2月23日(日)、ブログ担当の私も関わっている「まるやま組」に参加してきました。
まるやま組は、輪島市三井町の里山「まるやま」で月1回実施されている里山歩きです。まるやまは、元は輪島市ビオトープ研究会の観察場所であり、2009年度からは埼玉からのIターン移住者である新井寛氏(輪島エコ自然農園)が就農して田んぼを始め、更に環境省が実施する環境モニタリングサイト1000(モニ1000)の植物調査サイト(月1回の調査実施。後にホタル、カエル類も追加)となりました。2010年からは、三井町へのIターン移住者である萩野夫妻の下で、植物調査と里山歩きを併せた「まるやま組」が始まりました。
現在、まるやま組では月1回の里山歩きだけではなく、地元の小学校の授業、福祉施設利用者による野外体験、大学の野外授業、ワークショップ、醤油作りなど様々な活動が行われています。参加者も染物家、神主、地元農家、研究者、市・県職員、観光案内人、など多岐に渡り、それぞれがまるやま組は、地域の農業や自然を活用した集落活性化の取り組みとして石川県でも広く注目されており、金蔵集落にとっても同志のような存在です。尚、ブログ担当の私は、まるやま組での小学校の授業、自然案内、水生昆虫やカエル類の調査・研究などを行っています。


今回のまるやま組では、能登の伝統行事「あえのこと」が実施されました。あえのことは、1年間の収穫への感謝と五穀豊穣を祈る為、田の神様をもてなす祭礼であり、2009年にはユネスコの世界無形遺産に登録されています。金蔵でのあえのことも、旧ブログで紹介されていますのでご覧下さい。
あえのことでは12月に田の神様を家に迎え入れ、2月には田へと送り出します。田の神様は姿が見えないとされ、もてなす側の家の主人が、あたかも目の前に神様がいるように御礼の言葉を述べ、神様を風呂へと案内し、田へと送り返す様は、1人芝居のようでもあります。



今までは新井さんが神様のもてなし役をしていましたが、今回のあえのことでは、参加者みんなでもてなすことにしました。田の神様を風呂へと案内するのは、参加した児童の役目となりました。不肖ながら私も、田の神様(に見立てた榊)を田までお連れする役目を務め、更には田に鍬を入れる役目も(新井さん、金沢大学の植物担当の伊藤さんらと共に)務めさせて頂きました。



あえのこと終了後は昼食、および歓談の時間となります。昼食では毎回、地元の食材を利用した料理が並びます。この日はふくらぎの刺身、つみれ、フキや椎茸などの煮物、ナマコ、赤飯などが並びました。今回は、まるやま組のスタッフを務めてくれたO君が今年度でまるやま組を離れるということもあり、サプライズでケーキと寄せ書きを用意してのお別れ会もありました。





尚、今回のまるやま組の為にブログ担当は「まるやまのトンボ」「まるやまの水生昆虫」という2種類のミニ図鑑(photobackというサイトで作成)を製作し、そのお披露目も行いました。金蔵の自然を紹介する資料としても、同様のミニ図鑑作成を予定しているところです。
まるやま組の頑張りを金蔵集落にも分けて貰い、まるやま組に負けない取り組みを進めて行きたいと思います。