事件の真相、ケガの顛末とイタリアの救急病院2 | オイラ陽気なイタロ・ジャッポネーゼ■ミラノ

事件の真相、ケガの顛末とイタリアの救急病院2

さてさて、前回に続くお話

ミラノ、アーケード 更なる悲劇は最初に呼ばれた状況説明の後、診察の時に始まる。
両手でボクの腕をつかんだ先生、痛い?とぐりぐりまわすのだ。

痛いの痛くないのってもう…、痛いんだよ!!!!

不思議な事に、こどものバイバイの様に、手をひねるのはちっとも痛くないのだけれど、ちょっとでも方向を変えようもんなら、また、つかむ部分によっては激痛がぁ!

じゃ、レントゲンとってみましょう。

そういうけれど、すぐにレントゲン室に行ける訳ではない、また、元の待合室に戻って順番を待つのだ。
じんじんと、診察後に痛みがヒートアップして本当に熱を持ってる腕を抱えて待つ事1時間。
その間にも、各患者の新たな事故の様子が語られるのが耳に入ってくる。
そして、時々帰って行く、ギブスをつけられた人たち…。

レントゲンを撮った時はもっとヒドイ。
客観的に見れば、単にテーブルの上のA4大くらいのシートに患部をのせるだけなのだが、そんなポーズは冗談じゃねぇよ、と体が拒否。
そこを押さえつけられちゃったもんだから、思わず叫んだ!つもりなんだけど、そういう時って声さえ出やしない。
あー、こういう時、声がでないのって、垂直落下のアトラクションに乗って落ちる時と一緒だ。
きゃぁぁぁああああああ、と悲鳴を上げながら落ちて来た女の子をスゴいと思ったもんだ…。

走馬灯のように過去がよみがえっているうちに、2ポジションで撮影終了。
はい、いいですよ、と、もちろんまた結果が分かるまで待合室行きなのだが、このときさすがにもう一方の手まで言う事を聞かずに、上着すら一人で羽織れないのだ。

あー、さすがにこれは折れてるか…、よくてヒビか…。
戻って一時間経ってもズキズキと痛みが続くから、そんな風に待つ事、ほぼ3時間!!
周りにいた連中が、ギブスをされて、帰り際に Ragazzi Auguri (みんなに祝福を)なんて言ったヤツまでいて、Grazie(ありがとう)なんてハモっちゃって、待合室の雰囲気もどんよりさがマックスになって来た頃。
もう忘れられちゃってるんじゃないだろうかと思い始めた頃。
ついにボクの名前が呼ばれる。

ここでもまたレントゲンを見ながらグリグリされたのだが、折れてなかった!!!
Ah, meno male. (あぁ、よかった…)
なんだか出た言葉がそれだけ。
全治5日間、氷で冷やして安静にしておく事、それだけで済んだ。

日本の湿布と冷えピタと、氷で冷やすだけだったけど、最初の数日はベッドでちょっとでも身動きするといちいちうめいていた。
仕事もスグにいけるかな、なんて甘く見ていたら、手を置いて文字は打ててもショートカットを使って図面を書くのは問題外。
動きすぎても痛むようで、スタジオの仕事が落ち着いていた事もあり、診断書通り休ませてもらう事なる。

本当にたくさんの親切を受けた。
友人達からはもちろん、袋に入れるのを手伝おうかと言ってくれたレジの女の子、手続き処理を簡単に片付けてくれた窓口のおっちゃん、そういう知らない人たちからも、心から笑顔でお礼を言えた
一人だけ、レジでもたついたのを邪見にしたオバハンがいたが、それもこれもみな、イタリア人らしい素直な感情表現の気がして、微笑ましく思った。

ケガをしてあらためて知る、ひとのやさしさなのである。
心から、ありがとう。



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