『夜歩く士(ソンビ)』
■第1話 黒き衣を継ぐ者
『皇宮の宮女たちの間に、まことしやかに語り伝えられている恐ろしい伝説。
満月の晩、王との共寝が決まると、間違いなくその者が現れたという。
王の女をむさぼる、致命的な美しさを持ったその者は、生きた人間の血を喰らいながら、生きながらえる吸血鬼。』
(淫乱書生 ハングル版最新作の一節)
弘文館の文官ソンヨルは、親友のチョンヒョン世子が、「淫乱書生」というペンネームで、大衆向けの小説を世に出していることを知る唯一の人間。
文官(学者)としても、武術の腕も超一流、人格者として世子の信任も厚い。半月後に、恋人ミョンヒ(キム・ソヨン)との婚姻を控え、幸せの只中にいる。
世子と遠出をしたおり、官軍につけられていることを知る。王命により、世子と共に、急ぎ 皇宮に帰ることに。
「これ以上、私には耐えられない。あの者がお前を選んだのだ。次の王はお前だ。もし、お前があの者に逆らえば・・・。」
3か月前に聞いた、父である王の言葉を思い返しながら、首元に噛まれた傷を残す王の側室の死体を前に呆然とする世子。
秘密裏に火葬にされる。
世子は、この3か月間というもの、ありとあらゆる吸血鬼の情報や書物を集め、戦いの準備をはじめていたのだ。
ソンヨルは、世子の書いた小説と偶然目撃した後宮の遺体から、宮中に住まう吸血鬼の存在に気づく。
闇夜の皇宮を闊歩する吸血鬼クィ(イ・スヒョン)。
玉座に座っているところを、警備の者に見つかる。
「なにものだ」
「早く逃げたほうがよい。時間をやろう」
~地下皇宮~
警備の兵が 逆さにつるされ、血がしたたり落ちている。
クィの前に立つ王。
「私は生かしてやろうと、時間を与えたのに、刃向ってきたのだ。仕方なかろう?」
残酷さに目をそむける王。
受けた血を飲み干すクィ。
「愚かなところは、仕える王に似ているな。次の餌食は、世子になりそうだが?私の存在を知って、三月にもなるのに、訪ねてこないのは、私に服従する気持ちがないのだろう。」
「世子がその意思をお受けするには、時間が必要なのです。どうか、お怒りを鎮め・・・」
クィが大声をあげる。
「200年前、高麗という国が滅びたとき、お前の祖先が私を訪ねてきたのだ。私に力があれば、国を立ち上げられると。王になりたいと。そうしてくだされば、後世、その後世まで、永遠に私に仕えると。お前の祖先に従わない者どもを私が殺して消し、この国を立ち上げた。この私がだ。」
顔をそむける王。
世子とともに、守護鬼ヘソ(ヤン・イクチェン)に会うソンヨル。
クィを倒すために存在し、見守ってきたが、クィを倒すためには、人間の意志が大切だと言い、次回あったときに、秘策を伝えるといって、別れる。
朝鮮王朝が200年もの間、悪の吸血鬼クィに支配されてきたと知ったソンヨルは、チョンヒョン世子と力を合わせてクィを退治しようと決意。
守護鬼のもとに、クィがやってくる。吸血鬼としての能力は、クィが上。
「おまえのような力のない吸血鬼が、守護鬼だと」
片腕をもぎとるクィ。その顔を確認し、驚愕するクィ。
「・・・師匠」
「久しぶりだな。」
「なぜ、200年前にあなたを倒したのに」
「私と一緒に行こう。ここはおまえのいるところではないようだ。」
首をつかんで、ヘソをつりあげるクィ。
「いえ、私は人間界で、人間の上に君臨して生きるのです。あなたの弟子として、吸血鬼を殺して生きていた時より、断然楽しい。」
「人間はお前が考えているほど弱くない。人間の意志でお前は殺されるだろう。」
「では、師匠はどのように死にますか?このサンザシの木の短剣に刺されて、亡くなった吸血鬼が多数いただろう。あなたもこれで。」
「愚かな・・・」
秘策を備忘録にしたためる世子。
そこに、クィが現れ 世子を床に叩きつける。
「イ・バンソ、ソ・ヨンヒ、ソン・チュンス・・・、この者たちが私を消す秘策と何の関係があるのだ。」
「お前には何も教えない。」
「ならばすべて無くせばいいな。ここに書かれている者たちも、お前も。」
「お前は今すぐ、世子についている者たちを捕まえろ。」
「かしこまりました。」
皇宮の内官でさえも、クィの味方であることを知る世子。
クィの命により、東宮殿が閉鎖される。世子は身動きが取れない。
秘策を求めて、一人、守護鬼のもとをおとずれるソンヨル。すでに、クィの手にかかり、瀕死の守護鬼は、最後の力を振り絞り、ソンヨルの首に噛みつき、自分の能力をソンヨルに移す。
覚えておけ、黒い道被を絶対に脱いではならない。
これから、クィに対決できる唯一の吸血鬼として生きることを伝え、力尽きる。
このときのジュンギが、本当に 体内の組織が変形したのかと思うほど、苦しそうで、真に迫ってて凄かったです。
だが、その間に、チョンヒョン世子とソンヨルの父ら数名が謀反の罪を着せられ、斬首。
地下皇宮に連れてこられたソンヨル。
魔除けの植物と言われるサンザシの弦で縛られている。
「サンザシの弦は、もがけばもがくほど、くいこむぞ」
ソンヨルの首の噛み跡の傷をみる。
「三日ほどたっているな。まだ、血を飲んでいないのか?あと 半日も血を飲まなければ、死ぬぞ。お前はどうやって生きる気だ?」
「お前は誰だ・・・」
気絶している小さな皇子を見せるクィ。
「どうだ、燃え上がるほど、この子の血が欲しいだろう?」
全身を震わせ、抵抗するソンヨル。
「お前だったのか?クィ、許さないぞ。俺の手で・・・お前をズタズタにしてやる」
「怒り出したな。血を拒否して。お前をこんな風にしたのは、ヘソ(守護鬼)か?」
唾を吐きかけるソンヨル。
「お前が気に入ったぞ。この弱い人間どもを傍に置いて、いろいろ教えるよりは、お前がなればいい。俺の手下になれ。そうすれば、この国をやろう。お前が王になり、永遠に国を統治するのだ。」
「この国の民が・・・王が・・・本当にお前の足元にいると思うのか?太陽の下に出ることもできず、生き血をすすりながら生きながらえるお前のような妖怪が。お前の妖力が必要なものたちはそうしたのだろう。お前を怖いと、そんなふりをしたことだろう。だが、お前を消す機会をうかがっているのだ。」
ソンヨルの首を締め上げるクィ。
「私を消せるものなどいない。なぜなら、私がすべて消し去るからだ。お前が命を懸けて守った世子さえもだ。」
「貞顕世子が亡くなられても、それで終わりではない。お前はいつか、この世から消えるのだ。私たち人間が必ず成し遂げる。」
「やめろ」
気絶したソンヨル。意識が戻ると、婚約者のミョンヒがとらえられていた。
「どうだ、愛する者が吸血鬼になる気分は?
お前はこの女の血を吸わねば死ぬぞ。怖がっているようだな。確かに、吸血鬼に変わって生きられるよう、命を差し出すはずはなかろう。人間は弱いからな。」
その言葉を聞いたミョンヒは、クィの持っていたサンザシの短剣で、自ら自分を刺す。
そして、愛しているという言葉とともに、自分の血を吸うよう、ソンヨルに告げる。
「ソンヨル様のせいではありません。どうか、どうか生き延びて・・・。必ずや志を遂げてください。」
渾身の力でクィを突き飛ばし、結局、自分のために命を投げ出したミョンヒの血を飲むソンヨル。
婚約者のミョンヒまでもを失い、ソンヨルはクィを倒す使命を背負った吸血鬼として生きることになる。
時代は120年後 ヒョンジョの時代
道をはつらつと歩く一人の若者。本の行商人チェ・ヤンソン(イ・ユビ)の登場。
謎の学士に呼び出され、妓房:華陽閣(ファヤン)を訪れるヤンソンだが、そこで、もうひとり、春画を描く、不思議な学士にも出会う。
謎の学士から、貞顕世子の備忘録をさがすよう、命ぜられるヤンソン。
★第2話に続く★
クィがからむところ以外は 本当に省略気味です。
視聴前の予想を超えて クィが、いいです。ビジュアル的にも、ジュンギ様に負けてない妖しさ。
いや、勝ち負けの問題じゃないですね。
見慣れてくると、若干、様式美に救われてるなって感じはしましたが、まだ1話です。
手の内は全てじゃありません。
ね、この角度、よくないですか?
ソンヨルというか、ソンビニムというか、ジュンギ様は、もうホント、なんでしょう。朝鮮王朝時代の方ですね。大好きなヨン@一梅枝でもなく、ついこの間まで、必死に見ていたワンソ様@歩歩驚心の気配もせず、要するに、引き出しが一杯あって、嬉しいんだか、切ないんだか。
あ、イ・ユンも気になってないわけじゃないです(笑) 髭も気にならなかったし。いろいろ試行錯誤したんだろうなぁとは思いましたが。実は、ヤンソンとの絡みも期待大です。なんか、瞳だけはキラキラ感が損なわれてなくて、素直に可愛いでしょ。
最近、王道の主役カップルに対して、あまり入り込めない時期らしくてですね。
ひねくれちゃってるみたいなので、あまり、ご参考にはならないかもしれません。
ああ、そういえば、ヘスとワンソに対しても、今一つ、厳しい見方をしてたしなぁ。←ようやく認めたか(苦笑)
一梅枝のときも、結局ハン・ヒョジュを選んだことをどこか納得してなかったし。
時期じゃなくて、もしかして、相手の問題でもなくて、ただただ、ジュンギ様を孤立させたいのか。私は(笑)
あああ、イ・ヒョヌ@貞顕世子も、ヤン・イクジュン@守護鬼ヘソは もう出てこないのよね。残念~~。ヤン・イクジュンssiには、全然気づきませんでした。あれだけ、髪に覆われてればね。案外、つぶらな瞳をしてる人だと気づけたのが収穫かな~~。
どちらにせよ、悲劇の上に成り立っているドラマなので、そのあたりは、神妙に見ていきたいと思います。