9月22日「ストップ・ザ・介護殺人!」
新チラシ

の講師、在宅医療歴24年、三鷹市の東郷医院院長 東郷 清児 先生
東郷

が、映画 田辺鶴瑛の「介護講談」 を見て、それによって起きた素晴らしい気付きをシェアしてくれました\(^o^)/
素晴らしすぎます!
嬉しすぎます\(~o~)/
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(以下東郷清児記す)
講演会の主催者である井上祐宏さんと初めて出会ったのは、今年8月18日のある懇親会の席でした。
多少酔っていたとは言え、狭い店内で口角泡飛ばしながら熱く語る初対面の井上さんとの顔面の距離は約15㎝。
東郷&井上

その時私が感じたのは彼の純粋な魂でした。

「僕が主催する9月22日の講演会に出てよ!」「いいっすよ!」

そんなノリで、会って1時間後には講師とパネリストを引き受けていました。

私が在宅医療に携わるようになって来年が25年目です。
1年の350日以上を24時間体制で仕事し続けてきました。最近持病の腰痛の悪化もあり、週に何回かは身体が動かなくなります。

リオのオリンピック閉会式を見ながら、「東京オリンピックまで頑張ったら、全てを捨ててどこかへ消えよう。」と誰にも打ち明けずひとり決意を固めていた自分が、「でも、そこまで持たないだろうな〜」と弱気になっていました。

講演会で上映される女流講談師田辺鶴暎(かくえい)さんの『介護講談』のDVDを、井上さんから先日見せていただきました。お父様を自宅で介護していた田辺さん。「苦しみの介護」から「幸せの介護」へご自身の力で変化させていかれた様はまさに目から鱗でした。

9月11日日曜日の昼間、認知症で施設に入所された男性患者さんから、いつものように電話がかかってきました。訴えてくるのは施設における困り事や生活の不安。「施設の職員さんに伝えておきますね。」丁寧に答えたものの、電話を切るとフーッと出るため息。
夕方には前日行けなかった患者さんの往診がある。手をつける余裕がなく溜まりに溜まった書類の山の横でいつの間にか寝ていました。

約1時間後、眠りから覚めるか覚めないかの時、頭の中に繰り返し浮かんできたのは、『介護講談』の映像中の場面でした。笑いの絶えないご家族と、寝たきりだけど生き生きとしたおじいさんの表情。

「俺は間違っていた!」

ムクッと起き上がった私は、妻に向かって独り言のようにしゃべり始めました。

「在宅医療という、人間の内面と向き合える仕事をしているのに、実際は患者としての表面しか見ていなかった。人には必ず輝いていた時代があり、内に秘めたプライドもある。その人の持つ光を感じとることができたときにその人が好きになる。好きになったら話をしたくなる、話を聞きたくなる、会いたくなる。その状態になった時、初めて自分の持つ医療の知識や経験が本当の意味で役に立つ。俺は仕事のやり方を全部変える。仕事だって楽しまなきゃ損だし、自分が楽しんでやらなくちゃ何も変えられない!」

いつもは理屈で返してくる妻が、今回はただ、ニコニコと聞いていました。

午後6時半、79歳のハルコさんの往診。

"ハルコさんは人生にどんな歴史を刻んできたのだろう。"
"ハルコさんを本当を喜ばせるためには自分に何ができるだろう?"
そんなことを考えニヤニヤしながら車を走らせました。
そして、いつもよりたくさんの笑顔を、ハルコさんとハルコさんの娘さんからいただくことができました。

『人の役に立つためには、まず自分が幸せであることです。』
数年前にある方から言われた言葉の意味が、今になってやっとわかった気がします