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 [第11話:一緒になれないただ一人の人] 

 

ジヌクの車の中で、話をする二人。

「私も本部長に、話がありました」

「連絡できなくてすまなかった。対処しなければならないことが多くあって・・・」

「本部長。いままでありがとうございました。私がここにいたら、お互いにとってよくないと思います。私、異動を願い出ました」

「何を言ってる?うちの会社から離れると言ってるのか?」

「少し遅かったような気もしますが・・・それでも、これが最善だと思います。」

ユミを抱き寄せるジヌク。

「わかってる・・・君にとってどんなに辛い状況なのか、よくわかってる。でも、これは認められない。だめだ。絶対だめだ。俺がそんなことはさせない」

「本部長の許可を得るつもりはありません。私は、これ以上みじめになることは望みません。失礼します」

車から降りるユミ。

ハンドルを激しく打ち付け、目を閉じるジヌク。

 

休憩時間に、調理長はじめ、調理師‘Sに、異動の話をするユミ。

「突然、去ることになって申し訳ありません。でも、新しく来る栄養士は5年先輩です。彼女なら、皆さんの仕事も、もっと楽になるはずです」

「でも、せっかくうまくいきはじめた所だったのに・・・」

みんなも残念そう。

「それでは、明日の献立の発注を準備しますね。」

「最後の日でしょ、お別れパーティーしなくていいの?」

調理長がこんなことを言う日が来るなんて・・・びっくりびっくりびっくり

固まるメンバーたち。

「・・・やりますか?」

「コール!クラッカー

ウンジが申し訳なさそうに

「約束があるんだけど・・・」

「「「キャンセルしなさい」」」

「はい。」

「よろしい」

今まで散々、個人の予定優先だったのに(笑)

 

ノレバン(カラオケ)にきたメンバー。

 [ "何も簡単ではない" - Sohyun]

ユミの歌の間中、ジヌクとの思い出が去来しています。

 

「ユミ先生ったら、まったく最後まで・・・」

ウンジの目が据わってます。

「どうして、彼女は、こうやって私たちにまで誤魔化すのよ?彼女は、私が本部長のこと、どのくらい気に入ってたか知ってたくせに。ゆるせない」

ピントのずれてる彼女を諌めるジェニたち。

「彼女の最後の日に、くだらないこと、言わないで」

「いえ、私は言ってやります!」

シンファやジェニが止める中、ウンジがユミのもとに。

「ねえ。ねえ! ユミ先生、私、あなたを好きじゃない。」

と言いつつも、名残惜しそうにハグするウンジ。

 

「彼女の最後の日です。気分を揚げて!一緒に!今夜はパーティー!」

シンファとジェニの“トラブルメーカー”セクシーダンス付き(笑)

ウンジは寝ちゃいました。

「新しい職場に行っても、無知な行動や、はりきった仕事をしないようにね」

「調理長・・・ずいぶん、私が苦労をかけたから、大変でしたよね」

「まあ、初心者のわりには、多くのことを改善したわ。お疲れ様」

感無量なユミ。

 

その頃、ユミのオフィスに来るジヌク。机に座り、名札を見る。

 

夜たったひとりで、デスク周りを片付けるユミ。

手書きのレシピ帳を手にとって見る。

ジヌクから聞いた、彼の母親が好きだというあわびのお粥のレシピまで。

[アワビ粥]

片隅に置かれた、毎日、ジヌクの食事を運んだ籐のバスケット。

何を見ても、思い出すのはジヌクのことばかり。

荷物を持ち、消灯して、社員食堂をあとにするユミ。

 

「突然どうしたのよ?そんな旅行するみたいな田舎に行くなんて・・・」

「向こうには素敵な寮もあるし、一日三食を出るから、お金を節約できるわ」

「でも、私がいないときは、誰がドングの面倒を見るのよ」

「オンマ。放送局へ行くとき、あまりヒョンテを頼らないでよね。子供の世話は自分でするのよ。わかった?」

すねた顔のオンマ。

「でも、あの男とは、完全に終わったの?彼は、完全に私のタイプだからまあ、私は彼を溺愛したけど、彼は間違いなく夫向きとは言えないわよね。たかが、あんなスキャンダル1つで、おびえるような男、信じられないわよ」

「ゴミ捨ててくるわ」

出て行くユミの姿を見ながら「・・・あんなに動揺しちゃって」と呟くオンマ。

 

書斎で考え事をしているジヌク。

出張の最後、ユミに手渡された宝石箱。

あんなに幸せなキスをした2人に、こんな別離がくるなんて・・・。

ごみと一緒に、宝石箱も持って出たものの、結局、捨てられないユミ。

 

チャン秘書から報告を受けるジヌク。

「幸いなことに、最悪の拡散の前に、我々は、タブロイド紙への対応を対処できました。」

「そうか」

身内というか、近い範囲にはだいぶ広まったと思うけど、事業展開や株価への打撃や個人情報の拡散には至らなかったって意味かな。

「そして、イ・ユミさんは、大田大学の食堂に異動になりました。本部長が知っておくべきと思います」

住所が書かれたメモを渡すチャン秘書。

それには触れず、仕事を続けるジヌク。

「溜まっている承認文書をすべて持ってきてくれ。」

「かしこまりました」

 

~ユミの新しい職場~

「よろしくお願いします。でも、調理師全員が男性だったとは知りませんでした。うわー、これは魅力的です。」

またまた歓迎されてるとは言えない微妙な空気。

「ここに来る前はどこで?」

「Daebokグループです。」

「オフィスの食堂は、ここに比べれば楽なもんだ。ここの空腹の学生どもの、一日三食に対応できるのか?」

調理長ってどこでも同じことを言うのね(笑)

「無条件でがんばって働きます・・・あ、いいえ、ちゃんとやります。」

 

新商品企画会議

「このウエストのゴムは気に入らない。他に何かありますか?」

「これらのドクロを使うことを提案してきたものがいます」

「それは良いでしょう。サンプルを修正し、明日の朝までにそれを完了してください。」

「かしこまりました。」

「宇宙人」

「はい?」

「他のアイデアは?」

「ええと、これらのデザインで良いかと・・・」

「こいつらを、クビにしても?」

チャン秘書に愚痴るジヌク。

 

一方、ユミの働きぶりは、まだまだ慣れないことだらけで、注意されてばかり。

「ああ、まったく。おい、食券を集めろって言っただろ!」

「すみません」

 

それでも日常は過ぎていき・・。

「本部長、ランチはどうされますか?」

「腹は減ってない」

「わかりました」

 

~大学のカフェテリア~

「この料理ばかり、たくさん取らないでくださいね」

「やぁ、すでに食事券を渡したじゃないですか。いただきますよ。ありがとうございます。」

ため息をつくユミ

 

会社のロビーで、社員食堂の話をしている社員の声を聞くジヌク。

「今日のメニューは何かな?」

「さぁ、知らないけど、おいしいといいよね」

 

~会長室~

「そろそろ、わしの立場を引き継ぐ準備をしなさい。」

「結婚するまでそれについて考えないように、私に言われたはずですが・・・」

「それを待っていたら、わしのほうが先に死ぬだろう。理事会を開き、公式発表する」

「考えておきます。」

「わしは、当分の間、結婚しろと、お前に言うことはせん。だが、お前がわしの立場につくのであれば、それに応じた行動をしろ。もし、お前が再び言い出したら、わしはビジネスの専門家に経営をまかせるつもりだ。わかったか?」

 

学内の掲示板に、江陵で行われる4日間の研修旅行のポスターを目にするユミ。

ジヌクとの思い出の海。

 

1人残業しているジヌク。かなり疲れている。

そこへチャン秘書から内線が入ってくる。

「はい」

「本部長、花束の注文はいかがしますか?」

「ああ、もうそんな時期か!」

「はい。去年と同じ花束を準備すればよろしいでしょうか」

「ああ、それでいい」

「かしこまりました」

カレンダーを確認するジヌク。

 

<よく考えてみろ。彼女が、おまえのせいで泣く日以上に笑う日があると思うか?お前の母親もそうだった。彼女の人生は、お前の欲のために、もっと辛くなるかもしれない>

 

「イ・ユミ、今日も何を食べてない。俺は一日中飢えてる・・・」

 [大田、東区・・・]

ユミの居場所が書かれたメモを見るジヌク。

 

休憩中、携帯を見つめるユミ。

「彼が電話できるはずがない。あんたはずるい・・・イ・ユミ、」

 

「ユミや・・・」

ユミをたずねてきたヒョンテ。

「なぁ、ずっと学校にいて退屈じゃないか?」

「そうね、ちょっと息がつまるわ。時々、私はビーチに行きたくなる・・」

「あっ、「ボスの明示的な味」の続編が出てたんだ。わすれてたよ。」

「やぁ。黙んなさい」

 

「私は、ヒョンテにファンが増えて大人気って聞いたわよ」

「うん。こうなるってわかってた。テレビに出たくなかった理由だよ」

「もぉ、とても幸運なことじゃないの。この週末、ソウルに帰ろうと思ってたのに、なぜここに来たの?」

「店を閉めて、ツーリングしてたら、ここまで来てた」

「ソウルから大田へドライブに来たの?まあ、そんなに私に会いたかったの?」

笑いあう二人。

「ところで、うまくやってるのか?」

「・・・うまくやっていくわよ。あの人だって、うまくやってるはず。だから・・・私も、すぐに大丈夫になるわ。絶対にね。」

 

「もう遅いわ。無事に家に帰れる?」

「イ・ユミ・・・」

「うん?」

「知ってたか?俺も最近気付いたんだ。俺、お前のことが好きだ」

「え?」

「お前のことが好きだ。いつからだったのかもわからない。だけど、遅すぎたよ。お前を捕まえるには、少し遅すぎた。」

「ヒョンテ・・・」

「ただ、知ってほしかった。自分の感情を伝えて乗り越えようなんて間違ってるよな」

ヒョンテをハグするユミ。

「・・・ごめん」

「知ってほしかっただけだって言っただろ」

ヒョンテの視線の先には、ジヌクが立っていました。

 

「ずるいやつだ・・・今日のところは帰るよ」

そう呟き、黙って立ち去るジヌク

ジヌクのことは告げないヒョンテ。

「帰るよ」

「うん、気をつけて」

ヒョンテの気持ちには答えられないユミ。

 

~局のスタジオ~

「ミヒさん、来たのね? 」

「うん。ねえ、あなたが私にこの番組への出演を推薦してくれたって聞いたわ。ありがとう。」

「私はただ、イPDから、あなたが苦労していて懇願されたって聞いて、力になりたいと思っただけよ。オンニ、がんばってね」

「ええ」

 

「嫌味な女・・・・娘が左遷された今、私が稼がなきゃ、チョ・ミヒ!」

 

後輩女優のお情けでトークショーに出演することになったオンマ。

男女のアナウンサーの左右にゲストとして、ミヒも座る。

「さて、テレビに出られるのは、ずいぶん久しぶりですよね。本日のご出演は強い決意を持ってショーに出演することになったとうかがいましたが、その特別な理由をお聞かせください」

「私には、遅い年齢で生まれた息子がいるので、彼のために生活費を稼ぐ必要があるんです」

「まぁ、お子さんは何歳ですか?」

「三歳です。」

「それはすごいですね。3歳となると、お孫さんである可能性がありますね。」

「ええ、実際に、あなたがちょうど今、おっしゃったことに関連した面白いエピソードがあるんです。下着会社のDaebokグループ、ご存知ですか?私、ああ、テレビでこんなこと、言ってもいいのかしら?」

「もし不適切だった場合、我々が、後で編集しますから。」

「うちの娘は、会長の息子と交際してたんです。」

ちらりとスタッフを気にする男性アナウンサー。

「Daebokグループとえば、最近、話題になりましたよね。最近某アナウンサーとのスキャンダルに巻き込まれた・・・ミスターC?」

「まぁ、彼を御存知なんですか?ええ、チャ・ジヌクさんです。」

実名爆弾に、あわてる出演者たち。

 

立ちくらみを起こすジヌクを心配するチャン秘書。

「大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫だ。」

「これを続ければ、本部長、私は本当に辞めさせてもらいますよ。またこんな毎日だと、彼は死ぬかもしれません。」

ため息をつくチャン秘書。

 

 [ジヌク]

ジヌクに電話をかけるチュ・ヘリ。

仕事に夢中で、電話に出ないジヌク。

こちらもため息をつくヘリ。

 

~本部長室~

入ってきたチュ・ヘリを一瞥するジヌク。

「ここに来ても、お互いのためにはならないぞ」

「これ・・・」

「何だ?」

「最近、オッパが全然食べていないって聞いたの。仕事中でも食べて」

「置いといてくれ」

「オッパのために作ったの。買ったものじゃないわ。あなたが倒れると、うちの父が心配するし、私だって・・・」

「ヘリ、すでに言ったはず・・」

「わかってる。これを食べても、あなたが私の気持ちを受け入れたって意味じゃない。わかってる。食べて。私は、ただ心配なだけなの。」

 

まだ女子高校生だった頃、父親の教え子だったジヌクに一目ぼれしたヘリ。

父とジヌクと一緒に食事をしたときのことを思い出す。

 

チュ・ヘリの弁当を食べるヘリ。

「どう?」

「うー、正直に?」

「うん。」

「もっと練習したほうがいいな」

「なによ。いいわよ。食べなくていいわよ」

片付けだすヘリの手を止めるジヌク。

「たくさん、たべて」

「知ってる?私たちが出会ってから、今まで、ずっと男性としてオッパのことを考えてたのよ」

「もっと年を取ったらわかるよ、俺なんかより100倍優れている男性が無数にいるってことが。」

「本当にそうだといいけど・・・」

涙をぬぐうヘリ。

「これは美味いよ」

「全部たべて」

 

ユミの居室を眺めるジヌク。

 

酒場で焼肉を食べながら、1人飲んでるヘリう。

「豚の皮はおいしい。豚の皮は人生だわ。」

そこに現れたヒョンテ。

「君が豚の皮を好きなタイプだったとは思わなかったよ」

「ねえ、豚の皮のどこが悪いのよ?おいしいんだから・・・。顔にそれを打ちつけたら、肌がプルプルになるの。私のソウルフードよ。」

だいぶ、酔いがきてます(笑)

「ねえ、ほんとに焼酎が飲みたかったのよ。でも、電話する相手がいなくて、(あなたに)電話しちゃった。大丈夫だった?」

「ふられたのか?」

「え? 私が?」

「ああ」

「私はね、百回以上、ジヌクオッパに拒否されてきたの。でもね、今日は本当に最後の日よ。完全に終わったの。終わり。だから、飲み干して」

「お疲れ」

「はい。」

「乾杯!」

「私は、この機会に、ひとり旅をするつもりなの」

「どこに?」

「どこかって?どこに・・・私は間違いなく・・・イケメンな男性がいっぱいいるところに行くわ。男たちをノックダウンしてみたい」

呆れるヒョンテ。

「なぜ、そんなふうに見るのよ?作家さん、正直にしゃべりましょう。あなたが以前に、これをやったことあるって賭けてもいいわ。見知らぬ場所で、見知らぬ人ばかりのところで・・・あなたは今までに会った事がないちょっと変わった女性と・・・あなた、そういう経験あるでしょ」

「ノーコメント」

「え?合ってた?本当? 絶対あったでしょ。私はしていないだけ。まあ、この年になるまで、ずっと、こんなふうに退屈な生活を送ってきたの。あのね?これからは、自由奔放なことをするつもりです。反逆者になってやるの。地獄に落ちるの。私ってどう?私と一緒に香港に行きたくない?」

「え?」

「ったく、なんで、そんなに驚くのよ?私は香港に行きたいの。点心を食べに・・」

「はっ!この女。君は一人旅に行ったら、多くのトラブルにあうぞ。」

「ん?どうして?えっ?」

「飲めよ」

「お酒大好き。ありがとう」

 

調理師たちと昼休憩中のユミ。

「ユミ先生、彼氏いるの?」

「え? いえ、その・・」

「誰かと付き合い始めたってところか・・・」

ズバッと指摘する調理長。

「今が最高の時期だ」

「そうじゃなくて・・・」

そこへテレビから、きこえてくる母の声。

 

「チャ・ジヌクさんですよ!彼の父は、私の息子を彼の孫だと思ったみたいで、それを確認するのに大騒ぎでした。息子の髪を摘み取ろうとして、頑固なご老人たら、ぜんぜん話にならなくて、私の子宮を見下したんですよ!」

「ははは、あなたの子宮を・・・」

「それで、あなたの娘さんは、まだ交際を・・・」

「いいえ、彼らは別れました。私の娘は、会社から解雇され、今、彼女は農村地区の大学の食堂で働いています。ユミや~~」

「ユミ?」

「大学の食堂?」

一斉にユミを見つめる調理師たち。いたたまれず、目を伏せるユミ。

 

~販売戦略会議~

「売上グラフを見ると、私たちはアメリカよりもヨーロッパのほうが、より多くの販売をあげているのがわかります・・・」

そこへ、チャン秘書が飛び込んできて、ジヌクに耳打ちする。

それを聞き、とびだしていくジヌク。

「続けてください。」

「どうした?なぜ、彼は突然出て行ったんですか?」

 

大学の食堂でも、学生たちから噂されるユミ。

「ねえ、彼女のお母さんは、アダルトビデオ女優だったって」

「本当?」

「うん。」

「ワオ。」

「チュ・ヘリは、その女性のせいで、番組で泣いたらしいわ」

「本当に?娘にしろ、母親にしろ、すごいな」

「それって彼女のこと?」

「うん。」

たまらず逃げ出すユミ。

「彼女だろ?」

「ああ、そうだよ」

ユミを見てはコソコソと・・・。

 

ミヒのトークショーでの様子を見るジヌク。思わず天をあおぐ。

会長からも電話が・・・。

企業名も実名も、出ちゃったからね。

 

電話に出ようとするジヌクの手から、とりあげるチャン秘書。

「とにかく行きなさい」

「チャン秘書・・」

「これは、チャン秘書としてではなく、私チャン・ウジンが、10年来の君の古い友人として言わせてもらう。なぜ、彼女を連れ戻しにいかないんだ?本当に、彼女と別れるつもりか?人々は、常に私の服をからかう。奴らは、しつこく、奇妙だ、クレイジーだと私に言ってくる。そんなこと知ってる。私はすべてを知っているが、これを着るほうが心地よく過ごせるんです。だから私は、それらを無視します。なぜか?私が、この服装が好きだから。私が、そうしたいから。なぜなら、それは私を幸せにするから。チャ・ジヌク。何を言われても、俺は君を理解している」

「なんて傲慢だ。俺が上司だということを忘れないでくださいよ。すぐ戻る」

ジャケットを掴んで部屋を出て行くジヌク。

「ジヌガ・・・がんばれよ」

 

テジョンまで車を飛ばしてきたジヌク。

学生食堂で、ユミの行方をスタッフに訊ねる。

「すみません、イ・ユミ栄養士はどこに行きましたか?」

「彼女は何も言わずに出て行ってしまい、どこに行ったかわかりません」

 

携帯も電源オフ。

「イ・ユミ、どこに行った?」

 

ヒョンテの店に探しにきたジヌク。

ジヌクを見るなり、殴り飛ばすヒョンテ。

「おい、こいつ・・・」

 

「イ・ユミは、どこに行った?イ・ユミは、どこに行ったんだ?」

 

 

[Epilogue11-1:その夜のキス]

「大切にとっていてくれて、ありがとうございました」

 

[この女性はとても愛すべきです。俺は背中を向けられない]

[今、彼女にキスしてもいいかな?]

[柔らかく甘い唇にキスをしてみよう]

[これは危険だ。ここで停めないと・・・]

[驚きのキスでした。ユミは困惑しているようです]

 

[Epilogue11-2:聞くことができない会話]

 

[ジヌクは今、たった一人で仕事中。彼だけの時間]

 

そこへチャン秘書から内線が入ってくる。

「はい」

「本部長、花束の注文はいかがしますか?」

「ああ、もうそんな時期か!」

「はい。去年と同じ花束を準備すればよろしいでしょうか」

「ああ、それでいい」

「かしこまりました」

カレンダーを確認するジヌク。

 

[彼は、それ以上に彼女を欠乏し始めている]

 

「イ・ユミ、今日も何を食べてない。俺は一日中飢えてる・・・」

 

[Epilogue11-3:オンリーワンメモリー]

 

私が、覚えておきたい唯一の名前。

でも、きっと多くの痛みを感じると思います

 

もし、その痛みが、狂気に駆り立てたとしても

その瞬間まで、私が唯一、覚えておきたい名前です。

 

ただ ひとり 覚えておいてほしい、唯一の名前として

もし 二度とあなたに会えないとしても、

私たちの思い出は、なくならない恋しい感情として残され

私たちの心に根を張るだろう。

雨が降ったとき そして風が吹いたとき・・・

私は 覚えておいてほしい、唯一の名前として

 

[Epilogue11-4:真実の三切れ]

君が、今、離れていくと知っている

でもどうか、私とあなたの心の断片を残しておいて

ひとつめは、あなたが心から大事にすることを

戻ってくる約束のかわりに、私の心の断片を受け取って

永遠に、覚えていたい小さな断片だ

 

私が長い時間 待っていた愛だった

私だけの愛になる

私の人生の残りのための

だから 私は続ける

私の人生の残りのための記憶の断片

あなたがあなたの人生を生きていくならば

それは無意味な愛ではなかった

そして、もし、私が忘れてしまったら

涙ではなく、笑顔をあなたに送るだろう

それでも それでも 私は涙を流すだろう

自分のために 私は心からあなたを愛しているから

あなたのために 私の中に その愛を植えるだろう

あなたに とても感謝している

 

★ 切ないロマンス エピソード12につづく★

本格的に、別れた二人ですが、ジヌク、ひとしれず、ソウルと大田間を、夜中往復してるみたいです。でも、大田(テジョン)・・・ソウルからだと、高速バスで2時間弱くらいかな。

けっこう距離あります。

食べない・寝ない 身体に毒だよね。

 

テジョンへの高速といえば、『明日に向かってハイキック』の最終回。

これしか思い浮かばない単細胞ですみません。

 

チュ・ヘリ、ヒョンテ、それぞれの失恋も描かれました。

ヘリは友達にはなれないけど、憎めないことはたしかかも。

ちゃんと、彼女の「ヨギカジ」が、ジヌクに伝わったからこそ、お弁当を食べてもらって区切りをつけられたんだよね。

ヒョンテのキャラが、もったいなかったです。

ここにきての告白も、なんの盛り上がりも切なさも生まず・・・。

 

ああ、オンマが、やらかしました。

ユミもこのまま、母娘関係で、遺恨を抱えているわけにはいかないので、その収拾にまつわり、ハッピーエンドに向けて、もう一泣き、二泣きありますね。