こんにちは。puffです。
初夏のように日差しが強くなってまいりました。途端に暑くなりましたよねぇ。皆様はいかがお過ごしでしょうか。

つい先だって、三島由紀夫関連で映画のレビューを書いてから勢いづき、私の中での三島ブームが到来しております。
名付けるならば”第二次三島由紀夫ブーム”(祭り)とでも言いましょうか。これまた没頭すると心の半分はそれ……、しかし、とても味わい深く、幸せでもあるわけです。

ーー 没頭。
意外にもままならないのが現実です。
自分の集中力が長続きしないこと。これが大きいかなぁ。せめて二時間は完全に、一つのことに集中したいと思う。
私の悪癖というか……、なにかをしながらもう一つをする、これは良く無いと痛感。一つをしているときは一つの空間作りに熱心にならなきゃ。いま模索中。
……人の集中がより濃く活かせる時間というものは一体どのくらい?集中ばかりしていても疲れてしまうので、同じように解放、これも試したいと思うけど……。

●三島由紀夫先生、谷崎潤一郎先生、両氏の肉声
YouTubeって、時に煩わしい存在であるにも関わらず、意外にも痒いところに手が届く存在……。
偶然、仕事場に友達が遊びに来たので一緒に拝聴。
『……良い声してるね。鼻濁音ってやつかな。』
『日本人の声、ね?』
こんな意見に。
友人曰く、『三島主演で撮った、“からっ風野郎”がめっちゃ良いよ。』とな。
なんで?と聞くと、主題歌の中で、『ーーからっかぜやろう、(真似して歌っている)この抜き加減がいいんだよぉ。素肌に革ジャン着たりして。体もすげーし。』こんなマニアックなことばかり言い、私を瞬時に黙らせてしまふ。
『ふーーん。じゃぁ、憂国は?』
私はまたもや可愛くない。嫌だねぇ、女というのは。
『あぁ、セップクね?ーーおいらは“からっ風野郎”だな。やっぱり。』

五社英雄の"人斬り"も有名です。

M氏は私よりも20歳ほど年上で、兎に角こだわりが強く、我儘であります。私も相当な我儘であり、繋がるのは古き良き昭和時代のもの全体像の把握感が(掴みが一緒)というだけで、他は全く合わない。(らしい。)私の唐揚げは好物らしい。
ですが悠々自適な雰囲気は小綺麗な服装やら、言葉使いにも現れていて、懐がデカイから楽チン。お説教めいたことも結構言われるけど……、ごめん、無視だよ。

ですが、やはり年の功なんだよね。凄い気づきがあるから驚くばかり。
動画での声シリーズ。実はいろんな方々のを(特に文豪シリーズというのがあって、)聴き比べして、彼の感想はマトをついてる。
『三島は肉厚だねぇ。……谷崎って意外だね。軽いわーー。』
こんな意見に。
『商売人みたい。……』
こんな突いた感想も。

確かに。谷崎先生は日本橋生まれでありますから商売人気質が身体に染み込んでいてもしょうがないか。すると三島先生は生粋の……、
『いや、いずれにしてもみなさん、生まれながらにして文学者なんだろうけど……、声も生まれ持ったものだからね。』
いや、なんだろねー、不思議だねー、とひとしきり大騒ぎ。
『肉声ってエロだな。』
結局、エロティックであることには違いない。声は彼らの肉体から発せられてるわけだし、血肉に触れているような実感が伴うんだもの……。
凄いね、YouTube。

映画では吹き替えなどして見てしまうから、つい俳優さんの肉声にまで思いも及びませんが……、演じ手側とすれば、演技たれば声の配慮も相当あるでしょう?
とまぁ、肉声って、鼻息やら咳払いなんかも入るわけで、舌の粘つきや水分、詳しいかたなら体がどちらに傾いているのかとか、そんなことまで有り有りと見えてくるんじゃないかしら。
気になる人の肉声がとっても良い刺激となるのねぇ……、私はひとり、祭りに拍車がかかるのでした。これはしばらく続きます。


MASTERマスター(2017)
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またゆっくり感想を書こうと思いますが、汚れ役のイ・ビョンホン、とっても良かった。
彼の出演作は2本ぐらい観ましたが、《甘い人生》というのがありました。実はこれが良かったー。大好き。主人公のセリフが極端に少ないので、その削った中から浮かび上がる“純粋性”、これが口下手な殺し屋の、彼本来の姿なんだと思わせるところが、実に効果的だったと思う。イ・ビョンホンだとこれがオススメだなぁ、いいよ〜。孤独な殺し屋編。

そして……、いろんな人生を経過したビョンホンが(!)マスターでカン.ドンウォンと共演するなら見なくちゃと張り切ってレンタルしてきたわけであります。
ーーいいよ、詐欺師。
ビョンホンの綺麗な歯並びと小作りな顔立ちが胡散臭さを匂わせるし、彼の笑い皺?これが妙に狂気を醸し出してる。キャストは申し分ないかもしれない。(結局、猿顔な感じが、とっても狡そうで抜け目ないの。)
ドンウォンは優秀な刑事役で、己の才気に溺れているようなところもあるという……、若さゆえだね。鼻持ちならないおぼっちゃま感が。優秀すぎて失敗知らずーー、いいよ〜、ドンウォン。
そしてそして、天才ハッカー役のキム.ウビン君。彼がまた良かった……、彼は演技者として将来有望ですね。身仕舞も良い。演技力もあるしね。
おバカそうに見えて、実は繊細さと脆さもある青年ハッカー、そういった難しげな役に真摯に挑戦していたような……、しかし咀嚼して飲み込んでましたね。素晴らしい。
現在、闘病中だそうですが、また元気になって戻ってきてほしい。切に願っております。

余談。キム.ウビンの療養中、なにかと熱心に連絡を取って勇気付けたというドンちゃんの優しさに……、ちょっとホロっときてしまった。もちろん映画のなかでも、この二人にはほろほろさせられてばかりなんです。イ・ビョンホンはもう独断で突っ走る悪党路線をまっしぐらですが、ドンウォン、ウビン演じる、ジェミョン、ジャングンの奇妙な友情も大いに結構。
いいねぇ、男同士っていうのは。男にしか見えない頑丈な糸ってのがあるんだねぇ……、言葉なんかいらないんだねぇ、と、こう思ったの巻き。

2018.4.22