pandoraのブログ

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通勤時に読んだら~という本を紹介/

文庫か新書に限定/

基本小説は取り上げない

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■「夜回り先生」 水谷 修 小学館文庫

これは通勤本としては適さないので、番外とした。
しかも本の紹介というよりも、人物の紹介になってしまうから。

水谷サンは過去さんざんテレビなどで報じられているので、いまさら取り上げるのはかなり色あせた感があることは重々承知の上で、心に楔を打ち込まれたことはやはり書いておこう。

今は元高校教師だが、教師時代から非行や薬物依存から抜け出せない少年少女を救ってきた。
二度とナワバリに入らないとの条件で、暴力団から足を洗わせた少年が約束を破ったことの落とし前をつけるために、指一本落とすことも厭わない。
荒んだ子供たちは大人の犠牲者という。

マスメディアは美談めいた話が好物で、ヒーローを作り出したがるものだが、これは本物だね。
政治信条を取りざたする輩もいるようだが、夜回り先生の行動が尊いことに変わりはない。

夜回り先生夜眠れない子供たち
http://www.youtube.com/watch?v=wiNKCPU6-NQ&NR=1


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■「ねにもつタイプ」 岸本 佐和子 ちくま文庫

カバーの紹介文に「奇想、妄想たくましく、リズミカルな名分で綴るエッセイ集」とあるが、うーむすっきりしない。

エッセイであることに異議を唱えるものではないとしても、どーもそのカテゴリに入れるのは違和感がある。

何気ない日常の一コマから、突然特異な宇宙空間にワープする感覚。そして脳の普段使っていない部分が、ほんの少しパチンとはじける。
あ。これは巧妙にエッセイを装ったSFではないのか。

もっと読みたくなって、岸本サンの著書が他にないか某書店で検索してもらったら、なしだって。

後で調べたら、あるぢゃないのさ。



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■「ぼくの妻はエイリアン」 泉 流星 新潮文庫

「なんでいつもと違う道を通っただけで怒り出すんだよ!」
買い物に行く道順でのことでよく喧嘩が始まる。
家にいるときは、臨機応変な対応ができないために、電話を受けることを極端に嫌う。
これは、妻がアスペルガー症候群(高機能自閉症)である夫婦の日常ということなんだが、身近に心当たりがある人も多いのではないか。

自閉症の主な特徴は次の3つという
①社会への適応力が弱い
②人とのコミュニケーションがうまくとれない
③常に同じ行動を好む(変化は不安になる)
その中でも知的障害がなく、自閉症の傾向が弱いものを高機能自閉症と呼ぶらしい。

病気や性格の悪さではなく、先天的な脳の機能欠損ということだ。

足の障害がある人には手を貸しあげられるが、脳の障害は見えないので、逆に「なんだよ、おまえ性格悪いな」「それぐらい常識だろ」と言ってしまう。
だから、本人はなぜそう言われるのかか分からず、怒り出すか自己嫌悪になるんだな。

自閉症ぎみの人が不安に思っていることを、怒るという形で表してしまうのは、自分を守るためということだ。

ならば、自分は彼らと喧嘩をせずに、もっとうまくコミュニケーションが取れたのではないかと。

いや自分の身近にはいないって。

だからいないって