昨日お会いした映画関係の人との会話から、邦画の問題点を幾つか。

何故カットを多くしないのか
カメラを固定して「ハイスタート!」ってそれじゃあ演劇と何ら変わらない。
黒澤明が七人の侍を撮ったとき、カメラ7台を使い自由自在に編集してあの素晴らしいアクションシーンを作り上げた。
後に世界中の監督がそれを手本として映画の可能性を引き上げた。
何故出来ないのか。
『突入せよ!浅間山荘』がなかなかどうして素晴らしい編集してたりするが。

→お金が無いらしい。
黒沢は別格なのだとか。
ウ~ム…(余り納得してない


なんで彩度を下げないのか
邦画は、撮った映像をそのまま使う。
やたら明るい映像が出来上がる。
特に、特撮映画ではそれが本当にへっぽこな印象になっちゃうのに。
彩度を下げるだけで怪獣もののリアル感なんか格段に変わるのに。
スピルバーグだって、デジタルで制作してる今でもわざとフィルムっぽい質感を出すためにいわゆる「銀残し」 という手法を使ってる。
これはいわゆる撮影後の作業、ポストプロダクション段階での作業なんだけど何故やらないのか。
日本の絵画は、彩度を下げてることで世界中に衝撃を与えたんだけど(灰色の芸術)、映画だとやらない。
邦画だと今ではキタノブルーぐらいだろうか。

→これは、上の指示だとか(製作会社かな?)
どうも明るい画面じゃないと売れないと思ってるらしく、ドンドン明るくしろと言われるとか。
なんか邦画をダメにしてる大本が分かってきたなぁ…。


宣伝に金を使ってる映画が売れて、本当に面白い映画は売れない
現場はこれが一番辛いらしい。
やっぱりクリエイター魂は常にあるようだ。
その人曰く、歌手のプロモーションビデオは本当に自由に楽しく、格好良く撮らせてもらえるとか。
確かにプロモはセンスある人多いもんなぁ。


こうしてみると、映画の面白さを全然分かってない人達が金を出してるんだもの、面白い質の高いのが出来ないのがよくわかる。
若い世代が実権を握るとき、邦画は変わるのだろうか。

ちなみに今年はかつて無いほど映画が製作されたらしい(邦画の話)。
デジカメ片手に誰でも手軽に取れるようになったのが大きいとか。
パソコン等のデジタルデバイスが、邦画の復活に一役買ってくれることを願いつつ…。



明日から年末まで仕事です。
これにて今年の総括とさせて頂きます。
皆さん良いお年を。



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