「見学者」 | エチオピアにいた照井唯史 東京から宮城、それからベトナムからの宮城

「見学者」

4月29日(木)

 今日は朝から6時間全部授業。全部7年生。全部タスファエと一緒。トピックはマグネシウムの燃焼。硫黄の燃焼。メチルオレンジとフェノールフタレインについて。



 今日は驚くことが二つあった。



 一つ目。タスファエが自主的に実験を取り入れて授業した。

照井唯史はエチオピアにいます-1 加熱

 私がマグネシウムの実験を終えた後、タスファエが初めて自分で生徒に実験を見せた。しかも、見せ方などが、私のやり方と同じだった。

 1)必ず生徒全員に見えるように工夫する。

 2)実物を用意し、可能な限り触らせる。

 3)すぐに答えや結果を言わない


照井唯史はエチオピアにいます-2 見せに行く



 私からタスファエに「こうした方が良い」とか、そういうことは言ったことがない。でも、私の演示方法を見て、感じてくれている部分があったんだなと思うと、とても嬉しく思えた。





 二つめ。突然見学者が来た。それは3時間目のこと、、、実験をしていたら、突然、校長と他2名が見学に来た。タスファエは「ゲストが来たから、もう一回実験を最初からやってくれ」という。

 ま、仕方がないので、生徒にも「レビュー(復習)だね」と言って、もう一度一通りやってみせる。



 その後、校長に理科室待機を命じられ、待っていると、3人+タスファエが理科室に来た。ゲストの正体はアムハラ教育局の指導主事(スーパーバイザー)だった。



 12月の記憶が脳裏によぎる。。。英語で負けるわけにはいかない!!!。向こうが話し始めたので、とりあえず「By the way , I am Terry」と言ってみせる。向こうも「sorry, I am Arem」と答えた。会話のペースを持っていかれると面倒なので、まず、バハルダールにいる、他の隊員の話題などをしてみる。落ち着けば、大丈夫だ。



 女性の指導主事は早口だが、自分の言いたいことを言いたいタイプのようなので、ずっと聞いてみた。すると

 「あなたのことは、昨日ヤカティット23小学校でも見かけました。とても良い活動をされているようですね。これからもぜひ、継続してください。できれば、バハルダール中の小学校を巡回して欲しいです。プラクティカルな授業や実験を見たことのない生徒はたくさんいますから」



 と言われた。うーん。そう言ってもらえると、嬉しいですね。



 校長やタスファエも、私がどうやって薬品や道具をかき集めてきているかを、2人に説明しているようだ。



 結果として、実験室もこのエリアのモデルになるレベルだと評価され、さらに、実験テキストを作ってくれと頼まれたのでした。(タルーラに配慮したもの)

 展開が急すぎて、何とも実感がないが、校長もタスファエも、ゲスト2名も満足したようだ。



 さて、このチャンスを活かさない手はない。近いうちに、他の小学校を攻めると共に、教育省にも再度アタックをしようと思う。



 自分の活動は、華やかではなく、草の根的なコツコツ作業である。。。地味である。。。

でも、今回のように、継続してきたことが少しずつ花開くのは、素直に嬉しい。僕は、このやり方しかできないだろう。コツコツ。地味に。でも、丁寧に人間関係を作り、少しずつわかってもらう。感じてもらう。


それが、僕なりのやり方なんだろう。


おまけ。本文とは全く関係ないですね(笑)

照井唯史はエチオピアにいます-3 ちびっ子