サラリーマンこそ給料以外の「ストック収入」を持とう!

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日系企業を経て、外資系証券会社へ勤務後、お金のふやし方を学び、現在、1億円を超える年収がある著者:生形大氏が書いた『9割の日本人が知らないお金をふやす8つの習慣』。本連載では、本書の内容のダイジェストで構成したものを紹介する。

フロー収入とストック収入の2つを持つ

 収入には、「フロー収入」と「ストック収入」の2種類があるのをご存じでしょうか。

 フロー収入とは、毎回単発でモノやサービスを提供し、収入を得ること。たとえば小売店や飲食店といったビジネスは、毎日お店を開くことで売上を上げていますから、フロー収入に分類されます。

 フロー収入のメリットは当たれば大きいこと。お店が繁盛したり、販売している商品がヒットしたりすれば、大きく稼ぐことが可能です。

 ただし人気や景気に左右されるため、収入が安定していません。一旦人気が落ち込むと復活するのはなかなか大変だったりします。そして当たり前ですがお店を開かない限り、収入は得られません。

 フロー収入をもっと増やそうと思ったら、人を雇うしかありません。たとえば自営業の人なら、人を雇ってビジネスの規模を拡大し、売上拡大を図るしかない。自分1人の力ではなかなか収入アップにつながらないのが、フロー収入の特徴です。

 サラリーマンのお給料も大別すればフロー収入に属しています。「毎月決まった給料がもらえるのになぜ?」と思うかもしれません。でもサラリーマンだってお店と同じように、自分の時間を費やして働き続けなければ給料はもらえません。

 それに給料は安定していても、ボーナスは会社の業績や自分の成績によって大幅に変わり、ゼロになることもあります。
 そして、会社が倒産したりリストラされれば収入が途絶えてしまうことになります。
 働き続ける必要があり、安定しないという意味で、給料もフロー収入なのです。

ストック収入は 最初に仕組みを作るだけ

 では「ストック収入」とはどんなものでしょうか。
 ストック収入とは、一度仕組みを作ってしまえば、後はあまり手間を掛けなくても、継続的に収入が得られるものを指します。

 身近な企業の話でいえば、電気・ガス・水道といったインフラです。最初に発電所や電力網を構築するには莫大なお金がかかりますが、一度作ってしまえば、あとは何十年も働き続けてくれます。一旦契約した顧客はなかなか解約することはないので、毎月安定した収入が得られます。定期的な設備のメンテナンスだけで、何十年も継続的に安定した収入が得られる。これこそまさにストック収入の代表でしょう。

 最近ではアップルやアマゾンなどの世界的大企業も、音楽配信の定額制や本の定額読み放題など、ストック型のビジネスに力を入れ始めています。

 みなさんの身の回りのストック収入といえば何でしょうか。
 銀行預金につく利息はストック収入です。銀行にお金を預けておけば、金利に応じた利子がついて定期的に口座に入金されます。とはいえ最近は定期預金でも0.1%程度ですから、収入と呼ぶには心細すぎます。

 株式の配当金、投資信託の分配金もストック収入の一種です。たとえば日本を代表する企業であるトヨタ自動車の年間配当利回りは約3%。もしトヨタの株を1000万円分買ったら、1年間で約30万円を受け取ることができます。
 ストック収入のメリットは、安定的・継続的にお金が得られること。ただし株式投資などは価格の変動が大きいので、厳密な意味でストック収入と呼べるかは難しいところです。

フロー収入とストック収入を 組み合わせる

 多くの人はフロー収入だけしか持っていません。つまりサラリーマンとしての給料しか収入を得る手段がない。
 しかし、前述したようにフロー収入だけでは安定しません。働き続けない限り収入は得られないし、働く時間を増やしたり、人を増やさない限り収入アップは難しいからです。
 病気やケガで働けなくなったり、安定していると思っていた会社が突然倒産したりといった事態に見舞われる可能性は、誰にでもあり得ます。そんな時にフロー収入しか持っていないと、どこからもお金が入ってこなくなってしまいます。

 この事実をしっかりと受け止めて、フロー収入だけに依存する生活から脱出する努力をする必要があるのではないでしょうか。
 いつ働けなくなっても、会社をリストラされてもいいように、元気に働ける今のうちからストック収入を構築しておくのです。