柏崎原発の再稼働を巡って東電と対立を深めている新潟県の泉田知事
彼がIWJのインタビューに対して興味深い発言をしていました。
以下の動画は9月7日に行われた泉田知事のインタビュー映像です。
動画内には収まっていませんが、このインタビューが終わった直後に泉田知事は、「ここまで言ったら危ないかも。消されたり、自殺したり。でも、僕は自殺しませんから。遺書が残っていても、自殺ではない。もし僕が自殺なんてことになったら、絶対に違うので調べてください」と述べたとのことです。
「特捜関係者が泉田知事を監視調査している」というような情報もありますし、新潟県の泉田知事が原子力村の連中に狙われている可能性があります。
知事がインタビューの裏でこのような発言をしたのも、それを感じ取っているからだと思います。
☆泉田新潟県知事インタビュー 9/7 IWJ
岩上「福島第一原発の事故からスタートしているのではなくて、少なくとも、新潟の原発の問題は柏崎刈谷の建設時まで遡るかもしれない。少なくとも、2007年の中越地震の時の経験が非常に重要だと思います。このへんからお話を伺いたいと思います。」
泉田知事「2007年にマグニチュード6.8の地震が柏崎刈谷原発の近くで起きました。その時に、火事が起きているのです。
原発の事故はいつおきるのだろうか?今政府の中央防災会議があるのですが、その他に、東日本大震災のドタバタの中で、原子力防災会議も作って二本立てにしてしまったんです。それで、こういう災害とセットになるので原子力事故が起きやすい、そういう時こそ起きると思います。それが、単独の原子力防災だけ取り出して他と連携していない体勢がそもそも問題だと言うことだと思います。
まず、経験から言うと、2007年の中越沖地震の時に起きた火災事故です。なぜこういうことになったのかと言うと、地震が来ると構内・・・波打った道路、一番ひどいところを撮ったわけではなくて、何気に撮ってもこんな感じで、震度は6強。これは現地の写真です。
この地震が、SSという基準地震動を大幅に超えたんです。歩道なんかはこのように沈下したし、構内、車が円滑に通るのだろうかという疑問が残るわけです。
東日本大震災以降、電源車をおき、消防車を増強しましたと言っても、そもそも、こんな状況になりますよと。これを考えないといけません。
それから、もう一つ、二号機タービン建屋の状況なのですが、
ここまで地面があったんですが、それが地震で下がっちゃうんですよ。
最大1.5m沈下しました。
結果として何が起きたのかと言うと、(配管が)ずれるわけです。こういう形で
これは、配管が外れて、ここに通っていた線がショートして火事になったわけです。
このとき、災害からの復興で厳しい思いをしたわけです。
世界中に、炎が出ているのにそこに誰もいない原子力発電所の映像が配信されてしまったわけです。
実は消防施設はあったんです。柏崎刈谷にも。でも、消防配管もあんな1m50cmもずれると水がでなくなってしまいます。それで、東電の消防隊の皆さんは最初水をかけようとしたんですが、かけられなくて、避難したと。それで、これ、原子力の世界の常識で言うと、原子力発電所から火を吹いているのに、周りに誰もいないと言うのは、大量に放射能が漏れていると言うメッセージが伝わってしまうのです。
結果として、県庁にも、海外いろんな国から来ていただいて業務に携わってた方々がおられるんですが、家族から電話がかかってくるわけです─「そんな危ない所にいないではやく帰って来い」と。
自然界で検出されるギリギリのコバルト60という物質なんですが、若干微量に出たんですが、今回の東日本大震災の東電事故とは比べ物にならないほど微量であっても、柏崎刈谷でもものすごい風評被害がありました。
いずれにしても、こういう形で地震が起きて、火事が起きますと、トラブルが発生するということが2007年の経験であるわけです。」
岩上「これ消火栓は用意していたが、消防車はなかった。道路の状態が悪くなると消防車すら動く状態ではなかった。当時ははなくて必要と言う事になったと」
泉田知事「そうなんです。消防車もそうなんですが、とりあえずまず道路に段差が生じるということを考えると、建物と一体化して欲しいんです。
フィルターベントをつけるつけないと、フィルターベントは義務付けになりました。
実は原発は二種類あるんです。PWRという加圧水型と、これBWR沸騰水型というんですが、レトロ電力の原発はBWR、沸騰水型なんです。
BWR沸騰水型
これはフィルターベントをつけないと、稼働させてはいけないと言う決まりになりました。従って、フィルターベントをつけないと行けないのですが、これは7mぐらい話してあるんです。」
岩上「これなぜフィルターベントが離れているんでしょうか。」
泉田知事「うーん、何故なんですかね?」
岩上「やっぱり、技術的にその一体化出来ないということなんですかね。あるいわ、コストがかかるということなんですかね?」
泉田知事「説明がないんです。東京電力と新潟県の間には安全協定というものを結んでいます。その安全協定にどう書いてあるかと言うと、この放射能の取扱に問題がある、つまり、環境に影響があるようなもの。これは結局放射能を放出する機械ですから。こう言ったものについては、事前了解をとるという事が条文できちんと書いてあるわけですが、約束を破りたいという話しなんです。簡単に言うと。
今回の東電は、安全協定をヤブつて、了解なしに申請したいと言ってるわけなんです。この間広瀬社長が、私のとろこに来られた時に、同時性とかいろんな事を言ってましたが、条文上は事前了解と言うことになっています。
(※同時性とは、事前に了解をとるのではなく、こちらの了解をとる動きと申請をする動きを同時に行いたいと言う意味)
同時性は前例違反なんです。そんなことはないわけです。何故かというと、地元と事業者が同意をして、それで、(申請書を)作ってから申請すると言うのが本来あるべき順番なのです。で、BWRの場合は、PWRと違ってないとダメなんですよ。ないとダメなのに申請する時に実はまだ固まっていないのです。それでそもそも規制委員会というのは審査するのでしょうか。そこもおかしいのですが、もともとは、完成したものを申請してくださいねということになっているわけです。しかし、完成する前に作りますよという設計図だけ、それもどうするかということを相談しないで、どんどん進めちゃって、でいざ、2007年の時はですね、これは一体化するから大丈夫だと言う説明で火災事故のあとの修正作業をやったんですけども、今度は説明が違うんですよ。離れていても大丈夫ですと。しかし、離れていても大丈夫だと言っても、より安全を考えれば、一体化しておけば配管が外れないですよね。」
岩上「離れていることの最大の問題点は、さっきの写真にあったような段差がしょうじてこういうことが、配管が壊れてしまうという事が起きたら大変だと。」
泉田知事「フィルターベントが外れると生の放射能が出るということですから、地震を考えれば、一体化してくださいよと(言うのが当たり前なんです)。」
岩上「そもそもですね、これ観ている人にね、ベントとは何かと。ベントをする必要性は何かと。ベントをつけなくてはいけないということはどういうことなのかと、わかっている人はもちろんいるんですけど、わかってない人もいると思うんです。ベントの必要性は知事もお認めになっていていらっしゃるわけですね。どうしてベントをつけなくては行けないのかということをちょっと触れて頂けませんか。」
泉田知事「まずですね、考え方の問題なんですけども、福島の事故の本質は何だったのかと言うところから説明します。福島の事故は津波事故ではありません。電源喪失事故でもありません。これはきっかけでしか無いわけです。福島の事故の本質は何かというと、冷却材喪失事故なんです。」
岩上「つまり、冷やす事ができない状態になった事が問題だと」
泉田知事「そういうことなんです。あの、これジェネスっていうですね、原子力安全基盤機構というところがあるんですが、運転教育ビデオ、訓練用の教育ビデオを作っているんですけども、つまり運転員なら誰でも知っていることなんですが、冷却に失敗する、すなわち、水が抜けてしまうというということになると、2時間程度でメルトダウンするんです。だから、冷却材、すなわち、水等々をですね、冷やすものを燃料に入れて常時冷やしておかないとメルトダウンが起きちゃうんです・・・2時間で。で、電源喪失したってメルトダウンしないんです。津波が来たってメルトダウンしないんです。津波の水が入れば冷えてますから、メルトダウンしないんです。津波が来て、電源が止まって、結果として冷却材の水が抜けてしまい冷やすものがなくなったので、溶け落ちたと。だから、原因が津波であろうと、地震であろうと、テロであろうと、戦争であろうと、もしかしたら、ロシアみたいに隕石が近くを通っただけで物が壊れるとなってるわけで、なんで壊れるかわからないけど、冷却材を喪失した時にちゃんと冷やす事が出来ますかと言うことです。
原子力の安全は3つの要素で保たれます。それは・・・
- 止める
- 冷やす
- 閉じ込める
なんです。
これが本質論なのです。
従って福島の場合止めるのは成功したのです。でも、冷やすのに失敗すると、自動的に閉じ込めに失敗して、放射能を大量に悲惨して大惨事になる。」
岩上「今だに閉じ込めるのに成功してないですけどね。」
泉田知事「そうそう、今だに閉じ込めるのに・・・。だから、そういうことなんです。水もそうだし、空気中でもそうなんですが、止める、冷やす、閉じ込めるなんです。冷やすのに失敗すると自動的に閉じ込めに失敗して、大惨事になる、これがポイントなんで、冷やす事に失敗した時にどうするんですかと。」
岩上「それは絶対にやらなければいけないけども、それに失敗することはありうるということで、その時にどうするかも考えておかなければならないと」
泉田知事「そういうことなんです。ちなみに、この日本の環境を、そして、太平洋を世界から心配されてる状況になってるわけですが、この放射能を大量にばらまいたのは、二号機なんです。あの爆発していない。何故二号機が大量にばらまいたのかというと。1号機と3号機、4号機も爆発があったんですけど。」
岩上「火災で爆発ではないと言ってますが、行くとすごいボロボロになっていますからね。爆発で。一番派手だったのは3号機です。こうしたものに比べると、二号機は一見するとそこまで激しい建物の破壊もなかったから、たいした事はないように思われがちなんですが、そうではないと。」
泉田知事「そう、二号機が一番大量に放射能をばらまいた。その理由はなぜかというと、格納容器が壊れたからなんです。
格納容器の中に原子炉が入っているんです。格納容器がなんで壊れたのかと、圧力が高くなったからなんです。圧力が高くなっていると何が起きるかと言うと、風船がパンパンに膨らんでいる所に更に吹きこもうとするとなかなか入らないですよね。中の圧力が高いと、消防車ぐらいの圧力だと水が入らないんです。だから、圧力を下げてやれば冷やせるのに、圧力が高いから水が入らないと。格納容器の圧力が上がっているということは、原子炉容器はもっと上がっていると。もしくは、原子炉容器に穴が開いていて、メルトスルーをしていて、既に役割を果たしていないかのどちらかなんですが、いずれにしても、格納容器がパンパンになっているともう水が入らない。この水を入れるためには圧力をさげないといけない。だから、ベントをすると。」
岩上「ベントをするとは排気をすると。」
泉田知事「排気ですね。」
岩上「緩めてやって、そこから排気をする。ただし、排気する、中の圧力は下がりますけれども、放射性物質が同時に出てしまうので、それで、フィルターをつけなくてはいけないという議論になるんですよね。」(19:01)
・・・続く
※参考URL:http://saigaijyouhou.com/blog-entry-942.html
When Becoming One with the Universe...