期があった。日本では大阪が一番ホームレスの数が多い(調べると今は僅差で東京が一番のようです)。一時的な建築ラッシュで西成区など各地に日雇い労働者の寄せ場があり、そこに行けば仕事があり、宿泊施設もあった。
バブルがはじけ、日雇いの仕事が激減し、仕事をしなければそこの宿泊施設に泊まれない。仕事も家もなくなって、やむなくホームレスに・・。いつもの講演にブルーシートがどんどん増えた。「どうなってるんだ!?」と感じ、またこの問題解決に興味をもち、2003年に(有)ビックイシュー日本を立ち上げた。
※その後もリストラ、派遣切りと様々な理由があります

■(有)ビックイシュー日本とは (URL:http://www.bigissue.jp/)
ホームレスの方の仕事を作り、ホームレスの方をビジネスパートナーとし、一時的なモノ、カネではなく、明日に繋がる支援としてチャンスを提供しています。
これは”問題の当事者を問題解決の担い手にする”という考えからです。

英国から始まったビックイシュー。英国では成功しているものの、日本ではまだ難しい状況。
日本ではホームレス支援にお金を出してやろう、支援しようという、企業がない。2003年開始当初は200円で販売していたものの採算が取れず連続赤字、仕方なく4年前に300円に値上げ。その後単年度黒字に。
社員は20名、ボランティアは700名の方で運営されています。
もし応援したいと思われた方は、ビックイシュー基金という寄付制度や、ボランティア情報があります。

■ビックイシューのホームレスによる雑誌販売というビジネス
具体的には1冊300円の雑誌をホームレスの方が販売し、そのうち160円が販売者の収入になります。
最初の10冊は無料で提供され、その売り上げ(3000円)を元にその後は1冊140円で(有)ビックイ
シュー日本から仕入れて売る、という仕組みです。
販売者は顔写真と販売者番号の入った身分証明書を身につけて雑誌を販売していますし、行動規範もあります。「ホームレスの人から買うなんて怖いのでは?」という心配はいりません。
http://www.bigissue.jp/sell/system.html

実際にその雑誌を新宿サザンテラスで販売されているホームレスの方(越沢さん)が講演開始前に雑誌の販売をされていました(雑誌購入が講演参加費となります)。
雑誌販売の仕事に誠意をもって、丁寧に大切に取り組んでらっしゃうるのがヒシヒシと伝わってきました。

この近辺では京王百貨店の前や、サザンテラスなどでも販売されてます。販売場所、雑誌の内容、バックナンバーは ビックイシュ-のHPに掲載されています。著名人がトップページを飾り、内容もしっかりしたものです。

■ホームレスの人が自立するまで
職を失い、家を失い、、一度お金がなくなって、その日暮らしになると、そこからの脱出は容易ではありません。住所がないから就職できない。やっとアパートの家賃が払える貯金ができても、継続的に家賃を払うため、むしろ生活は苦しくなる。貯金がなかなか出来ない。
仕事を見つけても、次の給料日までの生活費がない。就職するためには貯金が必要。

1.25冊/日ビックイシューを売る = 160×25 = 4000円
  ⇒ネットカフェ(1泊1000円程度)に泊まって3食ご飯を食べられるれるようになる。
2.売り上げを+10冊 ⇒ がんばって貯金に回す
3.定住先を見つけ、就職をする。

■私が会場で最初に感じたこと
全員配布ではなかったですが、希望者のみとしておかれていた冊子 『路上生活脱出ガイド』を見ると、
簡単な漢字も含めてすべての漢字にフリガナが打たれているのをみて、ショックをうけました。
元々普通にお仕事されていた方であれば、このフリガナはいらないはずで、これは、ホームレスの方々には様々な境遇の方がいらっしゃる事を意味していると思います。

※以前TVで、発達障害や自閉症の診断が昔はされておらず、受けられるはずの適切な教育・支援も受けないまま、ホームレス生活をせざるを得ない方々がかなりの数いらっしゃることを知りました。
その番組では精神科の先生が診断して回り、生活保護につなげる支援をされてました。

■スポーツ文化活動
ビックイシューでは、サッカー・ダンス・川柳・音楽などのスポーツ文化活動もしています。

ホームレスになる ⇒ 自分なんてダメだと自己否定の気持ちになる。
この状態で支援をしてもあまり効果的ではない。

楽しむ事 ⇒ 自分で自分を認めやすくなる ⇒ 支援がはいる、自立への1歩を踏み出せる

■グループワーク
カフカの階段 段々と失っていくことによりホームレスになり、戻る道には一段の高い壁がそびえたつ。
何を失うとホームレスになるのか、戻るためには何が必要かという事をファンタジー含めなんでもありで各5人程度のグループ毎にディスカッションし、最後に発表しました。

<失うもの>定職、家、家族、住所、連絡先、健康、スキルアップ、チャンスをつかむきっかけ、前向きさ、食べ物、やる気、社会からの信頼、貯金、身近な絆、希望

<戻る道へのハードル、戻るために必要なもの>支援、情報、身だしなみ、前向きな心、体力、仲間、元気、何でもやろうという吹っ切り、支え、やる気、食べ物、まとまったお金、少額無利子の貸付、ホームレス脱却の喜びを次へ伝える場、ビックイシューでの働きを証明書として発行し就職活動に活かす、生きる気持ち、仕事やコミュニティーに戻ったらどうするかという次の喜びのイメージ、ビックイシューの活動の底辺を広げる活動、活動を広く知ってもらう為ネットカフェに泊まっている方はfacebookなどで活動発信(頑張っている事、文化活動)、ホームレスの方用の住所を作って住民登録ができるようにする(ローマで実施)


☆私たちにできることはなんでしょうか。
とりあえず私はビックイシューのことをせめて私の身近な人に伝えることと、
ビックイシューの販売員を見かけたら雑誌を購入することをやっていこうと思いました。