長く本を読んでいると、人間の欺瞞性、みせかけ、いつわり、うそ、などには底がないな、人間なんて信じるもんじゃないな、と思わされれる。

だから、人間不信に落ちる、なんてのは、ただなナルシストで、私の立場ではないが、

中国首相の温家宝にはだまされた、と思った。

2005年に中国で反日デモが起こって、日本の外交施設がメチャクチャにされ時、この男は、デモの気持ちは理解でいる、アジアの人々も同じ気持ちだ、みたいなことを言った。

ふざけるな、と思った。

が、国内的には、この男は、昨年7月の温州で高速鉄道で事故が起きた時には、現場に行ったりと、一応、庶民に気を使っている人なのかな、と思った。

そう思っていた男は、実は影で、とんでもない蓄積をやっていた。

最近、ニューヨーク・タイムズがその蓄積を暴いたことには、以前触れた。

さらに、産経新聞1116p15の鳥居民のエッセイでは、

「温夫人がダイヤに執着し、それを大きなビジネスにしていること、

温氏の母親が国内最大を誇る保険会社の大株主であること、

一人息子・・・が、(他の中共幹部の息子らと組んで)株式市場で大儲けしている」

などと書いてある。

また、温前首相は、顔は温和に見えるが、政敵を失脚させる、という恐ろしいこともやる。

温の決断がなければ、薄追放はなかった、と鳥居さんは言う。

すると、この温という男は、過去10年間、表面では、ニコニコ温和で、調和に満ちた社会を作る、などと言って国を指導し、事件が起これば、すぐさま現場にかぎつけ、庶民のことをいつも心にかけている、と見せかけることに成功した。

が、影では、家族の者に蓄財をさせ、また、政敵を追い落とした。

なんだ、これは。

これが、マキアベリアンということか。

まったくパロディだ。