東京の物件をライフルホームズという
サイトで夜な夜な片手間に探している。
結構強めの酒を飲みながら、
バラエティ番組の閲覧に興じつつ、
チ、、IHコンロか、、
独立洗面なしか、、
などといった小さな不平を、生意気に
虚無に向かってこぼしている。
まぁ、あと数ヶ月あるし
生半可な気持ちで探してやろう
というスタンスを取りつつも、
いつの間にか東京の土地勘を少しずつ
会得しているのも事実であった。
えてして世田谷、渋谷、
杉並、新宿辺りの路線、駅名などは猛スピードで
小学生の時の九九よろしく脳細胞に
刷り込まれていく感覚である。
一度も訪れたことがないのに、
ああ、明大前ね、良いよね〜なんて
ひけらかしている自分に少し嫌気がさすが、
昔から、不安要素があると事前に
調べまくるという習性の賜物かもしれない。
さて、有難いことに目まぐるしい生活を
送らせてもらっていまして、
加速度的に、時にゲリラ的に
東京での用事が出来る訳です。
ともなると美容院とか脱毛の予定とかって
本当に迂闊に入れられない。
有難い悩みだ。
兼ねてより
11/8にビクター主催のフェスが決まっており、
そこは東京のやや郊外にある
立川にて開催される、クラフトビールや
アーティスト監修のお料理がキッチンカーで
提供されるなんともハートフルなフェス。
個人的にはすごく楽しみにしていて、
昔からずっと聴いてきた方たちとの共演や
関係者クラフトビール飲み放題という宝石のような文言に
ああ、音楽をしつこく続けていてよかったな〜
なんて思う訳です。(酒かい)
例えば、作曲家だけを続けていたら
それはそれで楽しい日々だろうけど、
チーム琳子として、半分ミュージシャンである
一面も保てているからこそ、未だにこうした
表舞台に立ち会える訳で。
まだまだ、喰らいついていきたいと思う次第。
我々琳子チームはフルアコースティック編成も
視野にあったのですが
諸々の事情で琳子1人での弾き語りで
出演させて頂く運びに。
とはいえ、色んな関係値を作るために
そう言う日も俺と池辺りょーまは
逐一帯同する事になっている。
その、前述に帰するんですが
立川という土地は
俺がずっと物件を調べるに当たって
何度も何度も目にした『京王線』
『京王井の頭線』という路線を駆使して
辿り着くことを知り、いざそれに乗る事を
知ってからは
なんと言いますか『芸能人』に会うような
感覚で、ソワソワしていた。
たかだか一つの路線に乗車することに対して
ソワソワしてしまう己の器量を図られかねないが、
俺にとって東京ってのはやはり
一々コンプレックスが混在しているので仕方がない。
大阪に住み、東京に憧れ、時々訪れては
何一つ爪痕を残せないまま、
20代が終わってしまった
俺にとっての30代というのは、
そのコンプレックスの回収劇そのものであり、
今まさにそれを体現している最中で、
だからこそ、毎日が楽しい反面
一瞬の油断も許されないという側面もある。
やるかやられるかの音楽業界ひいては
芸能界というのに、矜持を持って生きなければならない。
そんなことを思いながら毎日音楽やっております。
話が逸れましたが、
そのフェスの前日は渋谷でなんやかんやしながら
ホテルに向かうため、
遂に京王井の頭線、京王線に乗車。
人多し
という感想しか出てこなかった。
ライフルホームズで幾度となく見た
駅名を経由する実感など何一つなく、
ただ人の多さに感嘆し、打ちひしがれ、
ホテルに到着。
東京はどの路線も人が多い、
しかも特急とかマジやばい、
という元も子もない感想を
お土産に帰ることとなった。
物件選びはまだもう少しだけ慎重にいきたい。
ホテルに着いてからは例によって
池辺りょーまとツインの部屋なので
コンビニで買った酒を飲み、
今更まだ何を話すことがあるんだという
一握の疑問を抱えつつ、爆談。(爆裂雑談)
後半は何を話したか覚えていないが、
酒が足らずに2回コンビニで酒を買い足した事は覚えている。
次の日クラフトビールが飲み放題というのに、
何をそんなに飲む必要があるのかは不明だ。
9時半に起床し、同じホテルに泊まっていた
琳子と合流。
いざ立川へ。
立川はとても素敵でおしゃれな街だった。
後にビクターのお偉いさんとお話ししたところ、
『関西でいう西宮やね』と仰っていて、
まさしくそうだな、と思った。
まず駅がとても広くて、視界に飛び込んでくる
チェーン店の看板を鑑みて、
ここに住めばなんでも揃うことが一目で分かった。
それでいて街の雰囲気はどことなくシックで
落ち着いていた。
秋と冬の間の気候と街路樹の相性は最高だった。
少しの寝不足を忘れさせてくれるような
肌寒い空気と快晴に、
今日は良い日になるな、と確信した。
ケータリング弁当を食べて、
ステージ周辺を散策した。
朗らかな雰囲気が終始あった。
いざ琳子の出番。
とても良かったと思う。
きみが死んでゆうれいになったら
という曲の良さが、
場を掌握する瞬間が確かにあった。
こういった肌寒い屋外の
ステージにミドルバラードな系統の
曲は本当に相性がいい。
ずっと聴いていたいとさえ思った。
有難いことに最近スタッフが増えて、
撮影や物を運んだりする事が少なくなった。
いよいよチーム琳子では
アレンジのみに徹する事が出来そうだ。
出番終わり、
バックステージの廊下の果てに存在する
関係者飲み放題のビールサーバーを中心に
色んな方と名刺交換をしながら、
ライブを見たりして、とても楽しかった。
これから辛い事もあるだろうけど、
こんな事が続くなら耐えられるなと思った。
俺は音楽が好きだ。
帰りの新幹線は、定番の崎陽軒を食べた。
崎陽軒の蓋を開ける度に、
芸術だ、、！といつも思う。
血の通った生き方をしたい。
どうせなら、血の通った話がしたい。
あの頃の、キラキラと音楽に
恋焦がれた中高生の自分を裏切りたくない。
ただそれだけなのです。
これからも。
