H&Mの11年度第1四半期(10年12月~11年2月)売上は、287.08億SEKと前年同期の290.95億SEKから1.3%減少、
本国決算から推計される日本売上も3.51億SEKと同3.53億SEKから0.6%減少した。
INDITEXの最新四半期決算(10年11月~11年1月)売上は前年同期より10.1%伸びているから、H&Mの失速は際立っている。
とは言っても、これは為替のマジックであって、11年度第1四半期の場合、SEKベースでは前年を割り込んでいてもローカル通貨ベースでは109%と伸びているし、10年度年間決算でも、SEKベースでは107%だがローカル通貨ベースでは115%と二桁増だった。
ところが、目を日本に移せば10年第1四半期以降、店舗が増え稼働売場面積が急増してもH&Mの売上はまったく伸びていない。
たった10店舗で、店を増やしても売上が伸びない飽和点に突き当たっているのだ。
08年9月の上陸直後は銀座、原宿の2店舗平均で月坪百万円以上を売り上げていたのに、店舗数が6店になった09年第4四半期には75万円、続く10年第1四半期には41万円と急落。
10店となった11年度第1四半期では25万円まで低下し、店を増やしても売上がまったく増えなくなってしまった。
という事は、多店化にもブレーキがかかるはずだ。
フォーエバー21は都合の良い数字しか発表しないが、多店化による販売効率の低下はH&Mと大差ないと推察される。
海外はともかく、日本におけるファストファッションブームは一過性のもので、メジャーマーケットとして定着するのは難しいというのが結論なのか、、、
ただし、日本的ファストファッションとしての、しまむらの地位は日本の貧困化とともに揺らぐ事はないし、自社開発で完成度の高いINDITEX(ZARA)はファストファッションという分類にははまらない。
もちろん、開発期間が長いベーシックSPAのユニクロはまったくファストではない。
H&Mとフォーエバー21、それに刺激されて開発された幾つかの国内ブランドまでをファストファッションと限定した上で、ブームの終焉ということになるのだろうか、、、