「皇室を中心とした自己同一」としての「日本精神」を、

「直線的」な系譜から、日本の固有性をはなれた「空間的」原理へと転換することで

「我々の歴史的精神の底から(我々の心の底から)、世界的原理が生み出され」るように、

「皇道は世界的」にならなければならない

と考えたのである。

福田和也『近代の拘束、日本の宿命』p46

日本の特徴は、世界で最長の皇室をいただく国である、という事実である。

よって、日本が、日本独自の思想で世界をリードしようとするなら、皇室と関連せざるを得ない。

問題は、皇室の何から世界をリードするような原理を取り出し、具体的な政策・制度に仕立て上げるかだ。

西田は、この問題には答えていないようだ。