山口県萩市の萩博物館で6日、館蔵品を展示する企画展「萩博物館のお宝」が始まった。

 未公開の資料など約70点を展示。吉田松陰が松下村塾の塾生に書物の執筆を依頼する新発見の書状もある。

 書状は、松陰が江戸に送られる直前の1859年(安政6年)5月15日付。塾で使用されていた原稿用紙に書かれ、塾生の入江九一にあてている。全体で2枚程度とみられるが、防府市の旧家から後半の1枚が同館に寄託された。

 「天朝去年ノ一大事ノ大略ヲ初メ、諸藩ノ風聞等ヲ真仮字ニテ録シメ一著トセント思フ。遂ニ暇ナシ。足下急ニ是レヲ果タスベシ」などと記され、世の中の動きを著作にしようとしたが、執筆の時間がなく、実現を託す内容。「一大事」は、朝廷の意向に反して幕府が調印した日米修好通商条約とみられる。

 入江は、高杉晋作や久坂玄瑞らと並ぶ「松門四天王」の一人で、松陰は自分の志を受け継ぐ塾生として期待していたという。当時、松陰と入江は萩で別々に投獄されていたが、書状のやりとりをしており、入江が出した「著作は謹んで引き受ける」とする書状は見つかっていた。

 樋口尚樹副館長は「江戸送りを前にした松陰の心情や入江への期待感がうかがえる。入江の書状の理由も明らかになり、空白を埋める貴重な資料」と話す。

 同展は4月7日までで、会期中は無休。観覧料は大人500円、高校・大学生300円、小中学生100円。

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