大阪府の22年度予算案は、前年度比85%にとどまった税収のダウンが深刻だ。とりわけ、大きなウエートを占める法人2税はピークの平成元年度と比べ4分の1。「収入の範囲で予算を組む」のが橋下徹知事の方針だが、支出を削っても収入が減るという状態だ。

 企業が集積する都市部の自治体は法人2税が主な財源。大阪も法人2税は長年にわたり最大の税収源だったが、今回は戦後初めて個人住民税、地方消費税に次ぐ3番目に転落した。

 不況は全国的な傾向だが、大阪は昨年の失業率が、それまでワーストだった沖縄県より悪化。法人2税の大幅減は、大阪が大都市としての力を失いつつあることを示したともいえる。

 橋下知事は「財政規律は守った」と今回の予算案を自己評価。2年連続で赤字を回避したことや、使い込んでいた減債基金への返済を始めるなど、財政再建へに向けた動きもあるが、国の交付金や府債に依存する体質は変わっていない。今回も職員のボーナスカットや府有地売却などで「財政危機を瞬間風速的にしのげた」(財政担当者)という状態で、まだ府の財政危機は続く見通しだ。

 こうした中、橋下知事が道州制や府市再編、広域連合など自治体改革を意識したメッセージを出すのは、大阪府だけの改革に限界を感じているからでもある。橋下知事は財政危機脱却のためには、自治体の仕組みを抜本的に見直すことが必要だと考えているのだろう。(河居貴司)

【関連記事】
「パーフェクトな予算」橋下知事が自画自賛
安全面さえ大阪府vs大阪市…市外の駅だけ転落防止柵なし
橋下知事「大阪の子供全員をUSJに連れて行きたい」と提案 府が実現性を検討
橋下流2年 遠のく財政再建、権限に限界も?
橋下知事「僕の役割は終わった」 国の案に伊丹廃港反映

<無免許運転>高浜市議に2年を求刑 名古屋地裁支部初公判(毎日新聞)
<脱税>J&J日本法人の元代表を在宅起訴(毎日新聞)
関大8億円投資実った!大輔賞作る!…在学生78年ぶりメダル(スポーツ報知)
小沢氏、政調復活に応ぜず=政策会議を機能強化(時事通信)
勤務中にコンビニ強盗、タクシー運転手再逮捕(読売新聞)