夢を見ました。
私は妖精の館の前に立っていました。
扉にはこう書いてありました。
「あなたの願いをかなえます。
あなたの願いをひとつだけかなえます。
そっと扉を開いてください。
一歩前へ進んでください。
私にあったら教えてください。
あなたがかなえてほしい、たった一つの願い事。」
中は、どこもかしこもふわふわしていました。
床もふわふわ。
壁もふわふわ。
光もふわふわ。
嬉しくなってニコニコしていたら、
どこからともなく、妖精たちが降りてきました。
ふわふわ、ふわふわ。
私は言いました。
「私が幸せになれる場所に、連れて行ってください。」
すると、妖精たちは歌いだしました。
なんだかとっても心地よい歌です。
気持ちよくって、気持ちよくって、
目を閉じて大きく深呼吸しました。
目を開けると、私の部屋にいました。
私のソファーに、私の机、私のテレビに私のやかん。
隣の部屋から私の犬が走り寄ってきました。
妖精たちの姿はありません。
でもどこからか声がします。
「あなたが幸せになれる場所。
あなたの幸せがある場所。
あなたの願いを聞きました。
あなたの願いはかなえられました。」
妖精たちはまだ歌っています。
どんどん、どんどん声が小さくなっていきます。
なんて歌っているのだろう。
一生懸命聞きました。
今日はなんの日?
素敵な日。
4月1日。
エイプリルフール。