牛革はそのまま使うには分厚すぎるので、肉側の繊維層をスライスして2~3枚に分けて薄くします。このとき分けた銀面のついていない裏側の層を「床(とこ)」といい、これを加工して革素材にしたものを「床革(とこがわ)」といいます。
 また、革を3枚にスライスした場合は銀のついていない下2枚を上から「一番床」「二番床」といいます。

 床革には銀面がついていないため、革らしい表情・高級感がなく、革製品の主な素材として使われることはあまりありません。かわりに床革は靴底やバッグなどの芯材、サンプルづくりの材料として活用されています。
 しかしレザークラフトを楽しむ方たちの間では、床革の素朴な風合いや手触りを生かした作品をつくられる方も多くいらっしゃいます。

 ちなみに安価な革製品では、表面に樹脂や顔料を塗り重ね、銀つき革のように加工された床革がつかわれていることが多いので、床革使用と書かれていないのにやたら値段が安い製品には注意してくださいね。