中国デモ、広がる波紋 日本関係の本規制、工場スト続発 の時は焚書坑儒を思い出しました
文化は最後の砦、こういうやり方は成熟した国でないと改めて思いました。
日本も戦前英語を敵視してましたから。やっと本はもどってきたようです^^。
「人生観すら変えるのが小説」村上春樹、ハワイ大で語る といっしゃる村上さん、本の規制は
やはりショックだったようです。
今回の尖閣騒動について文化交流に影響を及ぼすことを憂慮するエッセーを朝日新聞に寄せました。
一部抜粋
長い歳月にわたり多くの人々が心血を注いできた。僕も一人の当事者として、
微力ではあるがそれなりに努力を続けてきたし、このような安定した交流が持続すれば、
我々と東アジア近隣諸国との間に存在するいくつかの懸案も、時間はかかるかもしれないが
、徐々に解決に向かって行くに違いないと期待を抱いていた。
文化の交換は「我々はたとえ話す言葉が違っても、基本的には感情や感動を共有しあえる
人間同士なのだ」という認識をもたらすことをひとつの重要な目的にしている。
それはいわば、国境を越えて魂が行き来する道筋なのだ。
今回の尖閣諸島問題や、あるいは竹島問題が、そのような地道な達成を大きく破壊してしまうことを、
一人のアジアの作家として、また一人の日本人として、僕は恐れる。
茂木健一郎さんが連続ツイートしてくれたのでここでも全文ではありませんが読めます。
茂木さん原発推進、村上さんは反対・・・・
安酒の酔いについて抜粋
領土問題が実務課題であることを超えて、「国民感情」の領域に踏み込んでくると、
それは往々にして出口のない、危険な状況を出現させることになる。
それは安酒の酔いに似ている。
安酒はほんの数杯で人を酔っ払わせ、頭に血を上らせる。」
人々の声は大きくなり、その行動は粗暴になる。論理は単純化され、自己反復的になる。
しかし賑(にぎ)やかに騒いだあと、夜が明けてみれば、あとに残るのはいやな頭痛だけだ。」
そのような安酒を気前よく振る舞い、騒ぎを煽るタイプの政治家や論客に対して、
我々は注意深くならなくてはならない。
一九三〇年代にアドルフ・ヒトラーが政権の基礎を固めたのも、第一次大戦によって失われた
領土の回復を一貫してその政策の根幹に置いたからだった。」
安酒の酔いはいつか覚める。しかし魂が行き来する道筋を塞いでしまってはならない
その道筋を作るために、多くの人々が長い歳月をかけ、血の滲むような努力を重ねてきたのだ。
そしてそれはこれからも、何があろうと維持し続けなくてはならない大事な道筋なのだ。」
回の尖閣諸島問題においても、状況がこのように深刻な段階まで推し進められた要因は、
両方の側で後日冷静に検証されなくてはならないだろう
政治家や論客は威勢のよい言葉を並べて人々を煽るだけですむが、
実際に傷つくのは現場に立たされた個々の人間なのだ。」