ムハマド・ユヌス氏の講演を聴いてきました。


マイクロファイナンスの生みの親で

ノーベル平和賞(2006年度)の受賞者。


貧困層向けの無担保小口金融

というのは画期的な仕組みです。


日本でこの仕組みが広がれば

たくさんの人が救われるでしょう。


今回の講演からたくさんの学びを得ました。



ただ、既存の企業が 「利益の最大化」 ばかり

考えているかのような発言が引っ掛かりました。


上場している大企業は知りませんが

私が関わっている中小零細企業は

「利益の最大化」 どころじゃありません。


社長は役員報酬すらもらえず

自分の財産を持ち出してまで

社員の給料をしっかり払っています。


そんな状態なのに なぜ会社を畳まないかといえば

社員やその家族の人生を預っているという責任感と

社会的意義のある仕事をしてるという使命感があるからです。


これを 「プライベートビジネス」 と言い切れるでしょうか。


世の中、にわかに社会起業熱が高まってきました。


そのなかで私が危惧しているのは

「私は社会起業家です」 と名乗らないと

ソーシャルビジネスをやってるとは

みなされない風潮になることです。


まさに 「社会起業家業界」 ともいうべき

"ムラ社会" "序列社会" ができつつあります。


NPO業界が進んでいる道と全く同じです。


一番大事なのは、 "社会起業家" が

"一般人" や "一般企業" の意識を変えて

社会的な問題に共に立ち向かうことだと

私は思うのですが、いかがでしょうか。


---参考となる本を4冊ご紹介します


ムハマド・ユヌス 著/ 『ムハマド・ユヌス自伝』 『貧困のない世界を創る』

菅正広 著/ 『マイクロファイナンスのすすめ』 『マイクロファイナンス』


---あと、誤解のないように言うと


ムハマド・ユヌス氏は、こどもに牛乳や不足しがちな栄養を提供する

団体を ダノンと設立するなど "一般企業" との連携も進めています。