ブダイ属の1種の稚魚(旧2017-04-13)→ブダイで間違いなさそう | ウッカリカサゴのブログ

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日本産魚類の仔稚魚のスケッチや標本写真、分類・同定等に関する文献情報、
趣味の沖釣り・油画などについての雑録です。

 


ブダイ属の1種 17.2 mm SL P13
170412 千葉県岩船

 

岸壁のガサガサで採れた。

体側の赤色素胞の点列が特徴的(Baldwin, 2013 のp.521 を参照) 。

 

 

黒色素胞パターンが同じであることから,稚魚図鑑に載せた↓の稚魚と同種である可能性が高い。


ブダイ属の1種 16.0 mm SL (稚魚図鑑第二版から)
830526 千葉県大原

 

日本産ブダイ属は3種(タイワンブダイ,ブダイ,チビブダイ)である。

ここに示した両稚魚は4,5月に採集されたもの。

3種の中ではブダイの可能性が最も高いように思えるのだが,ブダイの産卵期が5~9月とされていて,出現が多少早いのが気になる。

 

●参考

BALDWIN (2013) 

The phylogenetic significance of colour patterns in marine teleost larvae.

Zoological Journal of the Linnean Society, 168: 496–563. With 52 figures

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/zoj.12033/pdf

 

加藤 昌一(2016)

ベラ&ブダイ:日本で見られる192種+幼魚、成魚、雌雄、婚姻色のバリエーション

 (ネイチャーウォッチングガイドブック) 

319pp.

誠文堂新光社