東京・秋葉原で08年6月、7人が死亡、10人が負傷した無差別殺傷事件で、殺人罪などに問われた元派遣社員、加藤智大(ともひろ)被告(27)は28日、東京地裁(村山浩昭裁判長)で開かれた初公判で「起訴状については記憶がない部分もあるが、今回の事件で私が犯人であること、事件を起こしたことは間違いありません。私ができるせめてもの償いは、どうして事件を起こしたかを明らかにすることです」と起訴内容を認めた。弁護側は「完全責任能力があったことには疑いがある」と主張し、責任能力を争う姿勢を示した。

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 起訴内容の認否で加藤被告は冒頭、「この場を借りておわびさせてください。亡くなられた方、けがをされた方、ご遺族、ご家族の方には大変申し訳ありません」と切り出した。

 検察側は捜査段階で精神鑑定を実施。鑑定医が事件当時の精神状態や成育歴を調べ、統合失調症のような精神疾患や人格障害はなかったとの鑑定結果を出した。地検は鑑定結果に加え、ナイフを購入して準備するなど計画性があることや、事件前後の状況説明に矛盾がないことなどから、完全責任能力があると判断して起訴した。

 一方、加藤被告は09年11月、遺族にあてた手紙で「事件の記憶がほとんどありません」と記しており、弁護側は「何らかの精神障害があった疑いがあり、完全責任能力には疑問がある」と主張。鑑定結果の証拠採用に同意せず、今後の公判で鑑定医の証人尋問が実施される。

 また、弁護側は、公判前整理手続きで、被害者や目撃者の調書の証拠採用を拒否した。このため今後、検察側証人として負傷者10人全員を含む被害者や目撃者ら36人、弁護側証人として被告の家族ら6人の計42人が出廷する。

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