中国・自転車旅行~広西省壮族自治区・欽州へ~ | 手のひらの中のアジア

中国・自転車旅行~広西省壮族自治区・欽州へ~

中国広西省壮族自治区と聞くと、「なんだそこは」と思ってしまう。


いったいどのようなところだったか。


璃江下りで有名な「桂林」がある地域だ。桂林という地名だけがひとり歩きしているような感があるが、この桂林もグアンシィに属するのだ。


やはり中国は広い。


桂林を訪れたことはあるが、今回たどり着いたこの南部地方は、またこれまでとは雰囲気が多少なり違うように思えた。ここが、というより、広州を出発してからも鶴山、開平、陽江、陽西、ディエンバイ、湛江とたどってきたが、村や街、景色はさして変わらないのだが、何より観光地化されていないこれらの地域は、西へ進むにつれ、人がより素朴になってきているような感じを受ける。


確かに、観光地化されるほどの見どころという見どころがあるわけではないので、わざわざ5~7日間の旅行やパッケージツアーが組まれるほどのスポットではないかもしれない。短期の旅行で満足が得られる場所でもないのかもしれないが、今回の旅のように少しでも「生きた世界」、「生」の生活を見たい僕のような者にとっては、この「素朴」というキーワードも重要な項目の一つであり、その移り変わりを感じ取れることは一つの楽しみでもあった。


欽州へ降りたった僕は、バスターミナルで次の行動を決めるため、係員に相談した。この欽州から国境の街「東興(ドンシン)」 へ行くバスについて、今晩泊まる宿について、など。


いつもは何人もの人々に訊ねまわってようやくのこと情報が揃うのだが、今回は予想外に一発ですべての望む回答が揃った。


東興行きのバスは今降りたこのバスターミナルから出る。所要2時間、18元。午前10時45分発と午後3時45分発がある。宿はこのバスターミナルのすぐ隣に60元の酒店がある。その隣にインターネットカフェもある。食事場所はいたるところ、どこにでもある。少し歩いたところに書店もある。


文句なしだ。


宿は安いところはたくさんあったが、今の自転車が足になるどころかお荷物状態の僕にとっては、一点にこれだけ必要なものが揃っている条件はこの上なく最高と言ってよい。


早速、ターミナルに隣にある宿へチェックインした僕は、休む間もなく、荷物を置いて欽州の街を散策し始めた。