「影響力の武器」という本があります。

この本は、ロバート・B・チャルディーニという社会心理学者によって書かれたもので、内容はと言うと、人が、特に企業のマーケティング戦略によってどのように反応してしまいがちかを科学的に解説したものです。


例えば、スーパーマーケットで試食を提供していることはよくあります。

いったんその食べ物を受け取り、口にしてしまうと、

「買わなければ悪いのではないか」

という感情が生まれてきて、ついつい買ってしまう、ということになります。


これは心理学で言うところの、好意の返報性というものですが、こういった人間の反応がどういったときに起こるのかを、非常に詳しく書かれているのが、この本です。

ページ数は400以上もあり、価格も決して安くはないものですが、特に企業でマーケティングを担当している人にとっては、非常に役に立つ本になりそうです。


昨日は、経済指標発表のオンパレードと言ってもよい一日でした。

その中でもとりわけ重要なものと言っていいのは、やはりFOMCの政策発表でしょう。


今回の発表は、前回11月とはさほど変化があるものではありませんでしたが、国債の買い入れを継続して行うなど、引き続き景気回復に注力していく意向の内容となっています。

米国経済の懸念は、なかなか改善しない失業率もそうですが、同じくらい気になるのは長期金利の上昇です。

今年の夏以降下落してきていた長期金利ですが、10月以降再び上昇し始め、12月の段階では、再び6月ごろの水準にまで戻ってきています。

FRBとしては、この金利をなんとか低水準に抑えようと躍起になっているわけですが、マーケットの方はなかなか思うように反応してくれない、というところでしょうか。

バーナンキ議長の試練は、まだまだ続きそうです。
昨日のマーケットは、株式市場も為替市場も、大きく上昇しています。

その理由の一つが、ブッシュ減税延期のニュースだったようです。


オバマ大統領は、ブッシュ政権から続く減税措置(いわゆるブッシュ減税)を引き続き継続していくことを発表しました。

この減税措置については、民主党と共和党の争点のひとつだったわけですが、今の経済状況を考えると、オバマ大統領も、減税を続けざるおえないと判断したのでしょう。

発表の際には、この措置は、どちらの政党のためというのではなく、アメリカ国民全体のためだということを強調していました。


しかし視点を変えると、徐々に勢力を強めていく共和党への歩み寄りともとることができます。

民主党の中には、共和党に対して強く反対の姿勢を示す議員もいるでしょうから、それら議員との調整も今後の課題として出てきそうです。

しかし、「ブッシュ減税」という名前も、オバマ大統領としてはあまりお気に召さないのではないでしょうか。


世の中不景気でモノが売れない、と嘆くことが多いですが、今日は、ごく日常のことをヒントに成功している、という話。

ビレッジバンガードでも大々的に宣伝しているのが、これ。

ピーピングライフ おきづきバカップル
http://www.youtube.com/watch?v=7Z0CEwXo8s4

自分の変化に気付いてほしいユキちゃんと、なんとか話を合わせようとするマチャヒコのやり取りが面白い。

このシリーズは他にもいろんなシチュエーションのものがたくさんあるようですが、ピーピングライフという言葉の文字通り、他人の日常をのぞき見る感じで、それが共感できる部分もあって、それがヒットにつながっているのでしょう。


制作したのは、森りょういちさんという方で、その詳しい記事は以下のページ。

http://mainichi.jp/enta/geinou/graph/201004/13/

26才とまだ若いにもかかわらず、商品テーマの目の付けどころと、セリフや動作といった表現のクオリティーが非常に高く、これなら売れるだろう、と思わずうならせられます。


売れる商品を、となると、どうしてもたいそうなものを考えてしまいがちですが、ヒントは案外足元に落ちているのかもしれません。
国の借金が800兆円というのはよく耳にするかもしれませんが、その借金がどんどんと膨れ上がっている状況を実感できるのが、このサイトです。

リアルタイム財政赤字カウンター
http://www.kh-web.org/fin/

これによると、1秒間で百数十万単位で赤字が増えていっているわけですが、何とも気がめいってしまう光景ではあります。

法律では国債の発行は原則として禁止されているのですが、多くの人はそういったことを知ることもなく、まるでいいものでも買うかのように、郵便局や銀行で国債を購入している、というのが今の状況です。


先日、野田財務相は、新規国債の発行額を44兆円以下に抑えることは厳守だと話したようですが、財源をどこに求めるのかが悩みどころのようです。

いわゆるペイ・アズ・ユー・ゴーに則って行われるわけですが、今更ながら、という気もします。


現政権の民主党は、国民にいい顔をするために、「福祉を充実させます」「税金は上げません」と、財源の確保も考えずに自民党に勝利した、と言ってもいいのかもしれません。

そしてその財源を国債に求めた、というわけです。


財務省の以下のページによると、自民党小泉政権時代の30兆円台から、その後減少傾向にあったものが、民主党政権に代わってから50兆円に大きく悪化していることが読み取れます。

一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/003.htm

言ってみれば、国債発行額と、その政権のリーダーシップの程度は反比例すると言っていいのかもしれません。
12月に入ってから、世界の株価は大きく値を伸ばしているようです。

年末商戦の好調さや、住宅関連の経済指標を好感して、というところでしょうか。

ただ、アイルランドをはじめとする欧州のソブリンリスクはまだまだくすぶっているようで、昨日行われたECBのトリシェ総裁の会見では、政策金利を低水準に据え置くという発表がされています。

そして為替相場は、その発表を受けて、ユーロ円、ユーロドルともに一時的に売られているようです。

なお今日は、最も重要である雇用統計の発表がありますから、FXトレーダーは要注意ですね。


最近の経済指標は、良いものが出始めてきてはいるのですが、日々の生活の中でそれを実感として感じることはあまりありません。

そういった中での株高は、余った金が投機的に市場に回ってきている、ということでしょう。

いわゆる金融相場というものですが、そのことはどのトレーダーも分かっているでしょうから、ひとたび悪いニュースが出てくると、逃げ足は早いはずです。


ファンダメンタル的に良いかどうか判断できるのは、欧州での金融政策後の3月、あるいはFRBの量的緩和後の6月以降となるでしょう。

その時期に、景気が良くなっていると実感できることを期待したいところです。
システムトレーダーのひとつの目標として、自動売買というのがあるのではないでしょうか?

あらかじめ売買ルールをプログラミングしておき、後はそれなりのプラットフォームでシステムを運用する。

週に何度かの定期的なメンテナンスや動作チェックをしてやれば、後はほっておくだけで資産が増えていく、というのは、ある意味夢のような話です。


FXに限って言えば、今はメタトレーダーという無料のプラットフォームがありますから、自動売買にはそれほど高いハードルは無いといっていいでしょう。

しかしながら、手軽に運用できるということと、システムを長期的に運用していき資産を増やすというのはまた別の問題です。

自動売買といえども、システムトレードの一環ですから、システムトレードで注意すべき点はそのままあてはまるわけです。

ひとつとして、トレーダーがそのシステムをどれだけ信頼できるかというのがありますが、自動売買でもそれは同じです。

実際に運用している方ならわかると思いますが、少しのドローダウンに遭ったとしても、そのシステムを信頼し運用し続けられるか、は、自動売買であろうとなかろうと同じことです。


やはり中国への資金の流入はかなりのもののようです。

ロイターの記事「中国への資本流入が10月に急増、外貨吸収額が過去3番目の水準に」 によると、中国への資金の流入は、10月に急増していたようです。

これらの記事から世界の経済の情勢を読み解くと、米国がマーケットに資金をじゃぶじゃぶと供給しているのに対して、中国がそれをせっせと吸収している、という構図でしょうか。

米国が自国の経済を活性化させる政策が、すでに景気の良い中国にとっては頭の痛い問題なのでしょう。

中国はインフレ抑制のために必死です。


中国パワーはニューヨークも席巻しているようです。

今朝のニュースモーニングサテライトによると、中国人投資家の活動は旺盛で、ニューヨークの不動産だけでなく、郊外にあるワイナリーにも目を付けているという特集が組まれていました。


訳あって香港のビジネスに関する情報を見聞きする機会が多いのですが、やはり香港でも“本土からの”中国人の購買力は旺盛なようで、高級車、装飾品の顧客の多くは中国人とのことです。

そういった中国パワーが、ニューヨークにもやって来た、ということです。


こういった話を聞くと、一時期の日本の様子を思い浮かばずにはいられません。

バブルの時代には(今では想像もできませんが)、海外の資産を買いあさっていた時期がありました。

不動産もそうですが、数十億、数百億もする絵画を、日本の投資家が購入したというニュースを、ちらほら聞くこともあったほどです。

当時は、そういった日本人の行動を批判する向きもあったようですが、それと同じことを今、中国人が行っているのです。


その後日本がどうなったかを考えると、今の状況を手放しで喜ぶことはできないでしょう。

米国では、経済政策を立案するときに、日本の二の舞いにならないように慎重に事を押し進めていますが、中国もそうであることを願わずにはいられません。
日本の政治や経済政策、そしてメディア(マスコミ)の在り方に対して辛辣な姿勢でいる大前研一氏ですが、今回もまた政治家をバッサリと切り捨てる記事を書かれているようです。

世界経済を読む知恵がない閉鎖国日本

今回の記事はデフレ脱却の時期について言及していますが、海江田発言の見通しの甘さというか、弱気な姿勢について追及しています。

ここまではっきりと書かれると、ある意味“気持のいい”ものですが、特に大臣としての責務である、

「予測をするのではなく、具体的な政策を国民に示さなけばならない」

という一文は、多くの日本の政治家が全くもって忘れていることのようで、膝を打つ一言でもあります。


しかし大前氏も、十数年前から、日本の政治に対して批判と言うか指摘と言うか、やさしく言えばアドバイスをし続けているわけですが、それでもなお状況が変わらない日本についてどう感じているでしょうか。

日本政治を見捨てることなくアドバイスをし続ける大前氏は、本当の意味で愛国者ということなのでしょう。