自動車メーカーのビジネスモデル2
昨日の記事の続きです。
一方、リストラをして(ここでいうリストラは「首切り」ではなく「システムの再構築」をいいます)、
コスト削減に励めば、それだけ利益率も回復することになり、
これは社内の問題なので、自助努力でなんとかなる面が大きいのです。
実際にオバマさんも「リストラしないなら、CEOは会社を去れ」といっていますしね。
ここでいうリストラは、日本でリストラを意味してしまった従業員削減だけではなく、
もっと大きな雇用体制も含まれていると考えます。
先日の記事でも書きましたが、ビック3は現役の従業員だけでなく、
退職した従業員の医療費なども負担しており、これがかなり重くなっています。
そうですよね。すでに退職して、現在は働いていない人の費用まで負担するのですから。
国と違い、これらの費用は商品(=自動車)価格に上乗せされることになります。
ですから、アメリカ国民の多くが、公的支援をするのを嫌がっているわけです。
実質的に、自分たちの納めた税金で、リタイアした人たちの生活を支えることになりますから。
しかし、長年これが行われなかったのは、
経営陣の怠慢によるものが大きいですが、アメリカの労組は日本の労組とことなり、
その発言力が多く、簡単に手がつけれないといわれています。
ですが、倒産していまえば、
その辺の債権・債務関係もいったん白紙にすることができますので、
その後に誕生する新会社は、その負担がなくなりますから、
高コスト体質を脱却して、筋肉質な会社に生まれ変われることになります。
なのに、なぜこの選択肢が現実的ではないか。
これが昨日の記事で書いた自動社メーカーのビジネスモデルにかかわってくるわけです。
自動車を買う人は、車そのものだけでなく、後日のサービスも期待して、
その代金を支払っていますから、
会社が倒産していまったら、その辺のサービスも白紙になってしまう可能性もあります。
いくら新会社が、そのサービスを引き継ぎますといっても、
倒産すれば信用力はガタ落ちすますから、
それを信じない人が多ければ多いほど、
つぶれる可能性が高くなり、つぶれてしまうわけです。
つぶれたら、そのサービスは決して受けることはできませんからね。
ただでさえニーズのある製品が作れないのに、
信用まで失ったら、コスト削減以上に、販売台数が落ち込んだら、
再生は不可能になります。
個人的には、ビック3が倒産しない(させられない)理由は
ここにあると思います。
あ、でも、
ここ数日のニュースを見る限り、個人的な予想としては、
1年後にはクラ○○ラーは、今の形では存在していないと思いますね。
ここだけは潰して全員解雇か、GMと合併させて大幅リストラで、
労働組合に冷や水を浴びさせて、その隙に福利厚生の大幅譲歩に納得させ、
残りの2社を生き残らせるのではないでしょうか。