日本の高すぎる暫定基準値を考える【なぜチェルノブイリより高い】バイエルン州立歌劇場日本行き拒否 | 福島原発事故★自主避難者として生きる

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福島原発事故の原因や汚染の現状、放射能や放射線の健康被害や影響。避難は必要か?など福島原発事故を判断する材料になる資料を集めました。

ドイツのバイエルン州立歌劇場の団員百人が、日本行きを拒否したことが話題になっていますね。参加予定の団員約400人のうち約100人が日本行きを拒否。4人に1人が、拒否したわけですが。歌劇の会場は、主に東京。ネット上では「東京の放射性物質はたいしたことないのに…ドイツ人が騒ぎすぎなのでは!?」のような意見もちらほらとありますね。


ドイツは今から25年前の1986年のチェルノブイリ原発事故の際、放射性物質の雨が降り注ぎ、汚染された食品も流通し、原発事故の被害者になったことのある国です。


ドイツ国内では、チェルノブイリ原発事故後、病気や不妊症などの増加した原因がチェルノブイリ原発事故で降り注いだ放射性物質にあるのではないかという研究が盛んです。そういった情報や環境のなかで育ったり、生活してきたわけですから。日本人よりも、敏感なのは仕方ないと思います。


ただ、逆に考えると、日本人が放射能に鈍感になっている可能性もあると思います。そこで改めて、日本の暫定基準値とチェルノブイリ原発事故の被爆地であるベラルーシとウクライナ、そして世界最多の原発を持つアメリカの基準値を比較してみました。


基本的に放射性物質の基準値は、汚染に比例して高くなる傾向があります。


★水1リットルあたり何ベクレルまで大丈夫と外国は考えているか?(放射性ヨウ素+放射性セシウムで比較)


500 日本
 10 ベラルーシ
  2 ウクライナ
  0.1 アメリカ

【その他】

・ちなみにドイツは0.5ですので、日本の基準はドイツの1000倍ゆるい。そりゃあドイツに住んでいたら…来たくないというのも合理性があります。

・日本は、チェルノブイリ原発事故の被爆地ウクライナの250倍、ベラルーシの50倍ゆるい。ちなみに日本の内訳は、放射性ヨウ素300、放射性セシウム200です。

・WHO(世界保健機関)は20。日本の暫定基準値は25倍も高いので、世界の非常識と言われてもしかたない。

・日本は乳児のみ100ですが、それでさえウクライナの50倍、ベラルーシの10倍という異常さ。ちなみに原発排水の国際基準が130です。原発排水並みの、乳児の飲料水基準て…いったい。



★野菜1キログラムあたり何ベクレルまで大丈夫と外国は考えているか?(放射性ヨウ素+放射性セシウムで比較)


2500 日本
 170 アメリカ
 100 ベラルーシ
  40 ウクライナ

【その他】

・ベラルーシは児童には37。日本が原発事故を起こすまでは、世界最悪の放射能汚染国でしたから、大人は100を我慢しても、子供達には我慢させたくないから37ってことなのでしょうね。40のウクライナより、ちょっと低くしているのが泣けます。

・日本の2500の内訳は、放射性ヨウ素2000、放射性セシウム500です。ちなみに市販されている福島県産野菜を、8月に福島の市民団体が計測した事例では、ほぼすべての野菜から放射性セシウムが、50前後検出されたことを某テレビが放送してました。日本の暫定基準値が500ですので、日本国内では流通させて問題ないわけですが、ウクライナの基準だと、もう食品ではなく放射性廃棄物になってしまいますね。

・日本がダントツで高いので気になりませんが、アメリカもなぜ高い?水に含まれる放射性物質には、超厳格なのに…そのギャップがアメリカっぽく思います。


【まとめ】

…というわけで比較してみました。この基準値が、いうならザルの目の細かさなわけです。日本は世界一ゆるいんじゃないでしょうか。


ゆるゆるのザル検査自体も問題ですが、そもそもすべての食品をこのザル検査すらせず、サンプル検査だけして市場に流通させている点も日本の問題です。ベラルーシやウクライナは、食品売り場で購入前に放射性物質の検査をしたり、自給自足の酪農地帯では理科の教師に研修を受けさせて住民が検査を依頼すれば、その場で放射性物質の検査をしてくれます。


なぜそこまで徹底するかといえば、放射性物質の検査の目的が、基準値を超えた食品を人間が食べないために実施されているからです。日本の今のサンプル検査では、どれだけ汚染されているのかわからない食品でも、たまたまサンプルが低ければ流通できる状態なわけです。日本のサンプル検査の目的は、生産者の経済的な利益の保護であり、それを食べる人間を見ていないように感じます。


検査の目的が、消費者の命を守る為なのか、生産者の金を守るためなのか。


日本政府民主党は、詭弁として「検査機器が足りない、予算がない」といいますが、日本は世界で3番目に豊かな国です。ベラルーシは、おせいじにも経済的に豊かな国でありません。ロシアから電気を買ってるんですが、お金がなくて支払できずに電気を止められた国ですよ。なぜ、ベラルーシにできて、日本ができない?日本政府民主党が、ただ単に自分が調達能力がないことを認めたくなくて、言い訳しているようにしか聞こえません。


まとめると、ドイツのバイエルン州立歌劇場の団員の人たちは東京の放射線量うんぬんというより、日本の暫定基準値が高すぎること、その基準値の検査さえ徹底されていないこと、その基準や検査をつくった日本政府民主党が無能なこと、の三重の絶望によって日本行きを拒否したのではないかと、私個人は考えています。