ホワイトヘッドは、イギリスの数学者・哲学者、18611947年。

田中裕『ホワイトヘッド:有機体の哲学』より。

「ホワイトヘッドは、形ある存在としての神よりも、一切の形あるものを形成する純粋な『創造活動(creativity)』をさらに究極的なものとして考える。

宗教的な超越者としての神をもふくめて、一切の現実的存在を超える形而上的な超越者の『創造活動』が、『過程と実存』における『究極の範疇』(the category of the ultimate)』である。

ホワイトヘッドのコスモロジーにおいては、現実の世界にある一切の事物は、実体としての性格を持たず、相互に他を含みつつ生成するが、これは仏教における『縁起=無自性=空』の動的な理解を対応させることによって、有機体の哲学を大乗仏教的に読むことが可能となり、ホワイトヘッドを媒介として仏教思想とキリスト教神学が対話する道が開かれたのであった」(pp28-9)。