ヨダレカケです。
皆様、長いことご無沙汰しました。無事、鹿児島県口永良部島での調査より帰還致しました。スタッフをはじめ、G部の方々など多くの方々に、お世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。島での調査は、二年間のブランクがありましたが、島民の方々の温かいご助力もあり、無事に終えることが出来ました。

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今回の調査対象魚、黒・白・黄色が鮮やかな「ツノダシ」です。広く世界の熱帯・亜熱帯域に分布しているにも関わらず、1科1属1種の魚、つまりツノダシ科ツノダシ属ツノダシという近縁の魚がいない変わった魚です。よく絵に描かれるような典型的な「熱帯魚」でアクアリストにも人気があります。ファインディングニモにも出ている馴染みのある魚です。

面白いことに、このツノダシですが、未だ謎が多く、いつ、どこで、どのように産卵しているのか?どんな社会をもっているのか?だけでなく、雌雄の判別さえも困難な(解っていない)魚です。そこで、私は、その謎の解明に挑戦しているというわけです。

今回の調査では、はじめて、成熟した卵を確認できたので、産卵を行っているシーズン(繁殖期)が明らかになりました。また、生殖器官と体の外見上の形(外部形態)を照らし合わせ比較することで外見で雌雄の判別が行えるようになりました。残念ながら、産卵の瞬間を押さえることは出来ませんでしたが、今後のデータ解析により、さらにゴールに近づけると考えています。こういった野外研究は、すぐには結果がでませんが、辛抱強くアプローチしていきます。