G.Y.K. | 学生時代であれ

学生時代であれ

ギリギリの生活をせよ


このあいだの日曜日、家族全員で近所の打ちっぱなしに行ってきた。
今年社会人になった長男がゴルフ覚えてえ、みんなで打ちっぱなしに行こうぜ、と招集をかけてきたので。
屋根裏部屋に仕舞いこんであったゴルフバックを担ぎ出して、うちから歩いてすぐのところにある練習場に行ったんだ。
カミサン私は去年オーストラリアに行った時、レッスンプロに教えてもらって100ヤードもまっすぐ打てたのよ次男おとん、100ヤード飛ばすのってすごいのか僕なんというかーコメントだで、4人で一つの打席を借りて代わる代わる打った。
いやあ、クラブを持つのは久しぶりだったなあ。
10年ぶりくらいだ。
で、最初は安全策でアイアンの7番を振ってみたんだけど。
5球打って5球ともきれいにシュート回転になって、左のフェンスを直撃した、いやあ、まいったまいった。
僕えっへん、これはフックというのだ。
右に曲がるスライスよりましなのだ一方、カミサンの方は、ボテボテだけどとりあえずまっすぐは転がっていく。
僕らいよっ、さすがオーストラリア仕込みで、息子二人はカラぶりか地面をひっぱたく連打。
僕あのさ、親の仇を打つわけじゃないんだからさ、そんなに力みかえらなくていいんだってで、まあ、そのうちに僕は多少まともになった。
ドライバーが3つか4つに一つはボールの芯を叩けるようになった。
ひゅーんと飛んでって正面のネットにぶつかる。
これは気持ちよかったな。
長男おとん、アドバイスしてくれよ僕それはしない。
ドへたに教えられて変なクセがついたら、とりかえしがつかなくなるからなで、結局、僕が子供らに教えたのはクラブの握り方とこんなことだけだった。
肩の力を抜いて振り子みたいにクラブを振るといいっていうぜ昔の漫画にチャーシューメンっていう呪文を使ってたデブがいたぜこんなんでビギナーがコツをつかめるはずはないわな。
まあ、息子らは僕と違って運動酔oには恵まれてる方なので、これから本気でやればそこそこにはうまくなれるだろう。
僕はメだった。
営業畑が長かったので、酒、麻雀と並んでゴルフは必須科目だったんでさ。
僕はゴルフはきらいです、趣味に合わないんです、とか言う選択肢はなかった。
で、いやいや始めたんだけど、いくらやっても上達しない。
なのでねえ、接待ゴルフのときはほんとに憂鬱だった。
丁度、小学生の頃の体育の鉄魔ンたいなもんだった。
接待じゃなくて、社内でやるときもねえ、あんまり気は進まなかった。
なにしろ、ゴルフというのは2重にムが出る。
一つは勿ィ金。
バブル期なんか、軽く34万円は飛んでったからねえ。
しかも、ヤクザな輩が多くてさ。
やたらに賭けが流行ってたんだ。
オリンピックみたいなおとなしいのだけだったらいいんだけど。
おともだちとかエイズとか、バブリーな賭けが社内で横行してたんだよ。
で、ヘタッピィの僕はそこでまたかっぱがれたわけだ。
それともう一つのムが時間。
僕はバブル期は横浜に住んでたんだけど、ゴルフはお値段の関係からどっちかというとチバラギのコースを使うことが多かった。
なので、早朝に家を出て帰ってくるのは夜中なんてことがざらだった。
お、おれの貴重な日曜日を返せえだったよ、まったく。
まあ、マイミクさんにはゴルフ愛好家の方も数名いるので、あんまりイヤなことばかり書くと失礼だな。
僕もゴルフが楽しいと思ったことがないでもない。
接待とか偉いさんと一緒とかじゃないほんとに気のおけない仲間内だけでやったときだ。
これはドへたでも楽しかった。
そういう仲間とだと、賭けも楽しくなる。
例えば、英語なんかね。
なにかというと、プレー中にカタカナ言葉を出したらブッブーになるやつ。
こういうの。
よっしゃあ、鳥の機会だなんだそりゃだからさ、バーディーチャンスだって出たっ、英語100円こんなこともあったな。
職場の同僚のやけにさばけた女子と一緒にプレーしたとき。
その子がパットを一発で沈めてさ。
僕らがやんやの喝采をしたら、その子曰く。
私、女の子だから穴に入れるのは得意なのよ一同、ギャハハだった。
ただまあ、そういう楽しい機会はそんなにはなかった。
なにしろお金のかかる娯楽なので、大抵は仕事の延長みたいな場が多かった。
で、今はそういう接待とかは気にしないでいいポジションにいるので。
mixi内でGYKを募集することにした。
GYKというのは、なにかというとね。
ゴルフやらない協会です。
実は協会自体はもう設立済みでね。
マイミクのコムシンさんを会長に仰いでいる。
言いだしっぺは僕なんだけど、コムシンさんはこれまでのサラリーマン生活の中で上司の誘いをなんだかんだでかわしつつ未だに一回もクラブを握らないですませてきているというたいした人なんでね。
なんだかんだで迎合してしまった過去を持つ僕よりも会長にふさわしいと思ったわけだ。
俺も、私も、ゴルフやらないという方は、是非ご参集ください。
でまあ、そういうわけで、僕は今の職場での執拗なゴルフの誘いは頑として拒否している。
家族で打ちっぱにいくくらいは、楽しい娯楽の範囲内としてもね。
ただ、ゴルフというものは、見てるだけなら結構楽しいときもあるよ。
プロの場合足コキ動画はやっぱり海外のメジャートーナメントかな。
あれらは時差の関係で実況が深夜になるので、最近はとんと見てないんだけど。
昔、自分がクラブを振り回してた頃は結構見てた。
例えば、その頃あったマスターズなんか印象深かった。
ホワイトシャークの異名をとったオーストラリアのグレッグーマンがぶっちぎりでトップを走ってたんだけど、最後に崩れる。
で、派手なーマンと好対照の地味で堅実なニックファルドがこつこつと追い上げてきて、最後に大逆転しちゃうんだ。
まさにウサギとカメそのものみたいな試合だったよ。
ーマンという人は豪快、大向こうをうならせるプレイで人気があった。
僕も割とひいきにしてたよ。
なので、あのマスターズは実に残念だった。
ちなみに私生活ではテニス界の美女、アイスドールの異名をとった英国のクリスエバートと再婚エバートの方は再々婚して離婚してる。
ホワイトシャークとアイスドールのカップルね。
関係ないけど。
そういえば、もっと昔の70年代にはローラボーというかわいこちゃんプレイヤーがやけに人気があった。
CMに出たりカレンーになったり、アイドル並の存在だったけど、実力的にはどんなものだったんだろう。
あの頃は男子プロのワンポイントのポロシャツも流行ったな。
ジャックニクラウスのゴールデンベアとかアールドパーマーの傘のマークとか。
リートレビはなんだったけかな。
映画でもゴルフというスポーツはときどき登場する。
中で僕が一番好きだったのは、毎度おなじみの007だ。
ゴールドフィンガー。
あれの最初の方で、ボンドがゴールドフィンガーとゴルフをやって腹の探り合いをするんだ。
あの辺の絶妙の駆け引きは、いかにもジョンブル好みだと思ったよ。
ゴールドフィンガーが日曜洋画劇場でテレビ初放映されたときは結構なニュースになった。
新聞広告がでかでかと出たりしてね。
その甲斐あって、当時のテレビ番組最高視聴率をゲットしたはずだ。
一方、漫画はというと。
色んな作品が出ているけど、未だ決定版みたいなのはないと思う。
僕が思うに、ゴルフ漫画のパイオニアはプロゴルファー猿なんじゃないかな。
結構ヒットしたと思うけど、僕はあんまり感心しなかった。
藤子不二雄なにやってんだよという感じがあってね。
どうもね、いうスポーツものを描くには、あの画は向いてないと思ったんだ。
あれが出た頃は既に劇画時代に突入していて、シャープなアクションを描ける作家が輩出してたからねえ。
それに比べると、なんだか紙芝居っぽい感じが否めなかった。
さらに言えば、トキワ荘のエースが梶原一騎の後追いを始めたみたいに感じちゃったんだ。
その梶原一騎と組んで一代のボクシング漫画を世に送り出したちばてつやの明日天気になあれもねえ。
やけに長く続いたし、人気もあったんだろうけど。
僕はチャーシューメンしか覚えてない。
紅い芝生、ホールインワン、上がってなンボ、千里の道も、黄金のラフんん、いずれも今ひとつ感否めず。
しいて言えば、あれかなあ。
坂田信弘とかざま鋭二の風の大地主人公の人物があまりにも出来過ぎなのがあれだけど、なんといっても画が巧いし、ゲームの機微がうまく描かれていると思う。
あとはゴルフのことをテーマにした決定版は、なんといってもこれだと思う。
山際淳司のエッセイブルボギークラブへようこそこれはねえ、面白いよ。
古今東西のゴルフにまつわる面白話がてんこ盛り。
不世出のスポーツライターが如何にゴルフを愛していたかがほのぼのと伝わってくる好著だと思う。
って、GYKの会員を募集するつもりだったのにゴルフのことを翌てたら世話はないな。
まあ、GYKって、ゴルフやる協会の略にもなるし。
ゴルフぎらいの方も好きな方もどちらもコメをいただけたら幸いです。